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73 うちの姫知りませんか

 一日遅れならごめんなさい。

 昨日ポイントの確認をしてませんでした。

 ブックマークが増えました。

 ブックマークしていただいた方ありがとうございます。

 貴方が試験で実力を発揮できるように祈ります。

 いつも読んでくださる皆様もありがとうございます。

 わからない問題に適当に書いた答えが正解になるよう祈ります。


では、73話目楽しんで頂けたら幸いです。

「さっきの電話と言う通信の中で聞き捨てならない話があった」

 ミッケニが真剣な顔で言ってくる。


「ああ、問題無いよ。全も九海もTKGのメンバーだから」

 丞はテーブルの上を見る。姫様の残りはミッケニがきれいに食べていた。


「TKG? まあ、そろそろお忍びをおしまいにして帰ってもいい時間かな」

 ミッケニが夕焼けで赤く染まった窓を見る。


「いや、そこじゃない。もっとまずい話があったろう?」

 ノリツッコミ風にミッケニが丞に向き直る。


「まずい話? ああ、九海がこっちに向かっているってとこ?」

 確かにまずい話だと丞は頷く。


「そこじゃない。もっと重要な話があったろう?」

 ミッケニがあせった様子で言ってくる。


 丞は首をかしげる。

 九海が怒りながらこっちに向かっている。

 これ以上に重要な情報はあるだろうか?


「駆け落ちだよ、駆け落ち。なんで私が姫様と駆け落ちした事になっているのだ!」

 丞が答えにたどり着かないのでじれたミッケニが叫ぶ。


「ああ、そんな事いってたね」

 丞も全に言われた事を思い出した。


「そんな事って、一大事だぞ?」

 ミッケニがあせって立ったり手をついたり頭を抱えたりしている。

 可愛いって言ったら怒るんだろうなと思いながら、丞は子猫の百面相を楽しむ。

 当事者の子猫は王様に知られたら子供を作れなくされて耳の先をとどっかで聞いたセリフをブツブツ言っている。


「いや、僕に影響無いでしょ」

 ミッケニが百面相を終えてすがるように見てきたので、丞はやっとミッケニの質問に返事をする。

 姫様との駆け落ちを疑われているのはミッケニだ。まさか王様も丞と駆け落ちしたとは思わないだろう。


「冷たいな。同じ器のメシを食べたら兄弟と言うだろう?」

 ミッケニが知らないことわざを丞に言ってくる。


「マグロの赤身? だったら食べたのは姫様だよ?」

 マグロの刺身は結局、丞の口には入らなかった。


「ああ、そうだった」

 ミッケニが頭を抱える。


「まあ、姫様に状況を説明して貰えば良いよ。ミッケニはただの従者ですって」

 丞はテーブルの上を片付けながら、軽い感じでミッケニに解決案を言ってみる。


「ただの従者と言われるのも・・・」

 ミッケニが何か悩んでいる。

 

「さて九海が来る前に移動しようか」

 メッシュの鞄を持って丞は子猫達の移動準備をする。

 九海は寮に入れないのでどこかで待ち合わせなければいけない。

 できれば九海が自由に怒れない人の多いところが良いが、姫様達がいるので無理だなと考えて丞はため息をつく。


 子猫も丞も心配事でいっぱいだ。


「姫様そろそろ起きて・・・」

 ベッドの上を見た丞は驚いた。

 ミッケニのしっぽも膨らむ。


 姫様がいない。


「え、さっきまでいたよね」

 丞がベッドの下を覗く。


「ああ、寝ていらっしゃった」

 ミッケニがベッドと壁の間に入って姫様を探す。


「いないみたいだね」「ああ」

 ベッドと壁の隙間を通り抜けたミッケニが埃まみれで返事する。


 今度の休みは部屋に掃除機をかけようと丞は思った。

 

 テレビの裏もクローゼットの上も二人で確認したが姫様はいない。


 ミッケニは有名な素早いワイパーみたいに埃を集めている。

 掃除機かけなくてもいいかなと、ゴミ箱に埃を捨てるミッケニを見ながら丞は思った。


 キィーっと小さな音を立てて部屋のドアが勝手に開いた。

「あれ?鍵閉めたよね」

 子猫達が部屋にいるのがばれたらまずいのでドアの鍵はかけたはずだ。


「この部屋は密室だったはず」

 ミッケニも丞に同意する。


「だとすると犯人は」「姫様だ!」

 丞とミッケニが同時に叫んで慌てて廊下に出る。

 廊下の左右を見るが姫様はいない。


「部屋の外に出ちゃったの?」

「連れ戻されるのに、お気づきになったのか」

 そのまま姫様を探そうとしたが丞は立ち止まった。


 もう一人ばれてはいけない人がいる。

 隣りで立ち止まった丞を不思議そうに見上げている人だ。


「ミッケニが他の人に見つかっても困るんだけど」

 丞はメッシュの鞄の口をミッケニに向ける。


「手をついてニャーと言えばいいだろう?手分けして探すぞ」

 演技力の少ない子猫が丞に反論する。


「この建物ペット禁止なんだよ。鞄に隠れて」

 丞はメッシュの鞄の口を指差す。


「私は地球の猫じゃないぞ!」

 ミッケニがあんな丸出しと一緒にするなと怒りだす。


「いや、猫じゃないってバレる方が問題だから」

 はよ入れと丞は鞄をゆする。


「これならどうだ」

 ミッケニが壁を床の延長のように垂直に歩いていく。

 天井に逆さまに立った。宇宙での人工重力の応用らしい。


「う~ん駄目っぽい」

 丞はミッケニから少し離れてみたが、寮の廊下の天井の高さでは普通に視界に入る。


 丞が正体の座敷わらしに続いて寮に新たな怪談が生まれそうだ。

 妖怪天井歩き猫。うん、語呂が悪いが普通に怖い。


「しょうがない」

 ミッケニがやっと鞄に入る。


「じゃあミッケニは後ろ見張って」

 社員さんに見つからないように丞は姫様探しを開始する。


「まず、トイレを探してみようか」

 丞は子猫達が今日一回もトイレに行ってないのでミッケニに提案してみた。


「姫様はトイレなんかしない」

 ミッケニが昭和のアイドルのファンみたいな事を言う。


「そんなわけないから」

 丞は共同のトイレに向かって歩き出す。


「いや本当に行かない。宇宙移動の為、体を調整してるんだ」

 ミッケニがトイレに行かなくていい理由を難しく説明してくる。

 丞は説明を少ししか理解できなかったが、姫様達がトイレに行かないのは本当らしい。


「じゃあ食堂かな」

 丞は昼食の姫様の食べっぷりを思い出した。

 休日の夕食はカレーとかチャーハンとか作りおきできる物だ。

 まだ寮の夕食時間には早いが、姫様なら作っている匂いにつられているかもしれない。

 今度はミッケニも反対しない。

 ミッケニも姫様が食いしん坊だと思っているようだ。


 丞は社員さんに見つからないように食堂に向かった。

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