子供たちと修学旅行
話は変わるけど、俺とアイリの間に最初に生まれ双子の子供たち、ツバサとツバメ(漢字で書くと翼と燕)は幸いにも大きな病気や事故に遭うこともなく、スクスクと成長し、間もなく小学校4年生になる。
ちなみにうちの領地での義務教育は、ルーレ王国で制定された法に則って、現在小中合わせて9年間だ。
2人のために特別な学校を作っては?という周囲の意見もあったけど、庶民出身の自分としては、まだ義務教育も根付いていないこの世界で、そこまでする必要も無いのと、公爵の子供たちが通うことで質を維持させるという目的で、義務教育法に則って設置した公立学校に通わせている。
何だか子供たちをモルモットにしている気がしないでもないけど、とにかくこの世界では何事も初物尽くしだから、とにかくやって改良するしかない。
で、そんな小学校だけど教育内容のベースになっているのは、ほぼ日本の小学校の教育だ。授業の教科や、行事などかなり参考にした。もちろん、この世界の常識に合わせて教科書の中身を変えたり、また俺のいた時代に批判されていた画一教育の弊害を減らすために、クラスの人数や、教員の質の維持など、こちらも試行錯誤しながら、内容を固めていった。
で、そんな風に決めた学校行事の中にあるのが、遠足と修学旅行だ。
言うまでも無く、ついこの間まで義務教育すらこの国になく、遠足などと言う行事はなかった。そもそも、子供が自分の故郷の街や村から離れることすら、稀だった。
しかし、そんな状況も鉄道の開通で一変した。隣町どころか、王都まで直行できるようになったから。さらに数年で直通や乗り換えで行ける範囲も拡がった。
子に旅をさせろじゃないけど、やっぱり見識は広げないとね。なので、遠足と修学旅行をカリキュラムに入れた。というより、ねじ込んだ。
ちなみに、日本のそれと同じで遠足は日帰り、修学旅行は宿泊を伴う旅行だ。なお、かかる費用は、領の教育費から補助した。
遠足の方は比較的近場としたけど、それでも鉄道に乗るのをコースに入れさせた。名目としては「新時代の公共交通機関の利用を子供たちに学ばせる」だけど、それとともに乗り鉄として、子供たちに鉄道に乗る楽しみを知ってもらいたいという気持ちもあった。
そして、修学旅行はと言えば、こちらは宿泊も伴うのでかなり遠距離まで移動するコースを設定し、行き先の一つとして選定したのが、キエシャ辺境伯領のトーオ諸島だ。
これは列車と船を乗り継げば、半日程度で到着可能で、内陸国育ちの子供たちに海を見せて船旅や、島での宿泊をアトラクションとして用意できるからだ。
そして、ツバサとツバメが小学校6年生(卒業年次)となった修学旅行は、このトーオ諸島へのコースになった。
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