究極の間
エンキは目を覚ました後、言葉が出ることはなかった……
タツマ達から聞いたエンザンの行為に自分たちはどうすればいいのか分からなかった
「なんでだよ……どうして、こんなことに…………」
「それはお前たちが弱いからじゃ」
そこには白爺、木蓮、水列の姿があった
突然言われたエンキは少し固まってしまった
「俺たちが弱いのは分かった。だけどこれ以上どうすればいいんだよ」
「僕たちにはもう、強くなる術がない」
ロイも続いて言う
「お主らはまだ強くなれる。そのためにわしらはここに来たんじゃ、もはやわしらではエルゼという少年を止めることは出来ない。お主たちだけが最後の希望だ」
「でも……もう時間が……」
エンキの目には絶望しか写ってなかった
「しかしそれを可能にする方法がある。それは修行の間の最上級、『究極の間』じゃ」
たしかに修行の間だったら少しは強くなれるかもしれない、しかしエルゼとの実力の差はそれで埋まるようなものではないのだ
実際エンキとロイは戦ってみてその力を身にしみるほど味わった
「究極の間では、こっちの世界の3日が1年となる。敵はあと1週間は待ってくれるだろう。その間にお主ら二人は修行をするんじゃ」
白爺の目にはまだ希望の光が見えている気がした
「ま、待てよ。2人ってどういうことだよ。タツマたちもやればみんな強くなれるだろ」
エンキが質問する。たしかに強い人間が多ければ多いほど戦いは楽になる
「究極の間を発動してる間、わしら3人は動けない。そして入口の扉が閉まればお主らは帰ってこれん。そんなとき、誰が敵の攻撃を防ぐんじゃ」
「そういうことだエンキ、行ってこい。俺らが守ってやるよ」
ブルーがエンキの肩を叩く
「帰ってきたらたくさん話さなきゃね」
アリサも続いて肩を叩く
「俺らの心はいつも一緒っす」
そしてタツマが……肩に手を置いた
「お前ら…………」
エンキは思わず泣きそうになるが涙をふく
「行こう……エンキくん!」
ロイがエンキの隣にくる
「あぁ…………」
「それじゃあ、やるぞ、よいな、木蓮!水列!」
3人が顔を見合わせると三角形を描きそれぞれ頂点にたつ
「「「『究極の間』!!」」」
目の前に灰色のドアが現れる
エンキの顔にもう絶望はなかった
あったのはただ……決意の顔だった
「行ってこい!」
白爺が背中を押してふたりは異次元に吸い込まれていった
目を覚ますとそこは何もない白い空間だった
左を見ても右を見ても白紙で何もなかった
「へっ、しけた面してんな」
突如、目の前に巨大な炎のドラゴンが現れた
「な、何だお前」
「は?お前がチビチビ言ってたドラゴン様だよ」
「はぁ!?お前チビなのか!?」
「お前の力が成長していくにつれ、俺たちも強くなる。」
「へ、へぇ〜……ってか何しにきたんだ?」
エンキがチビに問う
「お前と俺、今度は本気の力でぶつかって、お前の真の力を発揮させてやんだよ」
「真の力?」
「あぁ、究極魔法を超えた神の力……それは『完全なる究極魔法』」
「完全なる……究極魔法」
敵は刻一刻と迫っていた……




