たまごくんの恋を見守るまめ
こちらの作品は、短編で書いたものになります。
まとめさせていただきたく、こちらにも載せております。
ご了承ください。
ここはやさいたちが住む島。【ベジアイランド】
今日もやさいたちは楽しく、ゆかいにくらしております。
まめの王子【ピスオ】はえだまめのツルですべり台をしていると
【たまごくん】が森に入っていくのを見かけました。
「たまごくんまめ。どこにいくんだまめ?」
ピスオはたまごくんのあとをついていきました。
たまごくんは大きな木の前で止まり、もじもじしています。
「......今日は言えるようにがんばるたま」
たまごくんは大きく息をすって、気合をいれます。
「だいこんさん! 僕とつき......」
「なにしているまめか?」
「はぅぅぅぅぅ!」
たまごくんはピスオの言葉におどろき、木に隠れてしまいます。
「どうしたまめか?」
「びっくりしたたま」
「びっくりまめか。ちょっとだけごめんまめ」
ピスオはペコッとあたまを下げました。
「で、なにしているまめか?」
「実はだいこんさんにこくはくをしようとしているたま」
「だいこんさんって、あのだいこんさんまめか?」
「そうたま。きれいで、品があって、あたまもよくて、やさしくて、人付き合いも上手で。ステキな女性たま」
たまごくんはだいこんさんのことを想い浮かべて、ほほが赤くなりました。
「そこまで想っているなら、ちょくせつ言えばいいまめ」
たまごさんははげしく首を横にふります。
「ムリたま、ムリたま。ぼくなんてなんの取り柄もないたま。だからだいこんさんのとなりにいるなんて......」
「でも、つきあいたいまめよね?」
「......そうだけどたま」
ピスオはたまごさんの肩をポンとたたきました。
「たまごくんもいいところはあるまめ」
「どこがいいところたま?」
「ピスオにはわからないまめ」
たまごさんは少しだけふあんになりました。
「でも、フラれるのがこわくて言えないたま。だから今日はれんしゅうするためにここにきたたま」
「れんしゅうするためまめか?」
「そうたま」
「ならおてつだいするまめ」
「ありがとうたま!」
たまごくんはふあんな顔から、ニコっと明るいかおになりました。
「まずは、木におはなししてもダメまめ。ちゃんとしたあいてがひつようまめ」
「あいてって言われても......」
「だいじょうぶまめ、そこにいるまめ」
とピスオはふりかえり、うしろの草むらにゆびをさします。
そこにいたのは忍者の格好をしたニンニク忍者の【ニク】くんです。
「どうしてばれたでござるか!」
「バレバレまめ。ピスオはなんでもわかるまめ」
「でも、どうして? ニクくんはここにたま?」
「ニクじゃないでござる。ニンニクでござる。たまたま修行でこの森に来たでござる」
「ちょうどいいまめ。たまごくんの修行に付き合うまめ」
「いいよ。はずかしいたま」
「ダメまめ。ニクくんたのんだまめ」
「拙者、修行ときいたからにはお受けするでござる! で、何の修行でござるか?」
「恋の修行まめ」
「恋でござるか!」
ニクくんの顔がたまごくんの顔よりも赤くなりました。
「拙者は恋の修行はたんれんしておらぬゆえ、いたらぬこともあるかと」
「だいじょうぶまめ。ここに立ってればいいまめ」
「それならだいじょうぶでござる」
ピスオはたまごくんをニクくんの前に連れていき、背中をポンと押しました。
「ニクくんをだいこんさんだと思うまめ」
「うんやってみるたま」
たまごくんはニクくんを見つめました。するとニクくんは、ささっと草むらにかくれてしまいます。
「なにしているまめか?」
「拙者、あいてに見つめられると、きんちょうするでござる」
草むらからひょっこりと顔を出すニクくん。
「たんれんが足りないまめね」
「ピスオくん、ニクくんありがとたま」
たまごくんはおだやかな表情で笑かけます。
「けっきょく、僕とだいこんさんはつりあわないんだたま」
ピスオはニクくんをじっと見て
「ニクくん、いいまめか? ニクくんにかかっているまめよ。強い忍者になれなくなるまめよ」
ニクくんは背筋をピッと伸ばしました。
「......強い忍者になれるでござるか?」
「なれるまめ」
「......やるでござる。たまごくん! あきらめるのは早いでござる! 拙者がすけだちいたすでござる」
と。ニクくんは草むらからリンとした顔で出てきました。
「ニクくんありがとうたま」
「ニクじゃないでござる。ニンニクでござる」
「たんじゅんまめね」
ニクくんはたまごくんの前に行き、たまごくんを見つめます。
「じゅんびはできたでござる。つぎは前のようにはいかないでござる」
「わかった。僕も頑張るたま」
たまごくんは大きく息を吸い、ニクくんを見つめます。
ニクくんの顔がどんどんと赤くなっていきますが、ニクくんも頑張っております。
「言うたま。ニクくん! 違った。だいこんさん! 僕と、あの、その、おつつきあいしてほしいたま」
「おつきあいまめ。つつきあっちゃダメまめ」
「おつきあいしてほしいたま!」
たまごくんはせいいっぱい、目をつぶってしまいましたが、自分の思いをニクくんに伝えました。
「ニクくん、答えるまめ」
ニクくんは頭から湯気が出て目がクルクルと回っています。
「ごめんでござる。もうダメでござる」
とニクくんはたおれてしまいました。
ニクくんの言葉にショックを受けるたまごくん。
「......フラれた。れんしゅうでフラれるんだから、本番でもフラれるたま」
たまごくんはあまりにのショックにたおれてしまいました。
「こりゃあダメまめね」
たおれてしまったたまごくんとニクくんを雲さんにお願いをして、
たまごくんのおうちまで運んでもらいました。
ピスオはおみずにつけたタオルをしぼって、たまごくんとニクくんのあたまにポンとのせます。
「ほんとうに世話のかかるまめね」
すると、そこにドアを開けて、超絶美人だいこんさんがはいってきました。
「だいこんさんまめ。こんにちはまめ」
「ピスオくん、こんにちは。ねえ、たまごくんがたおれたって聞いた
けど大丈夫なの?」
「だいじょうぶまめ。ちょっとしたら目をさますまめ」
「よかった」
だいこんさんはホッとした様子です。
だいこんさんはたまごさんに近づき、ほほ笑みます。
「いつも無茶ばっかして、ほんとうに世話のかかるたまごくんなんだから」
「だいこんさんはたまごくんが好きまめか?」
だいこんさんはピスオにウインクをして、たまごくんの看病をします。
「こたえになってないまめ。ピスオは気にしないことにするまめ」
ピスオはたまごくんのおうちにある冷蔵庫から、コーヒーを取り出し砂糖を入れて飲んでいると、たまごくんが目をさましました。
まだ、しかいがぼやけているため、だれがかんびょうしてくれているか、わかっていません。
「ピスオくん、かんびょうしてくれてありがとうたま。れんしゅうは失敗
したたまだけど、本番はせいこうさせるたま!」
と、たまごくんは気合を入れて、起き上がるとだいこんさんがいることに驚いて、お布団の中にかくれてしまいます。
「えええええ! だいこんさん! いいいつからそこにいるたま?」
「少し前からですよ」
「そこにおいでになるなら、言ってしゃってほしいたま」
「へんな言葉のつかいかたまめね」
「それより、もうだいじょうぶなんですか?」
「はっはいたま! 元気たま!」
ピスオはコーヒーを飲み干し、たまごくんからお布団をとってしまいます。
「せっかく、たまごくんを心配してくれてきてくれているまめ。言うのは今しかないまめ」
たまごくんは少し不安なかおをしてしまいます。
「でも......」
「たまごくん、れんしゅうのせいかをだすまめ」
ピスオにゆうきをもらったたまごくんは目をキリッとさせてだいこんを見つめます。
「あの! だいこんさん」
「なんでしょう?」
「ぼぼぼぼくとととと、おおおおお.......」
たまごくんの顔はどんどんと赤くなっていきます。
「もうちょっとまめ」
「おおおお、お話してくださいたま」
ピスオは大きな口を開けて固まってしまい
ました。
「おはなしは、今もしているまめ」
だいこんさんはたまごくんを見て満面な笑顔になります。
「もちろんです」
たまごくんはすごくうれしそうな顔をしています。
「やったたま」
ピスオはやれやれという顔ををしたまごくんを見ています。
「まあたまごくんがよければ、それでいいまめ」
ピスオはだいこんさんを見ると、だいこんさんはピスオに軽くあたまを下げます。
その行動で、ピスオは感じました。
「だいこんさんは待ってるまめね」
ピスオはたまごくんとだいこんさんを二人だけにするため、ベッドからニクくんを下ろして、ズルズルと引きずりながらおうちから出ました。
ピスオがおうちのドアを閉めたとき、ニクくんが目をさまします。
「拙者はどうしてここにいるでござる」
「ニクくん。今日はもう帰っていいまめ」
「帰っていいでござるか? そうだ! たまごくんはどうなったでござるか?」
ピスオはニクくんの肩をポンポンとたたきました。
「ニクくんには、まだまだ早いまめよ」
そういうとピスオはえだまめのおしろに帰っていきました。
のこされたニクくんは空を見上げました。
「拙者は修行が足りないでござるか!!」
ニクくんの悲しい叫びはさておき、たまごさんはだいこんさんと幸せにおしゃべりをするのでした。
おしまい
読んでいただきありがとうございます。
保育園、幼稚園などで、このお話を読んでもらえることが望みなので、そうなれるように頑張ります。




