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76 エッケン

 いきなり、ごめんなさいします。

 一週間ほど投稿を休みます。

 再開は22日23時頃の予定です。

 くわしくは活動報告で。


では、76話目楽しんで頂けたら幸いです。

「さてと、準備しなくちゃな」

 全がジーンズのポケットに手を突っ込んで、ゴソゴソと何かを探している。


「ええ~あれつけるの?」

 九海は何かを嫌がっている。


 丞は九海に見つからないように、そ~っと四つん這いになって足を片方ずつ伸ばす。

 丞の足にじんわりと感覚が戻ってくる。 

 九海が今の丞を見つければ、間違いなく痺れた足をつつくだろう。

 そ~っと、あくまでそ~っとだ。

 九海の後ろ姿を見ながら丞は慎重に足を伸ばす。


「あった」

 全が目的の物を見つけた。

 九海にも手渡す。


「あっら~?」

 全から手渡された物を手に、振り向いた九海が丞の状況に気づく。

 丞の足のしびれはまだおさまっていない。

 ワキワキと手を動かしながら九海が丞に近づいていく。




「姫様、それはあまりにも・・・」

 ミッケニの前の絨毯が丸く膨らんでいる。


「他に方法が無いのですわ」

 姫様のしっぽの先が絨毯の下からのぞいている。



 

 九海にさんざん痺れた足をつつかれた後に丞が渡されたのは、ジョンさんもよくつけているアレだった。

 宇宙人ヘアバンド。


 丞の持ったバンドの先でバネでつながったピンポン玉っぽい球体が揺れている。


「え、これつけるの? 本気で?」

 やっと足のしびれがとれて、小鹿のように立ち上がった丞が全に確認する。


「ああ。服装が普通すぎるからな。これぐらいしないとまずいだろ」

 全がおでこで まじ と伝えてくる。

 姫様救出の時に書いた、まじめの め が消えてるだけだが。

 

「しょうがないわよ」

 九海が渋々宇宙人ヘアバンドをつける。


「ヘアバンドの前に全は鏡みた方がいいんじゃない?」

 丞は宇宙人ヘアバンドをつけて、おでこにまじと書いた全を見て、吹き出さないように口を押さえた。


「ああ、消し損ねたのか」

 全が鏡を見ながらハンカチでおでこを拭く。


「丞も人の事言えないぞ」

 全が使い終わった鏡を丞に渡す。

 鏡の中の丞は宇宙人ヘアバンドをつけて、頬に靴跡と薄くなった紅葉を付けていた。



 丞達がいる広間が明るくなって周囲の状況がわかるようになった。

 半円形のドームで広さは体育館ぐらい。

 さっきまで透明だった天井は銀色になって柔らかく光っている。

 真ん中に赤い絨毯が敷かれている。

 丞達はちょうど部屋の中央にいた。


「やっぱりここは姫様達の船の謁見の間だな」

 全が鏡を見ながら宇宙人ヘアバンドを手直しする。


「丞は私たちの真似をすればいいから」

 九海が丞の宇宙人ヘアバンドの位置を直してくれる。


 絨毯の終点、階段状に高くなっているところに筒状の光が二つ灯ると、全と九海が光に向かって膝まずく。

 丞も一呼吸遅れて幼馴染みにならう。


「ニャニャーナンニャー星国、国王ソマーリ様、王妃マリーニース様御入場」

 部屋全体にアナウンスが響く。


 筒状の光が消えた後に人間大の玉座に座った人影が残る。

 猫と人が絶妙に混ざった宇宙人。


 国王は長い毛がまるでライオンのように見える。

 きている豪華な服とあいまってまさに王者の風格をかもし出している。


 王妃は姫様によく似ている。金色の毛並みで鼻や耳の先がちょっと黒い。

 紫がかった青い目がとても美しい。


「面をあげよ」

 どこからか聞こえるアナウンスが丞達に王様達を見ていいよと伝えてくる。


「でっか!」

 姫様達を見て王様も大人の猫ぐらいと想像していた丞が驚く。


「シ~! アレ王様。偉いのよ!」

 九海が王様達から見えないように丞のお尻をつねる。


「お前も充分失礼だよ!」

 全が九海に突っ込む。


 王様と王妃の耳がピクピクと動く。

 地球人より耳が良いようだ。


「まずは礼を言おう。TKGの諸君。よくぞ駆け落ちした娘を連れ戻してくれたニャー」

 王様が低い威厳のある声で丞達をねぎらう。


「ニヤーって」

 丞が思わず小さく呟く。


「だからあの人偉いの! 王様!」

 九海が丞の頬をつねる。


「そうだよ! 偉い人の前なんだよ!」

 全が丞の頬をつねる九海の手を元の位置に戻す。


「姫様! 今です! 訂正してください! 急いで!」

 丞の後ろからミッケニの声が聞こえてくる。


「ミッケニ、しずかに! 見つかってしまいますわ!」

 姫様の声はミッケニより大きい。


「私のかわいい娘は何をしているのかしら?」

 王妃が絨毯にできた不自然な膨らみを見てため息をつく。


「あれ、マリーニースはニャーって言わないの?」

 王様が隣の王妃に小声で話しかけているのが丞達に聞こえる。


「言いませんよ、ニャーなんて。貴方も普段言わないじゃないですか」

「いや、地球では語尾にニャーをつけるとモテるって言われて」

「モテてどうするのですか?」

「あ、やべ。これ秘密だった」

 王様と王妃の会話がどんどん俗っぽくなっていく。


「あ~やめやめ。TKGのみんなも楽にして。普段どうりで」

 王様が立ち上がるとカポン!と音がして上半身が後ろに倒れる。


 残った腰の上で豪華な服を着た毛の長いソマリっぽい猫が伸びをする。


「五分も持たないのですか。貴方は」

 王妃もカポン!と割れて、なかからドレスを着たバリニーズっぽい猫が出てくる。


「みんなも出てきていいよ」

 王様の言葉を合図に丞達は大勢の立った猫に囲まれた。

 明日は変身女子高生の更新予定だったのですがこちらもあやしいです。

 本当にすいません。

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