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魚人族の血は、回復ポーション

複数のスキルを合わせた【殲滅球】。

シュンナはとっさに手荷物を投げて勢いを弱めようとした。

が、魔力が籠ってない物ばかりなので、効果は無く。

シュンナに直撃する時間が僅かだが稼げた。

それがレオン君の腕での庇う時間を稼いだ。

だが【殲滅球】は飛散したが、一つ一つの威力は変わらず。

シュンナの身に降り掛かる。


【殲滅球】の爆発で追っての軍からは爆死と見えた。

実際は魚人族の人外の跳躍で、2人分の身を隠せる茂みにドボンと音がしたんじゃと思うように跳び込んだのだ。


レオン「シュンナ! 」


全身火傷。

出血も酷い。

このままでは数分ともたないで逝く。


レオン君は自ら鋭い牙で腕を傷付け。

シュンナの身体に塗る。

焼け焦げた服は破り捨て、スッポンポンの身体に魚人族の超再生力の血を塗る。

もう片方の掌に血を溜めて、シュンナに飲ませる。


シュンナ「ぁ・・・」


気が朦朧。

血を口の端から零れて、飲んでくれない。

他種族に飲ませて傷が癒えるかは知らないが。

やらないよりはましと。

自分の血を口に含み。

口移しでシュンナに無理やり飲ませる。

身体に塗った血で、傷口が塞がった。

それを見て必死に体力を失うのも厭わず、シュンナに自分の血を飲ませる。


シュンナ「ううん……? 」


顔色が好くなり、意識が戻って来た。

それで痛覚が戻り、痛いと言って目覚めた。


レオン「シッ」


大声出したら軍に気づかられる。

シュンナの口を手で押さえ、シーーと注意する。

コクコクと痛みを我慢して頷くシュンナ。


◇ ◇ ◇


軍馬の蹄、鳴き声が聞こえなくなり何分経っただろうか? 

シュンナの治療は終わった。

だが着替えの服が無い。

このままでは風邪を引く。

レオン君は服など着てないので論外。

倒した追っ手の服、兵が駐屯してた場所に戻って服を奪いに? 

それも論外、だ。


レオン「軍がまた追って来る」

シュンナ「クシュン! 」


裸でシュンナを温める。

女として見てない。

両親に料理の良さを教える為、料理を作れるのがシュンナだけ。

料理を作って貰う為に、恩を売ってるだけ。

毒入り料理を作られた日には、一生両親に顔向けできない。


シュンナ「///……」


プシュ~~とシュンナはレオン君がケダモノになったんじゃと顔を真っ赤にして、頭から湯気を出す。

それを見たレオン君。

やっぱり風邪かと。

怪我は治るが病気は治らないのかと焦る。

薬など無い。

全部荷物と共に灰に成った、成ってしまった。


2人は駐屯地にまだ近い事もあり。

素っ裸で恥ずかしいシュンナを気遣う事無く。

レオン君は兵に気づかれない様に茂みや窪地に引っぱる。


◇◆◇リーヴェンス帝国◇◆◇


アアクルラディル「いやはや~我等人類の領土(宝石人族から奪った土地)に、魚人族サカナがうろうろしてたそうですよ、皆さん♪ 」


円卓会議に参加する大貴族たちに両手を広げて語る。

オーバーアクション。

司会進行役に常に成りたがる。


ヒュ~ィ~♪ ははは♪ (コクリ)♪ 


出陣した部隊にちょっと接待され戻って来た諜報員が知らせに戻って来た。

諜報員から聞いた情報を纏めた報告書を読み上げる。

すると更に会議に参加する大貴族たちは可笑しく笑い合う。

テーブルをバンバン叩いく大貴族まで居る。

外務大臣御一人だけ、歯をギリギリ噛み締めてその行為が治まるのを待つ。

発言権は無い様だ。

この数日で権限が幾つか、魔導研究所局長(アアクルラディル)に奪われた。

裏で探っていたのがバレたのが大きい様だ。


外務大臣(皇帝陛下は……如何なさってしまたんだ。昔は…昔は小動物が食卓に並ぶ度に心を痛めていたのに……)


ギンッとアアクルラディルを睨む。

睨まれた本人は。

何処吹く風よ♪?と会議に参加する大貴族たちにジョーダンを混ぜて、外務大臣を小馬鹿にする様に嗤い合う。


アアクルラディル「外務大臣、様♪? 報告が遅れますので、プフ♪ 大人しくテーブルの木目でも数えてて下さいね♪ 」


ブフーー♪! ぎゃはは♪♪ グ くふくふ♪♪ 


円卓会議が終わる頃には。

外務大臣は怒りで顔を真っ赤に。

アアクルラディルは笑顔が張り付いてるのかと疑問が出る表情で。

他の大貴族・地方貴族3人は悪巧みが思い付いたと。

それぞれ自分の別宅に帰っていく。


◇魔導研究所局◇


アアクルラディル「ヤーー♪ 元気にしてるかい♪? 今日も玩具(外務大臣)がかまってほしいて言うからね♪ 遅く・」


アルベルト「そんなことより!? 俺に力をくれぇぇ」


少年兵士。

アアクルラディルが人体実験に使ってるアルベルト少年。

身体の2割は既に人外の細胞組織に入れ替えられている。

拒絶反応は麻酔薬で誤魔化してるとはいえ、常に痛みがある。

アルベルト少年の実験に対する熱意は狂気を帯びているのも相まって。

実験を手伝う研究者や医者は、局長のアアクルラディルに実験の中止を言いたい思いである。

「中止」を言った者は、次の日から行方不明。

捜索はしているよ♪とは、アアクルラディルの言葉である。


実験の関係者たち『・・・・』


それ以来。

黙々と局長の指示に従い、アルベルト少年の身体を弄る日々。


アアクルラディル「今日は議題に出た、ぎょ・」


ガタン!  ドスゥゥゥン!! 


アルベルト少年が一瞬でアアクルラディルの傍まで移動し、壁をドン。

外で不法侵入者が現れないか見張って居た兵士が「何事ですか!? 」と入室の許可を待たずに入ってくる。


アアクルラディル「何でもないよ♪ さ、君たちは持ち場で雑談でもしてなさい♪ 」


見張り「「し、失礼しました! 」」


局長の機嫌が好くて助かったと。

見張りたちは速やかに退出する、敬礼はしっかりして。

アアクルラディルはへらへらしてるが。

天才である。

狂気の発明をする天才である。

マッドサイエンティストである。

優し気な笑顔で、バッサリと喉を掻き切る狂人である。


アルベルト「俺の前で。その種族の名を、出すな」

アアクルラディル「おーーごめんごめんめんご♪ つい、嬉しくてね♪ 」


人体実験の替えは幾等でも居るが。

ペコリと頭を下げて謝罪する。

アルベルト少年以外は、何時ものことだと驚かない。

事ある毎に、アルベルト少年の禁句を言おうとする。


アルベルト「はぁ、はぁ」


反省してない。

が、幼馴染の女の子の為。

敵を討つ為に、アアクルラディルの協力が必要。

アルベルト少年は今の段階の握力で首をへし折ろうかと言う衝動を抑え、研究者の元に戻る。


アアクルラディル「さ♪ 実験材料、G-08を移植しよう♪♪ 」


研究者『はい、局長様』

アルベルト「・・・・」


敵の細胞を移植に抵抗は在るが。

敵を果たす為だと。

大人しく作業台に横たわる。


研究者「これより、サンプルG-08の移植手術を始めます。メス」

助手「はい、メス」


レオン君とシュンナはこの頃。

国境を越えて三眼人族の領土に不法に密入国。

服は原始人か野生児の蔓草である。


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