47 宇宙の酔っぱらい
投稿一ヶ月記念連続投稿を読んで下さった皆様、ありがとうございます。
皆様の健康と幸せを祈ります。
自分で目標を立てて達成出来ると、気分が上がりますね。
ちょっと無理しましたが、やってよかったです。
では、47話目楽しんで頂けたら幸いです。
「おぅ、きたな。こっち座れ」
トレジャーハントの報酬を貰って最初の部屋に戻ると、猫っぽい人が丞を手招きする。
すごく招き猫です。などと考えながら丞は猫っぽい人の所に向かう。
前のシートが最初と反対向きになっていて、真ん中にテーブルが出してあり、六人用のボックス席になっている。
最後にメモリーボードに飛び付いた四人がもう座っていた。
他のトレジャーハンターもそれぞれグループを作っている。
「Fが宴会してもいいってよ」
猫っぽい人が機嫌よく言ってくる。
「まずは自己紹介といこうか。名前を知られたく無いヤツはあだ名でいい。俺はサッビ。トレジャーハンターらしい名前だろ」
猫っぽい人改めサッビが自己紹介する。
「トレジャーハンターらしい名前なの?」
『はい。有名なトレジャーハンターに似た名前の人がいます』
こそこそっと丞はシープに確認した。
「イーシーン」
体が石でできている人が名乗る。
気がつかなかったがおねーさんだった。
よく見ると結構美人だ。
「キリキリキリキリキリキリ。長いからみんなキリって呼ぶキリ」
虫っぽい人が鳴くように名乗る。
「丞です」
順番が回ってきた丞は無難に名乗る。
『シープです。丞様のナビです』
シープがしれっと仲間に入る。
「最後は俺だな。八本腕って呼んでくれ」
腕が六本の人が名乗る。
「六本だろ」
「六本じゃない」
「六本キリ」
「六本ですよね」
みんなで突っ込む。
「今二本修理中なんだよ」
よく見ると一対の腕は機械でできている。本当の腕は四本のようだ。
「じゃ、自己紹介もすんだし乾杯しようぜ」
サッビが机を叩くとメニューが表示される。
「ここはポイント使える?」
『はい大丈夫です。何を飲みますか?』
丞はメニューを見る。飲み物のページが百をこえている。
「コーラある?」
『あります。注文しますね』
注文がすんで少しすると、ウサミミのおねーさんが品物を持ってきてくれた。
「テーブルから出てこないんだ」
『宇宙船で合成した物を運んでくれます』
「注文、揃ったか?よし」
「池の形のメモリーボードにカンパーイ!」
サッビが木の実を持って乾杯の音頭をとる。
サッビが木の実、イーシーンが油、キリが木の皮、丞はコーラ、八本腕がお酒を食べたり流し込む。
「あー。仕事終わりのこの一口がたまらねぇ」
サッビが言うと、みんな賛同する。
「じゃ、後は各自注文で。酔っても自分の食えない物には手を出すなよ」
サッビが何もない空間に手をいれながら、警告する。
「ジャーン。ちくわタイミョウシン」
サッビが金色の缶詰を取り出す。
「いくつか現物をもらった。酔っぱらって味がわからなくなる前にみんなで食おうぜ」
「私はいいわ。柔らかいものは嫌い」
「オレも植物以外はいいキリ」
イーシーンとキリが断る。
「俺は貰う。ちくわタイミョウシン、前食べたのいつだっけ」
八本腕は喜んで貰っている。
シープが止めないので丞も貰う。
缶の中身は金色のペーストだった。
内側から輝いているようだ。
丞がおそるおそるペーストを口にいれるとほのかな旨味を感じる。
噛むと細かい筒状の物を噛み砕くような、心地いい食感がしてウニのような、イクラのような、大トロのような、エキスが溢れてくる。
もっと。もっとと噛み続けるとスッと消えて後味を残さない。
「美味しい!」丞は立ち上がって叫んだ。
部屋中の視線が丞に集まる。
丞は顔を赤くして座る。
「旨いよなちくわタイミョウシン」
八本腕が口から金色の光を出しながら言ってくる。
「さすが、買い取り一万ポイントだよな」
サッビの口も光ってる。
「買ったら軽く十倍はするわね」
イーシーンが二杯目の油を飲み干した。
「そんなにするんですか。良かったらこれから食べられる物をとって下さい。お返しにならないでしょうが」
丞はみんなに風呂敷を差し出す。
「気にすんな。みんなで食うほうが旨い」
サッビが風呂敷から魚の切り身を出す。
「オレ達もいいキリ?好い人キリね」
キリが色のついた紙のセットを取り出す。
「二ついい?」
イーシーンは鉱物標本と人造宝石を出した。
「おみやげ屋の物を回収してきたのか。あんまりポイントにならないよな。俺も駆け出しの頃はやったな」
八本腕が干物を取り出す。
じゃあ、俺も、私も。テーブルの上はみんなの獲物で一杯になった。
楽しく宴会が盛り上がっていった。
「わらしの・・・油が・・飲めない・のか」
何時の間にか隣に座ったイーシーンが丞に寄りかかる。
重い、硬い。美人のおねーさんなのにあんまり嬉しくない。
丞の前にはイーシーンがついだ油がある。
シープに聞いたら地球人も飲めるそうなので、味見した。
ミントのような香りがしたが普通に油だった。
イーシーンみたいにごくごくとは飲めない。
「ねえ・・・聞いてるの・・」
イーシーンが色っぽく人造ダイヤをくわえる。
チュルンと可愛らしく吸い込むとゴリ、ガリ、と硬い物が砕ける恐ろしい音がする。
丞の前では八本腕が若い頃の冒険憚を話してる。
面白い話しだがもう四回目だ。
「そこで・・・おられが」
呂律も怪しい。
サッビはさっきまでテーブルの上で踊っていたが、ちくわタイミョウシンの空き缶に顔をいれて寝ている。たまに缶をなめるのが可愛い。
キリも寝ていた。
「キリキリキリキリ。キリキリキリキリ」
それはイビキか?歯ぎしりなのか?
「ウーン」
イーシーンも、ついに丞の膝の上で寝てしまった。
「ちょっと。起きて!」
美人のおねーさんが膝の上で寝ている。
普通なら嬉しいが、丞は江戸時代の拷問を思い出した。
段々の石に正座してさらに足の上に石をのせるやつだ。
「あーっ、あーっ。起きて。お願い。ちょっと助けて」
丞の力ではイーシーンを持ち上げられない。足をずらすのも無理だ。
シープを見る。
『残念ですが、私では無理です。怪我はしませんよ』
八本腕を見る。
「どうした・・おれが若い頃は・・そのぐらい・・・ピンチにはいら・」
頼りにならない。
「誰か助けて・・・」
部屋の中には丞以外、酔っぱらいしかいなかった。
このお話にはグルメタグがついております。
あと、知っている人は知っている。
新連載しています。
ランキングにネタがちょっとかぶった作品があって慌てて書きました。
小説が65万作品以上あるので少しもかぶらない方が難しいですが。




