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図書館勤務のモブ令嬢が、魔術師団長に溺愛されました〜聖女様がライバルだと思っていたら勘違いでした〜  作者: 漆原 凜


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天上人

あー…もう!遅れちゃう!!私は仕事に行くため急いで走る。本を読んで夜更かしをしてしまい寝坊をしてしまった。あそこで止めればよかった…昨日の自分に反省をしながらひたすら走る。


「ごめん!遅くなった!」


「セシリア遅刻なんて珍しいね。まだ上官来てないから大丈夫!セーフだよ。」


はぁはぁと息を整えながら同僚に謝り、荷物を机に片付け制服を整える。急ぎ昨日返ってきた本の整理へと向かう。本を片付け整理整頓するのが毎日朝の日課である。幼い頃から本が大好きで縁あって王立図書館で勤務をしていて、毎日本に囲まれ天職だと思っている。


私の家は伯爵家なのだけどお兄様がいるし、お父様には自由にして良いと許可されている。まぁ見た目が平凡過ぎて良い嫁ぎ先にも恵まれないし、私は働いた方が性に合っている。本を戻し終わりカウンターへ戻ろうと歩き出す。


「セシリア嬢おはよう。」


「おはようございます!リュート様は今日も資料探しですか?」


「そう。少し気になることがあってね。調べに来たんだ。」


後ろから声をかけられ振り返る。魔術師団長のリュート様。魔術師の制服である黒いローブがよく似合う。スラッと背が高く白い髪に金の瞳で妖精の化身と囁かれるほど整っている。歴代最強の魔術師と名高く私からしたら完全に天上人である。


部下に頼まずいつも自分で本を借りに来て、来られた際は気さくに話かけて下さる。天上人なのにこんな私にも話しかけてくれる優しい方。私なんて茶髪に茶色の瞳でその辺によくいるモブなのに。


「ここ跳ねてるよ。可愛い。」


急にリュート様が私の髪へ触れ直してくれる。さっき走ってきたので跳ねてしまったようだ。…恥ずかしい。


「ありがとうございます!探してる本があればおっしゃってくださいね。」


ありがとう。とリュート様は極上の微笑みでお礼を言い、本棚の奥へと消えていった。


「やっぱりモテる人は違うわ。」


天上人の普通が怖い。あんな自然に髪を直してくれるなんて。いつも割と距離が近いのだが、モテるから慣れてるんだなと結論付けている。あれが普通で気にしたらダメなんだと自分自身に言い聞かせる。やはりあんな素敵な方に声をかけられれば、私だって最初はもしかして!と意識してしまったけれど…出会ってからいつもあの様子なので心から反省をした。


しばらくするとリュート様は本を携え、笑顔で手を振り去っていった。本当格好良い。田舎出身の私からしたらありえないくらい眩しい。様々な高位貴族の令嬢達から声をかけられていると聞くし、そのうち綺麗な令嬢と婚約をするのだろう。図書館で見れるだけでも目の保養になり幸せだわ。


ーーーーー


しばらくすると昼休憩になりお昼ご飯用のパンを持って中庭へと向かう。今日は天気が良くて陽射しが本当に気持ちが良い。中庭にはとても落ち着く場所があり、いつも決まったベンチへ座るのだが今日は先客がいるようだった。


男女が話をしている。仕方無いな…違う所へ座るかと考えながら歩く。私の持ち物ではないので大人しく譲るかーと思っていた。


「…やめてください!」


「そんな事言わないで、教えてよ。」


ん?揉めている?女性に対して男性が言い寄っている様子だった。女性は何回も嫌がっていたので近くに寄っていく。


「警備の人呼びますよ。」


思わず止めに入ると、男性はそんなんじゃない!1人で暇そうだったから話してやろうとと思っただけだ!と言い訳をしながら離れていった。


「ありがとうございます!」


女性が顔をあげお礼を言われる。この子ものすごい美少女!笑顔が眩しくこんな可愛い子がいるのかと引く。黒髪にクリっとした黒い大きな瞳。色も白く真っ赤な唇で愛らしい見た目に庇護欲が掻き立てられる。


朝から立て続けに容姿端麗の方たちを見て、自分の平凡さが嫌になる。何故瞳の色だけでも可愛くなれなかったのか。平凡なお父様に似てしまったのが残念だ…。


「あの…今からお昼ご飯ですか?一緒に食べてもいいですか?こちらどうぞ!」


ボーッと容姿について考え事をしていたら、美少女が話しかけづらそうに声をかけてきた。横に寄ってくれ同じベンチに腰をかける。


ありがとうございますと言い一緒に食べ始める。美少女はルイと名乗り教会に勤めていて、今日は用事があって王宮に来ていると。休憩しようとベンチに座っていたら、変な人にからまれて困っていた所を助けられたと。


「セシリア様は図書館勤務なのですか!私も今度行っていいですか?しばらく王宮に通うと思うので、お昼またご一緒したいです!」


「嬉しい。いつでも誘って下さい。」


手を振りお別れする。あんなに美少女のお友達が出来るなんて嬉しい。また一緒に食べるのを楽しみに職場へと戻る。

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