第12話 魔術の習得
レベル:7
生命力:26+1
旋律力:46+1
筋力:18+1
魔力:45+1
耐久力:18+1
耐魔力:42+1
魔力質:A-
魅力:A-
直感:A
理性:B
幸運:A
称号・加護・技能
・格上殺し……レベル差分と同数の数値がステータスに加算される
・疾風の短剣使い+2……短剣装備時、筋力に+2、旋律力に+2の補正が掛かる
・疾風の槍使い+2……槍装備時、筋力に+2、旋律力に+2の補正が掛かる
・疾風の剣使い……剣装備時、筋力に+1、旋律力に+1の補正が掛かる。
・魔物殺し……敵が魔物の時、全ステータスに+1
・オーク殺し+2……敵がオークの時、全ステータスに+2
・男の敵……敵の性別が男性、または雄の時、全ステータスに+1
・腹パン(され)マスター……腹部(内臓)に攻撃されたとき、ダメージ二割減。
・露出性癖……履いていない時に全ステータスに+1
・被虐性癖……性的興奮時、耐久力に+1
・戦闘狂……戦闘時、全ステータスに+1、および性興奮。
「……まるで私が戦うことでエッチな気分になる、変態みたいじゃないか」
ニーナは相変わらず失礼なステータスに不満を抱いた。
だがレベルが一気に二つも上昇したので、それで良しということにしてやる。
さてニーナには一つだけ、悩みがあった。
「魔法、使ってみたい……」
前の試合ではオークメイジが魔法を使っていた。
ニーナは耐魔力が高かったこともあり、魔法そのものは大きな脅威にはならなかったが……耐魔力が低い相手には、大きな武器になる。
基本的に耐久力が高い相手は耐魔力が低い。
筋力値が伸びにくいニーナには、必要不可欠と言える。
「でも、どうすれば魔法って身に着けることができるんだろうか?」
取り敢えず試してみよう。
そう思ったニーナは両手を突き出し、叫んでみた。
「ファイヤーボール!」
……何も起きない。
ニーナは非常に恥ずかしい気持ちになった。
「一人で叫んで、何をやってるん……おいおい、睨むなよ」
どこからともなく現れたグレイブがニーナに揶揄いの言葉を投げかける。
「魔法を使いたいんです。……使えませんか?」
「俺は魔力値が低いからなあー、魔力操作くらいしかできない」
「そうですか、まあ、聞いた私が馬鹿でした」
ニーナがそう言うとグレイブは苦笑いを浮かべた。
「そんなにツンケンすんなよ。……魔術師の剣闘士を紹介してやる」
「魔術師なのに剣闘士っておかしくないですか?」
「それを言ったら、お前だって槍とか使うだろ」
剣(で戦う)闘士ではなく、剣(などで戦う)闘士だから剣闘士なのだ。
そういうわけで、ニーナは剣闘士をしている魔術師を紹介してもらうことになった。
魔術師というからには知的な男性か、それとも可憐な天才美少女魔術師……というような存在を想像していたニーナだったが……
そんな彼女の目の前に現れたのは、筋骨隆々のムキムキマッチョだった。
「チェンジで」
「ガハハハハ! 嬢ちゃん、いくらなんでもいきなりそれはないぜ!!」
何が面白いのか、ニーナの背中をガンガン叩きまくるマッチョ。
「オレの名前は……」
「マッスルだったりします?」
「すげぇ、嬢ちゃん。もしかして『鑑定』のスキルとか持ってたりするのか?」
「いえ、ないです」
冗談で言ったのにも関わらず、どうやら本当にマッスルだったようだ。
「正確にはマルクス・マッスル・ブレインだ」
「ではマルクスと呼ばせて貰います」
さすがにマッスル、などという暑苦しい名前で呼びたくはなかったし、そもそもセカンドネームで呼ぶほど親しい間柄ではない。
「ところで……対価は何でしょうか?」
体を要求されるのではないか、とニーナは身構える。
この目の前の巨漢に抱かれれば、割と本当に死んでしまいそうだ。
「体で支払って貰うぜ」
「体?」
「そう、オレに体術を教えてくれ」
どうやらグレイブから、ニーナの技術が凄いということを聞いていたらしい。
マルクスは魔術師だが……接近戦に持ち込まれれば、拳で戦うしかない。
最低限の体術を身に着けておきたいのだという。
「まあ、構いませんよ」
「よし、約束だからな」
一先ず、魔術についての基礎知識から始まる。
「まず、魔法と魔術の違いって分かるか?」
「前者がスキルで後者が技術でしょう?」
「その通り……オークメイジが使うのは、魔法だな。オークに魔術を使う知能はない」
オークメイジは突然変異的に、生まれながらに魔法を覚えたオークのことを言うらしい。
つまり独力で魔術を身に着けたわけではない。
そう言われ、ニーナは少しホッとした。
オークに負けているような気がして、少し屈辱だったのだ。
「魔法と魔術って、どっちの方が強いんですか?」
「それは場合による。だが……まあ、スキルに頼って、技術を身に着けてない奴は、どこかで痛い目を見る」
ステータスやスキルというものが重視され、武術などの技術が軽視される中で……
魔法や魔術という分野に関しては、技術がある程度重視される傾向がある。
「魔術を習得して、その技術を自然体で使えるようになれば……それは魔法となり、スキルとして魂と肉体に刻まれる。ところで嬢ちゃん、魔力操作は使えるな?」
「ええ、まあ……それなりに」
「なら話は早い、魔術式を教えてやろう」
そう言ってマルクスはニーナに、魔術について手取り足取り教えてくれた。
見た目的に凄まじい脳筋理論で説明されると思っていたニーナだったが、思ったよりもまともで少しだけ安心する。
「……これは中々、使い勝手が良さそうですね」
ニーナは炎を槍に纏わせながら言った。
魔力操作の延長線上にある魔術、属性魔力付与である。
お手軽に武器の威力を向上させられる便利な魔術だ。
「でも、炎だと傷口が焼けてしまいます」
傷口が焼ける、ということは血が止まってしまうということだ。
敵に対してわざわざ止血してやる、というのはどうなのか。
「なら風属性が良い。傷口に風を送り込んでやるんだ」
「それは良いですね」
一度、要領を覚えてしまえば簡単だ。
炎のところを、風に変えるだけなのだから。
ニーナの槍の穂先を、無数の風の刃が覆う。
「おお……」
「今日のところは、ここまでにしよう。……さて、体術を教えてくれ」
「はい」
それからニーナはマルクスにみっちりと格闘技を教えてやった。
ニーナとマッスルの二人は、次の試合までの十日間、互いに技術を教え合った。
(最近、少し涼しく……いや肌寒くなってきたかなー)
ニーナは闘技場に吹く風に若干の寒さを感じながら思った。
ニーナの衣服は相変わらずの寒そうな奴隷服だ。
容赦なく風が吹き込んでくるため、耐寒性は皆無だ。
(もっと暖かい服を……あー、でも動けば熱くなるから、これで良いのかな)
ニーナがそんなことを考えていると、試合の相手が出てきた。
それは人ではなかった。
魔物だ。
しかし今までニーナが戦ってきた、オークのようなタイプとは少し違った。
名前:ゴレ男
性別:オス
種族:魔物/スチールゴーレム
身分:機械
職業:戦士
レベル10
生命力:100
旋律力:40
筋力:90
魔力:25
耐久力:150
耐魔力:30
魔力質:E
魅力:C
直感:E
理性:A++
幸運:C
(魔術、身につけて置いて良かったー)
ニーナは司会が楽しそうに話すゴーレムのステータス値を聞いて、心の底からそう思った。
次は機械姦です




