第16話 サイコキラーは誰だ!!
「いやー、やっぱり美味しいもの食べたら何もかも忘れられるよね!!」と、満足そうに碧月が話す。
唐揚げをたらふく食べた碧月は、すっかりいつもの碧月に戻っていた。
それを見た生徒会役員達は、すっかり安心した。
「ったく、これだけ瀬戸が落ち込むとはなあ...何があった??」
匁沢が尋ねるが、碧月は「うん、まあ...ね。」とだけ言って、なかなか答えようとしない。
その様子を見た匁沢は、あまり深く突っ込んではいけないのかと思い、追求をやめた。
「そんなことより、久しぶりに人狼でもしません??」
桐崎が言うと、「お、ほんとだね!!しよっか!!」と碧月も乗り気になった。
はじめの頃は人狼ゲームに悲観的だった三織も、最近は楽しみで仕方なかったほどだ。
「じゃあ今回は...あ、これいい!!」
人狼ゲームの役職をスクロールしながら読んでいた碧月の指がピタッと止まった。
「今回、サイコキラーっていうのを入れます!!」
「サイコキラー!?」一同は首をかしげた。
「サイコキラーは人狼チームなんだけど、占われると人間って出る...」
「あれ、それって狂人と同じちゃうん??」鳳月が口を挟む。
「ここまではそうなの。ただ、サイコキラーってすっごく強くて、占い先をサイコキラーにしたり、騎士の守り先をサイコキラーにしたりすると返り討ちに遭って死んじゃうの...」
「つまり、サイコキラーに関わったやつは殺されるんだな。」匁沢が口を挟む。
「そういうこと...人狼も殺しちゃうからね...あ、市民とかの疑うとか、あと霊媒師の調べる能力では死なないよ!!」
「なるほどね!!」高村も理解したようだ。
「じゃあ、人狼ゲームいってみよぉー!!」
〔恐ろしい夜が明け、朝が来ました。
昨晩の犠牲者は、いませんでした。
昨晩、最も強く疑われていた人物はいませんでした。
それでは、話し合いを進めてください。〕
「あ、言うの忘れてたけど今回も第一夜殺人・占いともになしね。
それと、役職は、市民、人狼、占い師、騎士、霊媒師、サイコキラーだよ!!」
碧月が説明する。
「じゃあいつも通り、占い師の人はCOしてください。」
碧月が言ったが、いつもと違い、誰1人占い師COしない。
「んー、これじゃあ話し合いが進まねえなぁ...」
「みんなサイコキラーを恐れてるんですかね...」
匁沢と桐崎が話しているのだが、碧月は首をひねった。
「サイコキラーは自ら襲いかかることは出来ないし、そんなに恐れる心配はないんじゃない??」
碧月が言うと、一同はなるほどと頷いた。
「それを聞いた上で、占い師COする人!!」
「私が占い師よ!!」高村が元気よくCO。他にCOする人はいない。
「じゃあ早姫ちゃんが真占い師ということで話を進めるわ。
騎士は今夜は早姫ちゃんを守って。」
「おいおい、高村がサイコキラーだっていう可能性が...」
「大丈夫。それなら、夜に死者が2人以上出るはずだから。
それで早姫ちゃんがサイコキラーだってわかるんじゃない??」
なるほど、と全員が納得。
「じゃあ、今回は誰を吊るんですか??」
「そうやなぁ...早姫ちゃん以外グレランでいいんちゃう??」
桐崎と鳳月が話しているところを匁沢が、「え、じゃあ俺霊媒師COで。」と割り込んできた。
「あれ、匁沢さんいきなりどうしたんですか??」桐崎の追求に、
「あ、いや、だってほら、殺されたくないし...」
「まあ、このタイミングで慌ててCOするという行為自体怪しいですけどね...」碧月も噛み付く。
「せやなあ...あ、そうや、碧月ちゃん、確か人狼って今回一人しかおらんかったよね??」
「は、はい。そうですが...」
「そーゆーことなら、鯨くん吊ってもええんちゃうん??」
「なるほど!!確かに!!」碧月が説明する。
今回は人狼が1人しかいないので、霊媒師の能力はぶっちゃけ無意味である。真霊媒師の確証がないのなら、吊ってみるのも手である。
最悪、真霊媒師だったとしても、次の夜で真占い師が生き残れば十分人間チームの勝算はある。
「というわけで、今回は匁沢さんを吊ります!!」
碧月が処刑ボタンを押した。
匁沢は「俺が真霊媒師なんだって...」と言いつつ、生徒会室を出たのであった。
ところが、スマホに出てきた画面は碧月の予想に反して、また夜の画面であった。
「そっか...じゃあ匁沢さんはどうやら真霊媒師の可能性が高いわね...」高村が肩を落とす。
「うん...そだね。」碧月はそれだけ言った。
それぞれスマホで夜のアクションをする中、三織は碧月が若干驚いていて、それを隠す素振りを見せたのを見逃さなかった。
そして夜が開ける...
〔恐ろしい夜が明け、朝が来ました。
昨晩の犠牲者は、碧月さんです。〕
一同は驚いた。
「あれ、1人しか死んでない...」
「ほんまやなあ...」
「ね?やっぱり私が真占い師でしょ??」
「瀬戸さん...」
それぞれの思惑が重なる中、碧月は生徒会室を出ていった。
〔そして、にわかに怪しいと思われる人物が浮上しました。
その人物とは...鳳月さんです。
それでは、話し合いを進めてください。〕
生徒会室内では、桐崎が指揮を執って話を進めていた。
「とりあえず、今わかっていることは、夜の間に瀬戸さんしかしんでいない...ってことですね。」
「僕、色々考えてみたんだけど、もし人狼が高村を狙わずに瀬戸を噛みに行っていたら十分ありえると思うぞ...
高村は騎士が守りにいってるんだから、無駄だと思ってな。」
三織が自分の考えを言った。
「なるほど...ちなみに騎士はどなたかCOありますか??」
「僕が騎士だよ。」三織が騎士CO。
「ちなみに昨日は誰を守りましたか??」
「ああ、昨日はお鳳月さんを守った。」
一同はまたもや驚いた。
「え、えっと、なんで私を守ってくれなかったの??」
「さっき自分が言ったことの裏をかいたんだよ。」
三織は説明する。
さっき三織が言ったように、人狼が高村を噛みに来る可能性は低い。それならば、他の人を守れば少しでも護衛できる可能性は上がるのではないかと考えたのだ。
「それが本当であれば、鳳月さんはサイコキラーではない...ということになりますね。怪しい人物だと言われていたのもありますし。」
「そやで。私はサイコキラーちゃうよ。」
「それで、三織さんの騎士が真で、高村さんの占い師も真となると...怪しいのは僕ですか....」桐崎は肩を落とした。
「ちなみに蓮くんは役職何なん??」
「僕...市民なんですよねえ...」桐崎は力なく言った。
「んー、私は蓮くんが人狼やと思うけどなあ...」
「僕もそうおも....ん??」
三織の頭に夜の碧月の様子が引っかかった。
「高村、昨晩誰を占った??」
「...意味無いけど言った方がいい??」
「うん。」
「詩織さんを占ったの...〇だったけどね...」
「なるほど。」三織は大きく頷いた。
「じゃあ1回可能性も含めて誰がどの役職か整理しよう。」
「まず匁沢さん。匁沢さんはあの様子だと真霊媒師だと思います。」桐崎が言う。
「碧月がわからないんだよなぁ。市民か、占い師か、騎士か...」三織が頭を抱える。
「私はサイコキラーの可能性はないやんな??」
「そうですね。ただ、人狼の可能性は捨てきれませんが。」
「え、さっき早姫ちゃんが私が〇だってゆーてたやん??」
「はい。確かにそうです。ただし、高村が真占い師であれば...」
「え、そ、そんなわけ...」鳳月は言葉を失った。
三織は続ける。「もし碧月が占い師であれば、高村はサイコキラーの可能性が高い。碧月がスマホを操作してた時、終わり際に少し驚いていたからな。碧月は真占い師であって潜伏していて、高村を占った。高村が人狼だと思っていた碧月は、占い結果が人間だと出て少し驚いたと同時に、高村がサイコキラーである可能性に気づいたんだと...」
そんなことあるわけない...と、鳳月は高村の顔を見た。
ところが、高村は自信満々に、
「そうよ。私がサイコキラー。私が占い師騙りしたら、騎士を確実に殺せると踏んでね。」
「みんなが裏をかいた結果、殺害者が1人だけになったと...。」
三織も納得した。
「ただ、これだったら機械任せになるよなぁ...」
「人狼チーム、人間チームともに2人ですしね...」
「そやなあ...もうひきわけでいいんちゃう??」
「そうだね!!」と、全員は同意し、碧月と匁沢を呼んだ。
匁沢は入るやいなや「俺本当に霊媒師だって!!」と嘆いたが、「匁沢さん人狼チーム得意ですしね...」と桐崎が微笑を浮かべながら話すと、匁沢も落ち着いた。
じゃ、今日は解散!!と、碧月が号令をかけた。




