↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
69/69

修学旅行臨

 まだこの世界でも定着しきっていない義務教育。さらに言うと、そのカリキュラムに含めた修学旅行。


 我がヤマシタ公爵領からキエシャ辺境伯領トーオ諸島への修学良好は、我が息子と娘の学年が初めて体験する行事となった。


 さて、修学旅行と鉄道のお約束と言えば・・・そう、修学旅行臨(修学旅行用臨時列車)だ!


 修学旅行という行事は日本独特のものだ。さらに、その修学旅行のために専用列車を仕立てるのも、世界広しと言えど、日本くらいなものだろう(他国にも似たようなものは、あるかもしれないけど)


 日本の修学旅行専用列車と言えば、戦後東京や大阪、名古屋の学校が集団で修学旅行先に出かけるために製造された修学旅行電車が有名だが、まだ電化前のこの世界では、もちろん通常の車両を貸し切るスタイル。それでも他の乗客との混乗を防ぐため、このために1本専用列車を仕立てた。


 編成は機関車に客車4両と荷物車1両という、身軽な編成だ。荷物車が付いたのは、教師と学生たちの荷物を運ぶためだ。別便で送って荷物の行方不明とか発生したら、せっかくの旅行が台無しだ。


 ちなみに、我がヤマシタ鉄道における貨物や荷物の行方不明率は、他の鉄道よりも低いものの、残念ながらゼロには出来ていない。


 公安職員が見回っているとは言え、停車中の盗難や、中には職員によるものもあった。ちなみに、職員の場合は、もちろん即解雇の上、盗難物が減失している場合は、その賠償をきっちりしてもらっているけどね。


 鉄道の旅を邪欲で汚すような輩は、容赦しない。


 そして今回、彼らの旅行には「実地視察」の名目で、俺も付いていく。さらには強硬に同行を要求してきた妻のアイリも付いていく。


「ツバサとツバメが成長した姿と、夫の仕事が上手く行っているのを確認するのは、母として妻としての務めです」


 と押し切られてしまった。さらに下の子やその乳母や執事、メイド、会社の社員などもついてくることになったので、列車の編成が2両も増えてしまったことは、内緒・・・と言うわけでもないが、その経費はうち(ヤマシタ公爵家)から出した。


 さすがに社長とは言え、それくらいしないとね。


 とにかく、こうしてこの世界初の修学旅行臨時列車はトセ中央駅を発車した。


 子供たちと先生が乗る2両が前で、その後ろに荷物車。そしてさらに後ろに、俺やアイリたちが乗った2両の客車が連結されている。つまり客車の中間に荷物車をサンドイッチしている。


 間に荷物車を挟んだのは、子供たちが俺たちの車両に入り込まないための配慮だ。荷物車の通り抜けは不可能だからだ。


 とは言え、子供たちの様子も知りたいので、時々車掌に声を掛けて様子を報告させ、さらに交換の時などの停車時に、そっと様子を見た。


 特に大きなトラブルもなく、うちの子供たちも楽しそうだ。


 うん、社長として親として、列車を運行して良かった。

 

 

御意見・御感想お待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。