玉ねぎのたまねさんのおうちにご飯を食べに行くまめ。その①
連載することにしました!少しずつですが宜しくお願いします!
ここはやさい達が住むベジアイランド。今日もゆかいに暮らしています。
まめの王子様の【ピスオ】はえだまめのお城でパタッと倒れています。
グゥゥゥゥゥゥゥ。
ピスオのおなかから大きな音が聞こえました。
「おなか空いたまめ」
ピスオはあまりにおなかが空いてしまったため、ご飯を作る元気がありません。
決めたまめ、たまねさんにご飯を作ってもらうまめ」
とピスオはヨイショと体を起こしドアに向かうと、いきおいよく【にんじんくん】がピスオのお城に入ってきました。
「ピスオ、ピスオ、ピスオ」
「なにまめ?」
「おなかが空いたぜ。何か食わしてくれだぜ」
「ピスオのお城にはなにもないまめ、ピスオもおなかが空いたまめ、だからたまねさんのおうちに行こうと思うまめ」
ピスオがそう言うと、にんじんくんは嬉しそうに言いました。
「たまねさんの料理は何でも美味しんだよな。行こう行こう! じゃあ先に行っているぜ!」
にんじんくんはお馬さんに乗りピューと走って行きました。
「にんじんくんはせっかちまめね」
そう言って。ピスオは雲さんの背中に乗って【たまねさん】のおうちに向かいました。
たまねさんのおうちは玉ねぎの形をしており【たまね食堂】と書かれた看板があります。
ピスオは雲さんにペコっとお礼をしてたまねさんのおうちに入りました。
すると、笑顔が可愛らしい【たまねさん】がいました。
「あら、ピスオちゃん、いらっしゃい」
「こんにちはまめ、おなか空いたから来たまめ」
「ご飯を食べに来てくれたまね? ありがとう」
ピスオが椅子にちょこんと座ると、お外からパカパカという音が聞こえてきました。
しばらくすると、にんじんくんがおうちに入ってきました。
「へっへーん。一番乗りだぜ」
「まってたまめ」
にんじんくんはピスオが座っていることにちょっとだけ悔しがりました。
「次は負けないからな」
「別に勝負してないまめ」
「にんじんくん、いらっしゃいたまね」
「たまねさん、こんにちはだぜ」
「二人とも今日は何が食べたいたまね?」
「ピスオはオニオンリングまめ」
たまねさんはフフフと笑います。
「ピスオちゃんはオニオンリングが大好きね」
「大好きまめ。とくにたまねさんのオニオンリングは絶品まめ」
たまねさんは嬉しそうに頬を触ります。
「まあ、今日は幸せな気持ちにさせてもらったからサービスするたまね」
「ありがとうまめ」
「にんじんくんは何にするたまね?」
「全部食べたいぜ」
「全部はよくばりまめ」
「全部作ってもいいけど......残したら許さないたまね」
たまねは笑顔でにんじんくんに顔を近づけます。
ちょっとだけ、危険を察知したにんじんくんはこう言いました。
「じゃあじゃあ、肉じゃが食べたいぜ」
「肉じゃがね、わかったたまね」
にんじんくんがフゥと一息をつくと、たまねさんは奥にある調理場に向かい、のれんをくぐろうとした時に、ピスオ達に向かって言いました。
「料理を作っている間は、何が聞こえても、どんな音がしても、絶対に調理場に来ないでたまね。わかったまね?」
といい残し、たまねさんはニコッと笑い、調理場に向かいました。
続く。