第42章 ②最終攻防(The Last Break)
■アークシステムズ側 —— “影の心臓”を止めた瞬間
アークシステムズの深夜。
サーバールームの機械音が、急に静かになった。
──バシュッ!
米田の“心臓部コード”が完全に崩れ落ちた。
「……決まった……!」
蒼真はゆっくり息を吐き、
背もたれに体を預ける。
「これで……完全勝利だ。」
凪の指は、まだ少し震えていた。
興奮ではなく、終わったという実感の震え。
「……ハァ……
蒼真さん……すごかったです。
合わせてくれるから……行けました。」
蒼真は軽く目を細め、
凪の肩をストンと叩いた。
「いや……凪。
あの“焦りの改変”を見抜いたのはお前だ。
お前が米田圭介を……追い詰めた。」
「僕だけじゃ……絶対に無理でした。
これは“チーム”で勝った勝利です。」
蒼真は、その言葉に静かに微笑む。
「そうだな。
環さんを守りたい柊。
柊を支えている環さん。
そして……ぽかぽか邸。
全部が……『影』を倒す力になったんだ。」
凪は深く頷き、
画面に映る“システム停止”の文字を見つめた。
「勝ちましたね……蒼真さん。」
「ああ。
でも……本当に勝利を決めたのは——」
蒼真はモニター越しに
ぽかぽか邸の方角を見た。
「柊だ。
そして……環さんの温度だ。」
「……でしょうね。
柊先輩……絶対、誰よりも戦ってましたから。」
ふたりは静かに椅子に座り直した。
戦いの残滓が消えていくサーバールームで、
2人はしばらく、
夜明け前の静けさのような余韻に包まれていた。




