表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―
47/52

第41章 最終攻防(The Last Break) ― 追い詰められた“影”の本性、最後の罠が牙をむく ―

アークシステムズの夜は、

今まででいちばん緊張が張り詰めていた。


ぽかぽか邸ではしゅうが、

アークシステムズではなぎ蒼真そうまが——

米田の“急所”を同時に叩いた。


その瞬間から、流れが一変した。



◇◇◇



■米田の反撃:狂気の領域



米田圭介よねだけいすけは、闇の中でモニターをにらみつけていた。


画面に表示されたログが、

まるで彼の怒りを映すように赤く瞬く。


「……如月きさらぎ……しゅう……

 お前は……なぜそこにいる……」


ぽかぽか邸にいる柊を見て、

米田は理解した。


(——アークシステムズは“空じゃない”。

 おとりだ……!

 柊だけ“別場所”に移した……!

 その間に、凪陽翔なぎはると桐生蒼真きりゅうそうまが結界を張った……!)


「くく……

 相変わらず……綺麗ごとばかりの甘い連中だ……!」


だが同時に——

米田はわずかに焦った。


(……なぜだ……

 アークシステムズの反応が……鈍らない……?

 なぜ、攻撃が止まらない……!?)


そう、米田が攻撃していたのは

凪と蒼真が作った “ダミー・アークシステムズ” だった。


影に潜む米田の喉が、ひとりでに鳴った。


「……凪陽翔……

 お前……あのときの小僧じゃない……」



◇◇◇



■アークシステムズ側:最初の突破



アークシステムズの作業室では、

なぎ蒼真そうまが“対米田専用の攻撃”を繰り出していた。


凪は高速にキーを叩き続け、

蒼真は深層から米田のコードを削り取っていく。


「凪、次の3段階目が来る。」


「来ますね。

 米田のクセ——“焦りの改変”。

 ここ、甘い!」


凪は迷わず逆流コードを叩き込んだ。


――ビシィッ!


ログが大きく割れた。


「……崩れてる……

 米田圭介よねだけいすけの“中心ライン”。」


凪の瞳が光る。


「じゃあ……“奥の間”まで行きますか。」



◇◇◇



■ぽかぽか邸:柊の反撃



しゅうの前でもログが崩れ始めていた。


ぽかぽか邸に、米田から最後の波が届く。


——ガガガガガッ……


柊は目を細めた。


「……最後の、捨て身の反撃か。」


モニターには、

米田の“本性のコード”がむき出しになっていた。


たまきはその横顔を見て、胸がざわつく。


(柊……さっきより……もっと冷たい……

 もっと……深い場所まで行ってる……)


環はそっと柊の隣に座り、

背中に手を添えた。


「……柊……大丈夫……?」


柊の目から、わずかに殺気が消えた。


「……ああ。

 環が触れてくれるだけで……戻れる。」


「うん……わたし、ここにいるから……

 必ず戻ってきて……」


その瞬間——

柊の全身の気配が変わった。


“戦闘態勢完全復旧”。


柊は怒りでも冷淡でもなく、

ただ静かに “完璧なプロ” の顔になった。


「米田。

 ……終わりだ。」



◇◇◇



■凪の応援が入る



そのとき、

なぎからの通信が柊に届いた。


【凪 → しゅう

『柊先輩!

 米田の内側、全部開きました!

 こっちから“芯”を叩きます!

 合わせてください!』


蒼真そうまの声も続く。


【蒼真 → 柊】

『柊、勝負を決めるのは、おまえだ。

 たまきさんのそばにいるのは……正解だ。

 あとは任せる。』


柊は一息だけ深く吸い、答えた。


「……わかった。

 こちらも“玄奥げんおう”に入る。」


環は柊の背中にそっと力を込める。


(……柊……必ず戻ってきて……

 わたしのところに帰ってきて……)



◇◇◇



■米田の最期の罠



米田の攻撃ログが、不気味に歪んだ。


「……まだだ……!

 まだ終わらせん……!

 俺は天才だ……!

 お前たちに……負けるものか……!」


画面に現れる奇妙なコード。


「先輩、罠です!

 “自己破壊型ウイルス”が混ざってます!」


「動揺している……!

 冷静さが完全に崩れた状態だ……!」


しゅうは落ち着いた声で言った。


「……なら、終わらせる。」


たまきは黙って見守っている。


なぎ蒼真そうまの側でも、

最終ラインの逆侵入コードが準備されていた。



◇◇◇



■最後の三重奏



ぽかぽか邸と

アークシステムズの2拠点。


そして——

たまきの温度。


3つがつながった瞬間だった。


しゅうの指が、最後の一手を叩き込む。


「——終幕フィナーレだ。米田。」


――バシュッ!!


米田のシステム全体が、

まるで心臓を撃ち抜かれたように静止した。


「……決まった……!」


「これで……“影の心臓”は止まった。」



◇◇◇



■米田の敗北



米田の暗い部屋。


モニターが、ゆっくりと黒く落ちていく。


「……馬鹿な……

 俺が……負けた……?

 天才の……俺が……

 あいつらに……

 “信頼ごとき”で……?」


声が震え、笑いがこぼれる。


「……そうか……

 俺は……

 “仲間”の力を……

 一度も……知らなかったな……」


光が、完全に消えた。


米田圭介よねだけいすけ——敗北。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ