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ゲームクリエイター ~とある少女の冒険譚~  作者: メープル
王都躍動編
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92.ナツの苦悩

2ヶ月も空いて申し訳ないです……

時間がないんですよ……

サボってるわけじゃないの!時間が足りないの!!

依頼の受理が終わったところで、私たちはギルドを出て大通りを直進する。

辺りはギルドに入った時と比べてかなり薄暗い。

ふと空を見上げると、茜色に染まる空にぽつんと輝く一番星を見つけた。

今までは忙しかったりして、あまり空を見上げる時間がなかったけど、こうして見ると、都会と比べてかなり空気が澄んでいそう。

家から漏れる光も少ないだろうし、きっと夜中は天の川とか流れ星がきれいに見えると思う。

……まぁ、この世界の星座がどうなってるかとか分からないけどね。


ん?どこに向かってるのかって?


勿論、私たちが向かうのはスーシャさんの屋敷。

だって家とか無いし。宿もお金かかるし。

結構するんだよ?スーシャさんから宿代ってお金もらってたから今までは大丈夫だったけど……

なんにしろ、向かうに越したことはないよね。


私がまっすぐ先に進もうとすると、突然アッシュ君に袖を引っ張られた。

何かあったのかと思いアッシュ君の方を向くと、少し俯いているのが分かった。


「どうしたの?大丈夫?」

「……うん……」


かなり深刻そうに答えるアッシュ君。ますます心配になる。


「もしかして体調悪……」


そこまで言ったところで、アッシュ君の方からくぅと可愛い音が鳴る。

恐る恐るアッシュ君の方に向き直ると、そこには頬を赤く染めたアッシュ君の姿があった。


「……ご飯にしよっか!」


アッシュ君は、恥ずかしそうに頷いた。




私たちはいつかの公園に置かれたベンチに、私を中心として右側にドロテアちゃんが、左側にアッシュ君が腰掛け、いつかの串焼きを頬張る。

2人が美味しそうに串焼きを食べているのを横目に見つつ、ダンジョンのことを考える。


正直、不安しかない。

今までのアルラウネとか、ゴブリンキングとかだって、ほとんど運で乗り切ってきたようなものだし。

いままでのはかなり小さいタイプの……ダンジョン?だったけど、今回のはどれくらいの規模なのかもまるで分からないと来た。

説明からして、恐らく地下○階層みたいな感じのダンジョン……言うなれば、深くなれば深くなるほど、どんどん敵も強くなっていく……みたいなやつだと思う。

それで深さが5階層とかならいいけど、10階層とかあったらかなりしんどいと思う。

まだ慣れてないこともあるけど、あんまり深すぎると何日もダンジョンの中に籠りっぱなしになることもあるはず。


昔、本で読んだことがある。

人間は太陽の光を長い間浴びないと、時間感覚が狂ったり軽い鬱になったりするらしい。

まぁあくまで本で読んだだけだからどれくらいひどいのかとか分からないし、かなり前の記憶な気もするから100%正しいってわけでもない。

でも、そんな不確かな情報でも私を迷わせるのは事実。

できることならアッシュ君やドロテアちゃんに辛い思いはしてほしくないし、私だって辛いのは嫌だ。


ただ、今回のこの依頼はアッシュ君がやってみたいって言った依頼。

私がとやかく言うようなことでもないような気もする。


……悩んでもしょうがないのはわかってる。

自分でも、なんでこんなに不安に思ってるのか分からない。

アッシュ君やドロテアちゃん、それにシンさんたちもついてきてくれるって言ってるのに、なんでここまで不安になるんだろう?




……考えても仕方がないよね。

まだダンジョンの中に入ってもいないわけだし、どうなるかなんてわかるわけない。

それこそ、神か何かじゃないとね。


……あ、神と言えば。

私に助言?みたいなの与えてくれてたあいつ、どうなったんだろう?

たしかもう限界とかなんとか急に言い出していなくなっちゃったし。

結局あのお告げ?も完全に無視しちゃったなぁ……

まぁ私悪くないけど。好きで攫われたわけじゃないし。


「……ナツ?聞いてる?」


色々と考えていると、アッシュ君から声をかけられる。


「え?あ、ごめん聞いてなかった……」

「もう、しっかりしてよ……ご飯食べ終わったし、そろそろ行こう?」


片手に食べ終わった串を持ちながらそう提案してくるアッシュ君。

2人の様子から見るに、とっくに食べ終わっていたらしい。


「ごめんごめん。じゃあ行こうか!」


私はベンチから立って、2人を連れてスーシャさんの元へ向かう。




……ってあれ?私串焼き食べてなくない?

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