97 狙いは一つ
ブックマークが増えました。
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台風などの被害に遭われないよう祈ります。
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古い鞄に持ち出し品をまとめておくと、いざという時に困りません。
あと、停電するとスマホの充電器と予備バッテリーがすぐ売り切れます。御注意を。
経験上停電に強いコンビニはセブンです。
では97話目、楽しんで頂けたら幸いです。
「マズは、丞。ヤツを殺る。異論はあるか?」
作戦タイム。
段々と数字が少なくなっていくカウンターを表示している、ウィルの緑色の光の中で、黒次が物騒な笑みを浮かべて、お化けメンバーに同意を求める。
メンバーは全、黒次、白次、虎城君、ミッケニだ。
空来兄妹、子猫組が入れ替わっていた。
「無いよ。ハーレムパーティなんて赦せないよね」
白次も殺る気に溢れている。
うんうんとうなずいている虎城君も下からゲームナビに照らされて顔が怖い。
まあ、そうなるかと、丞が狙われる原因を作った全も苦笑いしながら同意する。
ミッケニは姫様が狙われなければ誰が狙われてもいいようだ。
「俺たちお化けチームの勝利条件は、チャレンジャーチームを全員お化けにすることだ」
黒次がさっき火の玉ナビに書き込まれた記憶を確認する。
「選べるお化けは三種類、壁抜けできるけど耐久1の幽霊、スピードが普通で耐久2のお化け、スピードが遅くて耐久3のゾンビだね」
どうする? と白次。
「最初だから、ゾンビとお化けの二人組と幽霊でいいんじゃないか?」
全が作戦タイムの残りを気にする。
「ゾンビと幽霊ってなんですか?」
ミッケニはお化けチームのナビのウィルにピカッとされている。
「良し。2、2でいくぞ。俺が幽霊で止めを刺す。白次とミッケニ、虎城と全がペアだ」
入れ替わり組は今一つ信用できないと黒次が組分けする。
「ゲームだろ。真剣にやるさ」
全は純粋にゲームを楽しむつもりだ。
「姫様以外は、本気で狙えますよ」
ナビに幽霊とゾンビの知識を書き込まれたミッケニも、猫らしく肉食獣の笑みを浮かべる。
「良し。じゃあ作戦は・・・」
「出口は一つじゃないのか・・・」
「待ち伏せ・・・」
「追い込み・・・」
「・・・」
☆
「あれ? 全とミッケニは? あとシープ」
なんかさっきとメンバーが違う? 丞はオニビーに赤く照らされた空間を二度見する。
「お化けは嫌ですわ!」
姫様が無駄に胸を張って叫ぶ。
『『ゲーム用のナビがいるので見学してます』』
「「ヒツジ ペア ダヨ」」
シープの返事にはジョンさんのコメントがついた。
「兄貴と代わったのよ。お、お化けとか嫌だし」
九海が丞から目を逸らして、あさっての方を見る。
「「眩しい・・・」」
月子さんと委員長はそんな九海に青春の輝きを見て目を逸らす。
これは、協力してあげましょう。
移動中の会話と丞への態度で状況を理解した委員長と月子さんが、互いに視線を絡めて深くうなずく。
高校生三人組の顔色と火照りはナビの赤い光の中では気づかれない。
おおぅ。なんてこった。
こっちのチームの男は僕一人か。
一度は夢見るよねと思いながら、自分以外女子のチャレンジャーチームを見て、のんきな黒一点はしっかりしようと気合いを入れる。
ターゲットロックオン。姫様以外のメンバーが何かの狙いを定めた事に気づきもしなかった。
「こっちの勝利条件は・・・一人でも脱出すればいいのね」
委員長が火の玉ナビに書き込まれた記憶を確認する。
「地図は自動記録で共有」
月子さんが宙を見て呟く。
「謎解きでホウジュをゲットすればハーッできますのね!」
ハーッには霊波光線と立派な名前があるのだが、姫様は発射キーワードが気に入ったようだ。
姫様が作戦タイム中はお試で撃ち放題のハーッで、懐中電灯みたいにそこらじゅうを照らしている。
「私達は耐久2、ハーッで回復可能、ゼロになったらお化けチームに入るっと」
触られるとダメって事は、攻撃もダメかと九海がオニビーに確認していた。
「向こうの狙いは飯堂寺君」
月子さんが丞を見る。
「うん? ああ、成る程」
委員長も丞を見る。
「なら、これは囮で」
九海も丞を見る。
「腕がなりましてよ!」
姫様がハーッと腕を光らせて丞を照らす。
女子に注目されてるのに嬉しくない。
自分をどう囮にするか盛り上がってる四人に溜め息を聞かれないよう、丞は気をつけた。
作戦、僕は考えなくていいんだな。
丞にできる事はチームメイトの指示に従うのみ。
そこは楽だなとさっき入れた気合いを胸の棚に上げて、丞はオニビーに表示されているカウンターをゼロになるまでぼんやりと眺めた。
☆
「よし。いくぞ! 狙うは丞の首一つ!」
「「「応!」」」
カウンターがゼロになると同時にアバターが自動変更された、黒次、白次、ミッケニがマップ作製の為走り出す。
「いや、丞の首一つ取っても勝てないぞ?」
全の意見は誰も聞いていないので独り言になった。
回りは石のような物で囲まれ迷路になっている。
荒れ果てた、西洋、日本の墓石が雑多に並べられている。
所々に見える浮いたクリスタルはナンニャー星のお墓だろうか?
隙間が無く、登る足掛かりも無いので迷路の壁を突破するチートは使えないようだ。
登れても、墓に登るような真似は普通の人はやらないが。
どこからか聞こえてくる読経のようなBGMと悲鳴、線香の香りが雰囲気を盛り上げてる。
クイクイと破れたように見える服の端を引っ張り、虎城君が行こうと全を誘う。
「虎城だっけ? どこかで見たような? なんかスポーツとかやってる?」
自動変換でゾンビの言葉はうめき声になるようだ。
日に焼けたゾンビのコンビは、あ゛ーとか う゛ーとか言いながら自分の受け持ちエリアの地図を作るべく、ゆっくりと歩き出した。
☆
「先ずは謎解きの謎を探しながらお寺の地図の作製。それから謎を解いて外のお墓エリアの地図をゲットして、ハーッのチャージね」
委員長が打ち捨てられた廃寺の大広間中で首の無い御本尊を見上げる。
「最初が大事」
月子さんがささくれだった畳をパンパンと叩いていく。
「ああ、たまにあるわね。最初の部屋が出口のパターン」
九海も人が入れそうな太さの柱を叩く。
「・・・」
丞は首を傾げて顎に指を添わせる。
なんか凄く身に覚えが有るような・・・
「肩車? ですわ!」
御本尊の中を覗くのですわと少女アバターの姫様が丞に後ろから飛び付く。
「あれは、子供。あれは、子供・・・」
BGMの読経のような音楽に、地の底から聞こえるような新たな恐怖が追加された。
九海の声っぽいけど違うよね。
決して後ろを振り返ってはいけません。
なんか僕だけ違うゲームしてない? と思いながら、丞は姫様にペシペシ頭を叩かれて首の無い御本尊に近づいて行った。
チェックしている人はいないでしょうが、ブックマークのトータルに変化は無いです。
減って増えて減って増えてしてるので。
見栄で増えたフリしてませんよ(笑)。




