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第1話:転生したら理想の「傷だらけのヒロイン」だった件

画面に映る私――ルナは、どこからどう見ても「とびきり可愛い女の子」だ。


ネオンが煌めく夜景をバックに、スマホのインカメラで自分を映し出す。お気に入りのピンクのブラウスに黒のミニスカート、そして頭にのせたベレー帽。何よりこだわったのは、転生してすぐに整えたこのサラサラの金髪ボブだ。大きな青い瞳が、我ながら本当に愛らしいと思う。


前世の私は、どこにでもいる男子高校生だった。ただ一つ、他人には絶対に言えない「歪んだ性癖」を除いては。

――最高に可愛い女の子が、限界まで体を酷使し、血に塗れ、穴だらけのズタボロになりながらも泥臭く戦う姿。それを見るのが、私の至上の悦びだった。


まさかトラックに跳ねられて死んだ後、その性癖の熱量が強すぎるという理由で神様から転生の権利を与えられ、自分自身が「理想の女の子」になれるなんて思いもしなかったけれど。


「さて……そろそろ時間ね」


スマホをポケットに仕舞い、チョーカーに軽く触れてから、私はビルの屋上から夜の街へと飛び降りた。


現在の私の職業は、フリーの殺し屋。

神様にお願いして貰ったのは、常人離れした『身体能力』と、どんな苦痛や破壊にも心が折れない圧倒的な『酷使耐性』だ。


今日のターゲットは、重武装した私設マフィアの一団。路地裏に降り立った私を見つけ、大の男たちが下品な笑みを浮かべて銃口を向けてくる。


「おいおい、迷子かお嬢ちゃん?」

「ううん。あなたたちを殺しに来たの」


鈴を転がすような声で微笑んだ瞬間、無数の銃弾が放たれた。


普通の女の子なら一瞬で肉塊に変わる暴力の嵐。私は超人的な身体能力で弾雨をすり抜け、一人目の喉元をナイフで切り裂く。しかし、多勢に無勢。避べきれなかったサブマシンガンの弾丸が、私の可愛い衣装を破り、太ももや肩の肉を容赦なく抉り取っていく。


「あはっ……!」


激痛が全身を走る。肉が弾け、鮮血が金髪を赤く染める。

普通ならショック死するような痛みが、私の脳内を最高の快楽で満たしていく。そう、これだ。この激痛と、自分が壊れていく感覚こそが欲しかった!


肉体がどれだけ傷つこうとも、私の『酷使耐性』は恐怖も絶望も感じさせない。むしろ、傷が増えるたびに私の動きはキレを増していく。


「化け物め! 死ね!」

至近距離から放たれた散弾が、私の腹部を貫き、文字通り「穴だらけ」にする。ボタボタと溢れ出る赤。飛び散る肉片。


「信じられない……最高に可愛い私が、今、こんなにズタボロにされてる……!」


恍惚とした笑みを浮かべたまま、私は残った男たちの心臓を正確に撃ち抜いていった。最後の一人が絶望の表情で崩れ落ちる頃には、私の体は傷だらけの、血塗れの、ボロ雑巾のようになっていた。


ぜぃ、ぜぃ、と荒い呼吸を繰り返す。酷使された筋肉が悲鳴を上げ、全身の穴から血が流れ落ちる。だけど、意識は信じられないほどクリアで、幸福感で胸が張り裂けそうだ。


「ふぅ……。今日も最高の戦いだったわ」


壁に背中を預け、血塗れのスマホを取り出す。インカメラに映る私は、服も髪もボロボロで、体中穴だらけ。だけど、その瞳だけは爛々と輝いていて、とびきり猟奇的で、とびきり可愛い。


自分で自分に惚れぼれしながら、私は満足げに微笑んだ。この最高の肉体と性癖を手に入れたんだもの、次の獲物はもっと私を痛めつけてくれる相手を選ばなくちゃね。

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