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第四十七章


 だが彼女は内心で否定する。



 ウィルの髪は金色だ。だが王太子ウィルフレッドは黒髪。



 いつか彼の姿を遠巻きに見たことがあった。あの時顔を見なかったことを、悔やんでいる。


 だからルナは、最初からこのトルヴァドールから狙点を外していた。 


 ──早くウィルフレッドを見つけなければならない。早く殺さないと……。


 ルナがそう強く思うのは、そうしないと苦しくなってしまうからだ。


 何故かウィルに礼を言われたとき、本心からの笑顔を見たとき、彼女は本当に嬉しかった。


 ルナの身を案じて、危険なゴミ集積所まで来たのは結局ウィルだけだ。


 それを考えると、心臓がどきどきと主張する。


 だがそれは当然、彼女には必要のない感覚だ。


 その後、馬車に揺れられている間中、ずっとルナは王太子ウィルフレッドの殺し方を考えることに、専念した。



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