表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/64

第二十五章


 まだ朝靄の中にあるエンディミオン宮殿に到着すると、ルナは馬車から跳ぶように降りた。


「ありがとうございます、ゴーチエさん。ではまた今夜」


「お、おう」


 ゴーチエは異論がありそうに口を開くから、ルナはその場から素早く離れる。


 玄関から宮殿内部に入ると、彼女は少し考えた。


 もはや眠る時間はないだろう。すぐに朝の勤めに入るべきか、それでも少しでも休むべきか。


「ルナ!」


 思案するルナだが、誰かに呼ばれて視線を動かす。


 ウィルだった。この男はこんなに朝早く何をしているのだろうか。


 恐らく昨晩、どこかの女官の部屋にでもいたのだろう。


「君は何をしているんだ、こんなは早く。窓から見ていたぞ、馬車で帰って来ていたな」


 ルナは少し苛立った。寝不足だろうか。


「ウィル様は私を監視なさってるのですか? 夜の散歩です」 


「馬車まで使って? はあ」


 ウィルは何か嘆息している。


「僕は君が全く分からない。こんなの女の子は初めてだ」


「あなたが今まで付き合って来たたくさんの方々も、きっと個人個人で違うと思います」


 ぐっとウィル喉が鳴る。失言に気づいたのだろう。


「いや……そんなに多くはないよ……」


「何ですか? その妙な言い訳は。どちらにせよ、私には関係ないことです」


「……君は本当に辛いなあ……て、何か臭うよ」


 どうやらゴミの中にいたので、知らず汚れているらしい。


「失礼ですよ、淑女に向かって」


 ルナはウィルを拒絶するように背を向けて、その場を去った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ