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アセンド  作者: くろいぬ


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始まりの地

 「師匠っ!!今日は何を狩ってきたの?!」


真っ白な吹雪の森の中から出てきた片腕の男に、元気いっぱいの声で、少年「カリエス・ケンリ」が近づいてきた。


 「おー、これはな…。」


片腕の男がニヤリと笑みを浮かべ答える。


 「アルミラージだ。」


一本の角が生えたウサギのような動物を、数匹、ケンリの前に投げ出すように差し出した。


 「おー!すっげぇ!今日は久々の肉だな!師匠!」

 

 「そうだな。今日の夕飯は豪華だぞ。ただ、アルミラージを何匹か、余計に狩っちまったから村の人に        も分けてあげようか」

 

 「わかった!」


 この二人がいる場所は六武大国の一つ「ブリテン」。そして、その北の果てにある小さな村の「イモン」というところだ。

 

 ブリテンは大陸の北方に位置をしており、基本的に平均気温は低く,海に面しているため、湿度が高く、雨や雪などの不安定な天気になりやすい。

 

 そんなブリテンの北の果てにある村々の環境は、想像に難くはないだろう。

 

 日が出る日はとても少なく、育てられる作物も限られている。村人たちは、そんな作物を育てて、か細く生活を営んでいる。


 「ケンリー!今日も一緒に一戦を交えましょう!」


 ケンリと片腕の男がちょうど話終わったとき、家の外から突然、声が聞こえてきた。


 その声の持ち主に気づいたケンリが「その前に見てほしいものがあるんだ!」と声をかけながら、丸太でできた扉を開ける。


 扉の先には、両手を腰に当てながら、ふてくされている少女がいた。


 「私と戦うことよりも大切なことがあるというの?!」


 彼女「セレジア・アルトリア」は、不機嫌そうに、声を荒げる。


 「アルトリア、わかってるって。あとで一緒に試合しよう。それよりも見てほしいものがあるんだ!」


 ケンリはアルトリアをなだめるように、家に上げて、アルミラージに向かって、両手を広げる。


 「師匠が狩ってきてくれたんだ!しかもこんな大量に!」


 「わー!すごいわね!流石先生だわ!でも…」


 アルトリアは、みすぼらしい服装の片腕の男に目を移す。


 「先生…。最近、見ていなかったですけど…。この量のアルミラージを狩るのにどれだけの期間、森にこもっていたの?」


 「一週間ぐらいかな…」


 少し困ったように、片腕の男は答えた。


 「一週間って…。あの森の奥まで行ったんですか?この辺では、アルミラージどころか動物もいないし。」


 「あぁ、でも大丈夫だ。こう見えても、俺は昔、剣士だったしな。」


 「それは、知ってますけど…。でも森の奥には、魔物がでるし。先生は、今やこの村のなくてはならない人なんですから、なにかあったら…」


 「大丈夫だって、心配しすぎだよ」


 ケンリは話に割り込むように、元気いっぱいに


 「師匠は、めっちゃ強いから大丈夫だって!アルトリアも師匠の強さは知ってるじゃん。」


 「そうゆうことじゃないんだけど…。まぁいいわ。まずは、このアルミラージを村長のところまで持っていきましょう。」


 「おう!」


 ケンリは笑顔で腕を上に突き上げながら返事を返した。


 村長の家に行く道中、ケンリたちは、ある話をしていた。


 片腕の男が、口を開く。


 「なあ、お前たちも、そろそろ12歳になるころだ。そろそろ子供扱いをやめて、どこかの仕事に弟子入りする時期に、もうすぐ入る。」


 「えー…」


 二人は口をそろえて、落胆した声を出した。


 「ただ、お前たちは、剣の腕がいい。幸いにもこの国では、魔法ではなく、剣術が主に発展してきた国だ。」


 アルトリアがハテナを浮かべて疑問を投げかける。


 「そうえば、魔法っておとぎ話の中でしか聞きませんけど、この村で、魔法なんて使っている人は見たことないし。なんで私たちのいる国は魔法が使える人がいないの?」


 「いい質問だ。ただ全部を話すと、難しくて複雑な話をしないといけないから、簡単にいうと、大昔に魔王を倒した冒険者たちがいた、魔王を倒した冒険者たちは、魔王の領地を使って4つの国を作った。そして、この国、プリトンを作ったのは、剣神「シグランド・グラム」。だからこの国は、剣術が発展している。」


 「ふーん」


 二人は、興味なそうに返事をした。


 「話がそれてしまったな。そうだ、二人は、剣の技術は、人並み以上の才能がある。だから俺は、二人に剣について学べる大学に連れて行ってもいいと思っている。無理に行かせようと思っていないが、どうする?」


 ケンリ、アルトリアは、先ほどの態度から、一変させて、目を輝かせながら言った。


 「「行きたい!!」」


 片腕の男は、嬉しそうに「そうか、そうか」と頷いていた。


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