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第四十章


 その夜も、ルナはゴーチエの馬車に乗ってゴミ集積所へと赴いた。


 ダンとブリスたちは、もうすっかり彼女に慣れ、待っていてくれた。


「やっぱり昼も見つからない」


 ブリスが口辺を引き締めて、日中の成果を語る。


「いくらここが広くても、そんなも見つからないのなら、あるいは捨てられていないのかも」


「いいえ」ルナは即答した。


「ブッフバルト夫人は確かに捨てたでしょう。あの人のことだから、ゴミとなっているのも確認したはずです」


「え?」と少年たちが首を捻る。


「いえ、捨てなかった、との話はない筈です」


「なら」


 ブリスがキャンドルを頭上に上げ、周囲のゴミを見回す。


「何かの下敷きになっている、これしかない」


 確かに、このゴミ集積場にあるのは、食べ物やら食器やらの、細々としたものだけではない。


 家具やらの大型の廃棄物も、暗闇に倒れている。


「確かにもうそれしかないかも知れませんね」


 難儀な課題に、ルナはため息をついた。


「やろうよルナ。ここまで来たらやってみよう」


 ダンの元気さに、ルナの自分の心を叱咤する。


「わかりました。皆さん、手を貸して下さい」


「よっしゃ」


 五人は協力して、近場で倒れている食器棚を動かした。


 だが、その下をランタンで照らしても、縫いぐるみは見つからない。


 ふと、ルナは腰に下げている拳銃が、邪魔だと感じる。


 ゴーチエの手前、彼女はずっとこの重いものを持っていた。 


 彼女は引き抜いて、手近な場所に置こうと見回した。


「あ、ピストルじゃん!」


 ブリスがそれに食いつく。


「ルナ、見せてくれよ」


「はい」とルナは何の疑問も持たず、ブリスに渡した。


「すっげえ、初めて見た」


 ブリスとコーム、ゲルトは顔をつきあわせて、拳銃をしげしげと観察する。


 確かに拳銃は高価なものだ。一般人は目にすることもないだろう。


 と、彼らの雰囲気が変わった。



 無言で拳銃の銃口をルナへと、真っ直ぐに向ける。



「…………」


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