西脇先生の思い出
修学旅行の引率。だるい。
誰、こんな年寄り向けのプラン作ったの。
バスに乗った。眠い、寝る。
山歩き、だるい。
飯、うまい。
風呂、きもちいい。
夜の巡回、だるい。
2日目は金沢まで同行。
自由行動だから、バスを降りたらしばらくやることが無い。
地元の人にパチンコ屋を教えてもらったが、負けた。
バスに戻る途中、クラスの連中がいたので声を掛けようとしたら、あいつら俺を無視しようとしやがった。
教師の顔を見忘れるとは嘆かわしい。
ホテルで「先生にどうしてもやってほしいゲームがある」と言われたので、手本を見せることにした。
なかなか手ごわく、100円玉が湯水のように消えていった。
翌朝、主任に怒られた。
あれはしょうがない。イカサマだらけの酷いゲームだった。
ショックからか、数がうまく数えられない。
ちゃんと数えたはずなのに、委員長の石井が乗ってきた。
何度数えても人数が合わなかった。
おかしい。
帰り、京都に寄って舞妓さんを見た。
今回、学年担当じゃないのについてきたギバ先生が、目をギラギラさせながら、でっかいレンズの一眼レフで熱心に写真を撮っていた。
何しに来たんだ、この爺さん……。
あとはひたすら寝ていた。
気が付いたら学校に着いていた。
高本先生に「よくお休みでしたね」と嫌味を言われた。
自分は生徒の自主性を引き出すために、なるべく出しゃばらないようにしていたつもり。
そう、心の中で反論した。
みんな、楽しかっただろ?




