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ベストフレンズ  作者: 菊池まりな


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第34話 結果

 期末試験最終日。教室を出た悠真と紗奈は、いつものように並んで歩いた。


「手応えどうだった?」と紗奈が聞く。


「正直、微妙。お前は?」


「私も。今回はあんまり集中できなかった」


紗奈は素直にそう言った。以前なら「大丈夫、できた」と取り繕っていたはずだった。悠真はその変化に気づいたが、特に何も言わず、「じゃあ二人とも微妙だな」と笑った。気を遣わない返し方が、紗奈にとって楽だったらしい。紗奈も小さく笑った。




 恒一は試験後、悠真に進路相談の結果を話した。担任から「今のままだと厳しい」と言われたらしい。


「正直、ちょっとへこんでる」


悠真は「そりゃへこむわ」とだけ言って、それ以上余計な励ましは口にしなかった。恒一は「お前、前より聞き方変わったな」と笑った。


「前はすぐ"頑張れ"とか言いそうだったのに」


「紗奈に色々教えられた。励ましが、逆にしんどい時もあるって」


恒一は頷いて、「分かるわ、それ」と言った。




 部室では、玲奈が文化祭の展示以来撮り続けてきた写真をまとめ始めていた。来月のコンクールに出す作品を選ぶためだった。


「悠真の写真、変わったよね。最近の方がいいと思う」


「紗奈以外も撮るようになったから?」


「それもあるけど、なんか……前は綺麗に撮ろうとしてた感じがあった。今のは、ちゃんとそこにあるものを撮ってる」


悠真はその言葉の意味を、すぐには説明できなかったが、何か納得するものがあった。



 試験が終わった夜、紗奈から電話が来た。


「今日、久しぶりに何も考えずに喋れた気がする」


「俺も。お前と話すの、今日は楽だった」


「『楽』って言えるの、いいね」


短い会話だったが、二人の間に流れる空気は、以前より軽かった。完璧でいなくていい関係。波があっても、それを隠さなくていい関係。少しずつ、そういう形になっていく予感が、二人の間にあった。




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