18.初めての魔法
朝日が私の部屋に差し込む。
部屋は少し肌寒い。
「んぅ……」
眠い頭を起こしながら、私は布団から出ようとする。
そこで、なにかふわふわしたものが手に当たった。
私はそれに意識を向ける。
そこにあったのは……。
アッシュ君の頭だった。
「……ふぇ?」
だんだんと意識が覚醒してくる。
ここは家のベッドで、隣にいるのはアッシュ君。
「ん〜と?え、ちょ、ふぁ?!」
なななななんでアッシュ君が私の隣で寝てるの?!
おおおお落ち着け!素数を数えて落ち着くんだ!
2…3…5…7…11…13…17…19…23…28…
いや…違う29だ…
29…31…37……
よし、落ち着いた。
……ってなるわけないやん!!
えっと……なんで一緒に寝てるんだっけ……?
「ん〜……、あれ?ナツ?」
なんて考えていたら、アッシュ君が起きてしまった。
「あ、アッシュ君。お、おはよう」
「ん、おはよ……ってええええ?!」
バサバサッ!
私と同じベッドで寝ていたことに気がついたのか、顔を真っ赤にするアッシュ君。
あまりの声の大きさに、周囲にいた鳥たちが飛んで行ってしまった。
「なななななんで一緒に寝てるの?!」
「私も知りたいよ……」
とても騒がしい朝になってしまった。
時は流れ、お昼すぎ。
「そういえばさ、ナツって魔法使えないの?」
なんてことを聞かれた。
「うん、使えないっていうか……、やり方がわからないんだよねぇ……」
「よかったら教えてあげよっか?」
マジか!
魔法使ってみたかったんだよね〜!
「いいの?!」
「う、うん。別に困ることでもないしね」
やったぁ!
ゲームといったら魔法!ファンタジーといったら魔法!!
早く使えるようになりたいなぁ!
「早速だけど、”炎魔法”から教えるね」
「うん!お願い!」
どんなやり方なんだろうなぁ!
すっごいワクワクする!
「見ててね〜?”ファイヤーボール”!」
アッシュ君がそう言うと、目の前にこぶし大の火球が生まれる。
「おお!!」
「じゃあ、枯れ葉集めてきてくれる?」
……枯れ葉?何に使うのかな?
そう思いつつも、10枚ほど枯れ葉を集めてアッシュ君の目の前に置く。
「こんな感じでいい?」
「うん!バッチリ!」
そう言って、アッシュ君が拳を握ると、火球が枯れ葉へと飛んでいき、枯れ葉を燃やし始める。
「じゃあ、この枝をあの中に突っ込んでくれる?」
「え?あ、うん」
言われるがまま、アッシュ君が持っていた枝を炎の中に突っ込む。
《条件を達成しました》
《スキル”炎魔法Lv1”を取得しました》
「……………………はい?」
「お、取得できたみたいだね!炎魔法!」
いや、取得したけどさ……
ちょっと簡単すぎない?!
「次は、この水で火を消してみて」
あ、察しました。
私は言われるがまま、バケツに入っている水を使って火を消す。
《条件を達成しました》
《スキル”水魔法Lv1”を取得しました》
やっぱり……
彼女は知らない。
こんなにも簡単に魔法を取得できるのは、彼女の素質とアッシュ君の努力だということを……
アッシュ君の持っていた”枝”や”水”は、彼の魔法で作り出したものです。
アッシュ君有能すぎぃ!
5/30 一部表現を修正
やはりいろんな人から意見をもらえるとすっごい力になりますね……関わってくれる皆様に感謝。




