12 チート発動?
PVが三桁になっていました。
小躍りするほど嬉しいです。
ブックマークしてくれた人もありがとう、あなたの努力が報われるよう祈ります。
もちろん他の読んでくださっている方の幸せも祈っています。
では、12話目、楽しんで頂けたら幸いです。
「そうだった、何かオススメのゲームある。できるだけ、ポイントもらえるやつ」
広場から目を離せない。あの変なのは何だ、と考えながら丞は言った。
『90秒で500ポイント稼げるゲームがございます。ほとんど練習も必用ないですし、お勧めです』
シープは何か計算しているような顔だ。
「90秒で500ポイント!1時間で20000!」
驚いて丞はシープを見た。
『ゲームの設定上、星なしランクでは最大15000ポイントです』
シープは表情を戻して言った。
丞の計算から5000ポイント減った。
それでも15000ポイントは魅力的だ。
「何のゲームなの」
『格闘ゲームです』
格闘ゲームなら得意だ。
幼馴染みの全にはほとんど勝てている。
『開催されている会場まで行って、参加申し込みをします。丞様の移動速度だと、30分ぐらいかかります』
「そんなに。シープの腕を振るやつで移動できないの」
『腕を振るのは移動能力ではありません。ナビ能力を使う時のポーズです。最初にお会いした時は、丞様の部屋を初期設定用空間に再現しました。さっきはフぃみョンに参加しただけです。』
「結構、めんどくさいね」
『一生フぃみョン内で過ごす種族も多いです。なんでもできてしまえば、すぐにする事がなくなります。この会話も、移動も面倒だと思うところが楽しみで、重要なのです』
「でも、早くゲームしたい」
『わかりました』
シープの目が光った瞬間、丞とシープは格闘場の入り口前にいた。
「瞬間移動した」
やればできるじゃんと、丞。
『移動の結果だけを書き込みました。移動した実感がないだけで記憶はありますよ』
丞は確かにシープと移動した事を思い出した。
広場の大勢の間を抜けて通りに、そのままキョロキョロと建物を見ながら、いくつか角を曲がって、歩いてきた。
途中、きわどい服装のエルフっぽいおねーさんに見とれて、シープに引っ張られたことも思い出した。
「移動前に戻せないかな」
『元の場所にいって記憶を消せば、似た感じに出来ます。すれ違う人は違いますが。出来事に出会った感動は、その瞬間しか味わえないのです』
何に感動しているのかと、少し呆れた様子でシープが言ってくる。
「さあゲームだ」
丞はごまかして格闘場の入り口をくぐった。
〈スゥデゴロ ファイター ナァァイン〉
独特なリズムでアナウンスされる。
少し汗のようなにおいのする熱気が吹いてくる。
太鼓のような音が、気分を盛り上げる。
さまざまな種族がいるが、戦闘服らしい格好で、さあ闘うぞという人と、仕合を見にきましたという人のグループに分けられそうだ。
『エントリーしますね』
「いやいや、あの辺の人とか勝てそうにないけど」
カマキリに似た、四本腕の上二本が鎌状になっている人を見ながら丞は言った。
『同じような強さの人と仕合が組まれます、大丈夫ですよ。まずは、練習しましょう』
「そうだね」
めざせ、15000ポイント。
丞は両手で自分の頬をペシペシと叩いて気合を入れた。
シープが腕を振ると同時に目を光らすと、丞は寮の廊下ぐらいの幅がある、2メートルぐらいの空間にいた。両側と前後に壁がある。
シープの説明を思い出す。
ええと、ジャンプにはアシストがつく。
試しに跳んでみると頭の高さまで、楽に跳べる。
星なしランクの仕合で使える技は強打だけ。
強打と念じてパンチすると拳が光った。キックすると、脛まで光る。
ガードは腕と脛。
腕で体を庇うと薄い透明なバリアが見える。足を上げると脛にも発生する。
急所はシステム側でカバーされていて目や、股間への攻撃は無効だ。
星なしランクでは頭突き、投げ、間接技もなしだ。
『では練習しましょう』
スポンジでできたデッサン人形みたいのが現れる。
「エイ、エイ」
丞は人形にパンチやキックを打ち込む。
『ガードの練習です』
デッサン人形が遅めのパンチとキックをしてくる。
丞でも楽々受け止められる。
『自由練習です』
丞は遅めのパンチやキックをよけて、人形に跳び蹴りを決める。
何回か人形を倒すと楽しくなってきた。
『そろそろ仕合しますか』
「よし、やろう』
シープが腕を振りながら非実体モードになる。
〈エッエッエッエェェトリッィィ〉独特なアクセントでアナウンスされる。
〈ラウンドワン〉
丞の周りの壁が透明になり、大勢の観客が見える。
大きな歓声と太鼓のような音がする。
前の壁だったところに大きく半透明の数字とHPバーが現れる。
向こう側に丞より小柄な、三ッ目の少年が見える。
空手着のような服で、丞をみてオッスと聞こえてきそうな挨拶をする。
丞も礼を返す。
数字が0になる。
〈ファイッッ〉
少年が、スススッと間合いをつめてくる。
え、え、この人殴っていいのと丞が思っているうちに、腹にいいのをもらう。
「ぶげっほぅ!」
たまらず下がると、少年が、腹、頭、腹、腹頭と流れるようなコンビネーションを決めてくる。
「えっ、あ、う、げふぅ」
傷みは無いが、パンチキックの感触は伝わってくる。
『丞様ガード、ガード。頑張って』
何も出来ないで、丞は負けた。
〈ラウンドツウ、ファイッッ〉
「わあ、タンマ、タンマ」
ピポピポと電子音がした。
時間が止まっている。
周りが止まっているが丞も動けない。
『超加速思考セコンドです。1ラウンドに一回アドバイス出来ます』
ナニそれ凄い。
「生身の人を殴れないんだけど」
『5ポイント使って心理サポートをオンにしますか』
「おねがい」
向かってくる少年が同じ大きさの、デッサン人形に変わる。
音と動きが戻る。
「エイ、エイ」
さっきとは違って手が出せる。
しかし、余裕でガードされて丞は負けた。
〈ラウンドスリー ファイッッ〉
「タイム」
『どうしました』
「どうやっても勝てない。なんかいい方法ない?」
『フルサポートを使えば丞様が、一番力の出せる状態で戦えます』
「使用ポイントは?」
『300です』
「使う」
もらえるポイントの半分以上使うのは、痛いが仕方ない。
気がつくとテレビの前に丞はいた。手にコントローラ。
画面には丞とデッサン人形。
『きますよ』
シープの声がする。
操作は丞が遊んだ事があるゲームと同じだ。
相手の強さは普通。
必殺技無しでもあっさり丞は勝った。
勝った瞬間に、丞は元の場所に戻る。
相手の少年が礼をしてくる。
気まずいが丞も礼を返す。
『負けが50、勝ちが500トータル600ポイント、サポートに体験用ポイントを305ポイント使用しました』
「ずるした気がする」
入れた気合をなくして丞が言う。
『それがチートです。もっとも相手も同じことができるので、今回はチートではないですよ』
シープが丞の肩を叩いて慰めるように言ってくれた。
文字数の感覚が読んでいた時と違います。
書くと大変なだけかな。




