第一章三話 幸寿丸織田家へ行く前編
すみません。遅れました。受験勉強が忙しすぎて・・・。
3月11日を過ぎたら早くしていこうと思います。
幸寿丸が六歳となった1550年。
幸寿丸は天才的な頭脳の片鱗を見せていた。幸寿丸は水野家にあるすべての兵法書をものの一年足らずで読み終わり、その後はずっと武術に励んでいた。
刀、馬、槍、組手などをし、その中で幸寿丸が才能を発揮したのが、弓だった。訓練を初めて物の半年で師範レベルに達し、たまたま水野家で開催された弓の大会で、最年少優勝者となり家臣の皆を唖然とさせた。
そんなことをして過ごした三年は早々に過ぎようとしていた。
1550年3月14日。
幸寿丸は春の陽気が感じられる廊下をスタスタと音を立てずに歩いていた。そして城の中央西寄りにある信元の部屋の前で止まる。
「失礼します、父上。」
一礼しながら信元の部屋へと入ってくる幸寿丸。幸寿丸は三年間武術だけでなく礼儀作法も教わっていた。
「おう、来たか。」
信元の部屋には信元と永重が居た。二人とも真剣な表情をしている。そして幸寿丸は二人の前に座る。
「それで、父上。用事とは何ですか?」
二人が真剣な表情をしているのを見て、幸寿丸も顔を引き締める。三人の間には春に似合わない冷たい風が吹いていた。
「・・・単刀直入に言う。幸寿丸、お前は織田家に行け。」
信元は無感情に言う。永重は少し目を伏せていた。幸寿丸の顔は変わらぬまま無表情だった。
「分かりました。出立はいつですか?」
幸寿丸は感情が読めない声で言う。そんな幸寿丸に信元は呆気にとられながらも
「・・・一週間後の21日だ。しっかり別れの挨拶はしとけよ。」
「分かりました。では私はそこで何をすれっばいいのでしょうか?」
「そんなことは自分で決めろ。俺を超える頭脳を持ってるんだから。一週間後に出立だ。下がれ。」
幸寿丸は「失礼します」いい静かに部屋を出て行った。
「・・・左京亮。・・・あいつ嫌な顔一つせずに出て行ったぞ。普通なんかないのか?!泣きながら”父上!行きたくないです!”とか”母上と離れたくないです!”とか。あいつ本当に六歳児かよ!?精神年齢俺より上なんじゃないの!?」
余りに勢い良くしゃべった(叫んだともいう)のでゼハァゼハァと荒く息をし顔を真っ赤にする信元。それに対して永重はこう言った。
「それが若です。(ドヤ顔)」
その後、永重は信元にこってり絞られたという。
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ふ~。織田家に行けか・・・。
まあ、短絡に言うと人質になれってことだよなあ。父上が変なことしない限り殺される事は無いんだし、運が良ければ信長の家臣にでもなれるかな。まずは小姓からかなぁ。
うん?待てよ。
信長の家来になれる可能性があるってことは天下統一させることできんじゃね。(楽観的主義)
ちょっとずつ戦功を立てていって、本能寺の変の直前に”危ないですよ”と進言をする。(超楽観的主義)
おお!完璧じゃないですかヤダ~。よしやる気湧いてきた!ここより向こうのほうが兵法書あるだろうし、めっちゃ勉強したろ。(超超(以下略))
目指せ天才軍師!むフフフ。
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3月17日。
「兄上!何故織田家に行くのですか!人質同然ですよ!」
二人の少年は木刀を持ち向き合っていた。
「いいじゃねぇか。俺の勝手だろ、正寿丸。」
二人の闘気がだんだんと強くなっていく。
そして少しの間沈黙が走った後正寿丸が木刀を振り上げる。
それに対して、幸寿丸は身構える。
そして正寿丸が袈裟懸け(相手の左肩から右脇腹)、右薙ぎ(右から左へ水平に薙ぎ払う)の順に木刀を振る。
しかし、幸寿丸は左後ろへバックステップを踏み正寿丸の動作が終わった後に居合(剣を携えた状態から抜きながら薙ぎ払う)をしつつ、正寿丸の左を駆け抜ける。
正寿丸の左脇腹に綺麗に当たり、正寿丸はその場で蹲る。
周りにいた家臣が慌てて駆け寄る。しかし正寿丸は駆け寄ってきた家臣を手で制し
「・・・あ・兄上。何故・・織田家に行くのか・・・教えてくれますか?」
正寿丸は痛みを我慢しているのか、たどたどしく話す。
「う~ん。強いて言うなら俺自身を磨くためかな。織田家は水野家より猛者がいるだろうし、頭の良い奴も多くいるだろう。そういうところで経験を積みたい。」
幸寿丸はきっぱりと言い切った。
「・・・分かりました、兄上。では、次会う機会にいろいろ教えてください。楽しみにしています。」
と幸寿丸は満開の花のような笑顔でそう言った。
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自分の書いている小説なので読んでください。(露骨な宣伝)