接敵されるも、死んだフリで難を逃れる
首都を火の海にし、尋問により魚人と宝石人の大体の方角を掴んだ兵団。
飛行戦艦【シルフィード】の艦長は声高らかに命じる。
艦長「進路変更、左に30度ぉぉぉ」
副艦長「進路変更、了解。左に30度、舵を切れ」
操舵手に命令し、レオン君たちを狩りに行く
◇ レオン君たち ◇
三眼人の国の最西端。
目前には大河。
向こう岸に渡るには石橋か渡し船。
レオン「しっかり背中に乗ってろよ」
シュンナ「は、はい」
魚人には大河だろうが関係ない。
シュンナを落とさない速度で泳ぐ。
数十分後。
レオン「久し振りに泳いだ~♪ 」
水を得た魚である。
バシャバシャと潜水、クロール、飛び魚泳ぎと遊ぶ。
シュンナはその姿に、見た目は怪物みたいなのに、中身は子供だったんですねとレオン君の実年齢を思い出す。
そして、国が人間に滅ぼされたんですよねと悲しくなる。
レオン「気持ちよかった~♪ さ、誰にも邪魔されない場所を探しに行こう♪ 」
シュンナ「はい」
荷物は調理器具を入れたリュック。
荷物が多いとシュンナが落ちると思い、反対側に投棄した。
レオン君の目的は今も変わらない。
両親に料理を食べさせて、如何にそのままで食べるのかが勿体無いか説得する為。
料理が作れるシュンナは何が何でも連れて行く。
◇ 数日後 ◇
夜仕掛けた落とし穴に小動物が掛かっていないか調べ。
あればシュンナに素手で大雑把に解体して渡す。
なければ木の実や茸探し。
レオン「…サバイバル術が就いて来たかな」
シュンナ「そうですか」
三眼人の悪党達が最近襲ってこない。
やはり大河を渡ったのが効果が多い。
今居るのは傍に森が在る岩だらけの荒野。
宝石人の国しか知らないシュンナはこの国は緑が多い割りに生き物が少ない事に、帝国兵が侵略してくるんじゃと来た方角を見る。
その行動に、レオン君は大丈夫だよと声を掛ける。
朝食を済ませ、移動を開始する。
◆ ◆ ◆
部隊長「…もう一度報告してくれ」
部下からこの国の首都が何者かの奇襲を受けたと聞かされ。
耳を疑った。
聞き間違いだと報告を再度聞く。
部下「首都が、空飛ぶナニカに、焼き払われた、そうです」
聞き間違いではなかった。
部隊長「何処のどいつだ……空を飛ぶのは飛行船…いや、焼き払えるのは飛行戦艦だな。と、言う事は…犯人は他の大貴族のどちらかだが…ああ、クソ! 魚人と宝石人の情報が集められなくなった」
東部は現地住民を戦奴隷にして侵略中。
手は足りてるが、始末する二人の首が無ければ雇い主に大目玉をくらう。
部隊長「この国の悪党どもは如何だ? 何か情報を持ってたか? 」
部下「はい、今の処噂程度なのですが…じつは…ごにょごにょ」
部隊長「その情報をに賭けるしか無い様だな…気が進まないが。我々には時間が無い様だ。全員! 西部を目指して強攻しろーーー!? 俺達の首がヤバイ!! 」
部下「「「「エーーー!? そっりゃ大変だ!?!? 」」」」
休憩を中断し、中心部はもはや抵抗は薄いと進軍開始。
任務をしくじれば、更なる死地に行けと命じられる。
この任務に参加した全員が主に剣を向けても。
圧倒的暴力を揮う数人の護衛の前に殺される。
生き残れる僅かの死地の方がましだと理解しているから、ただただ命令遂行のために全力を尽くす。
部隊長「遅れた者は帰還する時のルートを確保しろ!? 」
部下「「「「うぅ~す! 」」」」
重装部隊、補給部隊は補給線を維持する陣を布く。
鈍重な重装部隊じゃ無理だろうと、遊撃部隊と騎馬隊が少なくない人数が残った。
部隊長「お前等な……気持ちは分かるが。任務が失敗したら意味なんだぞ…」
生き残る為とは言え。
ちょっと残り過ぎだと愚痴を零す。
◆ ◆ ◆
1個連隊を始末し、次なる獲物を狩りに進軍してる【剛腕戦士団】。
団長「前菜は喰った! 次はメインディッシュ(主菜)を喰いに行くぞーーー! 」
団員「「「「「おおおおおおおおおおおおおお」」」」」
【憑依】してる黒の全身鎧を更に速度を上げる。
この【スキルスイッチ】は憑依させるのに魔力を使うだけで、とてもエコなのだ。
敵にとっては疲れも痛みも無い鎧人形は悪夢で、冗談じゃないとクレームものだ。
団長「他の兵団に遅れた分を! 取り戻すぞーーー! 」
おおおっと団員達の雄叫びに、馬車の近くにいた小鳥達が一斉に飛び出す。
◇ レオン君たち ◇
順調にシュンナを故郷まで連れて行く。
両親の驚く顔が楽しみなレオン君。
シュンナは海が近づく事に、食べらません様にと。
レオン君の護るからの言葉を信じたいが、他の魚人族がみんなレオン君みたいとは限らないのは。
ラプーン君、ジーラス君と言ったレオン君の年上の友達を知っているから。
シュンナ(私はお肉は付いて無いし…ガーン。背も小さいし…ガーン)
食べられない言い訳を考える度に、自分に精神的ダメージを受ける。
そんな二人に。
何かが迫る風切り音を聞く。
レオン「は…? 」
シュンナ「なに…このお、とは…? 」
音のする方角を捜してると、あっけなく見つける事が出来た。
大きな木箱、レオン君が両手で抱えると前が見えないんじゃないかと言う木箱。
レオン「神様のプレゼント、なわけないよな」
シュンナ「こっちに落ち・飛んできてる!? 」
慌てて飛んでくる方角から横に逸れる。
カツンと木箱が地面に衝突。
次の瞬間、木箱の内側から強烈な爆発と炎が二人を襲う。
レオン「うわああ」
とっさにシュンナを抱き締める。
炎に呑まれた二人を見て、高度を下げて現れた飛行戦艦【シルフィード】の乗組員は歓喜の声を上げる。
艦長「フ、呆気ないモノよ。炎が消えたら死体を回収しろ」
炎が弱まると…。
副艦長「艦長!? 死体が在りません!? 」
艦長「な、なんだと!? まさか骨も残さず炭化したのか…それは不味い」
主の真の目的は戦果を挙げる事だが。
他の大貴族に何か言われる口実を作ったとなってしまう。
艦長「なんとしても死体を探せぇぇぇ」
副艦長「了解。降下部隊、降下せよ。死体の一部でもいいから見つけ出せ! 」
◇ レオン視点 ◇
いきなり木箱が爆発した。
明らかに狙って落とした。
帝国兵だ。
俺は今、地面の中に身を潜めている。
国境越えと同じ状況だ。
シュンナ「―――ッ/// ンー、ンー♡ 」
シュンナは俺に酸素供給すると暴れ出す。
我慢してほしい。
死んだフリが上手くいけば撒けるから。
帝国兵「「・・・・」」
チ、本当に死んだか調べに来やがった!?
あっち行け!
何か地面に刺す音がする。
不味い。
もっと深く…槍とかが届かないほど深く潜らないと。
槍に血が付いてバレる。
シュンナ「ンンン~/// 」
掘る為に腕を動かしたから、シュンナが暴れ・いや、これは抱き締められた?
好都合だからいいか。
俺は更に地面の奥に身を隠す為に土や砂利を手で退ける。
魚人の爪は掘削具で、本当にスゲー種族だ。
上の方で騒がしい?
何を話してるか分からないが、揉めてる様だ。
◆ 艦長視点 ◆
まだ見つからないのか………イライラ。
副艦長「申し訳ありません。降下部隊からは何一つ発見できないと…全て炭化しているとしか…」
なんてことだ。
この国を落とすほどの戦果を挙げて、他の大貴族たちを黙らせ、られるのか?
私は政治には疎い。
仕方ない、降下部隊を回収しろ。
副艦長「了解。高度を下げろ」
回収後、置き土産を一応置いておけ。
他の大貴族の兵団を殺せば、多少は主の役に立てたことになるだろう。
副艦長「なるほど♪ 」
我々は方向を反転。
主要都市や街を奇襲しに進路をとる。




