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ラブソング4

【ファースト★アピールタイムの巻】



「と言うことで、審査員4名と会場前列にいらっしゃいますプロダクションスカウトの皆さんの紹介でした。」


司会のマイケル寺岡のコメントの後

審査員席の

如月英治、坂本あけみ、有名作曲家の小村鉄馬、グラビア雑誌編集長のジャーニィ坂野が一礼


「マイケルさん今回も多数の取材陣が押し寄せて、このコンテストの注目度がうかがえますね」


「そうですね、正に会場は熱気でムンムン状態です!!」



「そのムンムンは会場だけじゃあーりませんよぉマイケルさん!! 色気と美貌でムンムン状態のキラリン美少女候補生がこれから登場しちゃいますからねぇ」


「とうとう登場しちゃうんですねぇぇ」



「それでは行きましょうぉ! キラリン美少女候補生による、ファースト★アピールタイムです!!」


派手な音楽とともに会場にカクテル光線が当てられ、右袖から女性達が入場


すると、会場は拍手と歓声につつまれた。


入場してきたキラリン美少女候補生は6名


それぞれファートアピールということで、柔道着やレオタードなど特徴ある衣装を身に着けての入場だ。




最後の6名目が入場すると会場の歓声がどよめきに変わる


最後の一人が顔に覆面をつけて入場して来たからだ。


審査員の4名も驚きをかくせない模様


「おいおいっ、顔見なくて審査できんのかよぉ・・」審査員席の如月英治が不満を漏らし、呆れ顔で席で天を仰ぐ。



観客席両サイドに陣取ったマスコミだけが、意気揚々とカメラのシャッターをきっていく。



「こっ今回は、イロイロな趣向の方がいらっしゃって楽しみですねぇ」司会の中島富美が笑顔を作り場を盛り上げる。


「はいっ、それではエントリーNo,1番 品川翔子さんの3分間アピールタイム お願いします!!」


『エントリーNo,1番 品川翔子ぉ 瓦十枚割りします オスッ!!』


柔道着を着たエントリーNo,1番の女性からファーストアピールを開始していくが

No,6の女性に気をとられているのか会場はザワついたままだ。


覆面の女性は、タイガーのマスクなのかビミョーなトラか猫の様な模様


上半身は戦隊者の衣装の様な、プロテクターをデフォルメしたものを装着し


下半身はミニスカートに黒のだぶだぶのジャージとブーツ

不恰好の上に体のラインも顔も見えず、異様な雰囲気をかもし出している。




そんな状態のままエントリーNo,5までアピールタイムの順番がまわる。


『エントリーNo,5番 清原麗華 アメリカでボイストレーニングを積んできた経験を生かし、ゴスベルを歌います!!』


聖歌隊の衣装を着た清原麗華が歌いだすと会場のザワつきが消え、みんなが歌声に注目


丁寧に手入れされた栗色のショートヘアーに大きな目

浅く焼けた肌は健康美をアピール。


厚めの唇からは、重厚でキレイな歌声が響きでる。



そんな最中

前列のスカウト席にエムベックスの会長、水上健一が遅れて着席


先に来ていた社長(水上里香)に耳打ちしている、清原麗華を獲得候補に入れたのだろうか?



「はいっ、清原麗華さんのファーストアピールでした。」


「それでは、エントリーNo,6番 鈴原藍さんの3分間アピールタイム お願いします!!」


「・・・・・・・・・・・・。」



「鈴原藍さぁぁん、お願いします!!」


( ヤバ! この格好で立ってるダケでいいって慎也さん言ってたのに・・・・)



異様な格好で立っている人物の中身は、もちろん拓都

その拓都は、ファーストアピールすることなど聞いているワケが無かった。



「鈴原藍さん聞こえてますかぁぁ?!」


(聞こえてますけど、喋ったら男ってバレるし本気でピーーーンチッ!!)



「鈴原さぁ・・・・・・・・・」司会のマイケルがそこまで言うと

鈴原に化けている拓都が突然倒れこんだ。



【ドタン!!】



「 ! 」司会の2人、審査員の4名、会場のみんなが驚いて立ち上がっる。




「うぅぅ・・・・ウララウララ、ララウウラー」拓都からは呻き声にもにた声が



「もしかして、川崎君なのか・・・」と前列の左端に、社長からスカウトを任命されてきている長谷川修


審査員席の坂本あけみも気がついたのか困惑しながら前列のスカウト席にいる長谷川を見つめる。


そして呻き声をあげていたエントリーNo,6は立ち上がり、先日話題になった宇宙人

【チューコッタ】の踊りを踊りだした。


『おおおぉぉぉー!!』会場の観客はタイムリーなネタに歓声がおこる。。




「凄い!! 完璧な振り付けだぞぉ」マスコミブースに来ていたスッポンの梨木の口から言葉がもれる。


「完璧と言うより、そのものですよねぇ〜彼女の踊り」隣にいる見習いの大柳が言葉をかえす。


「うぅん・・・臭うな・・・」そう言いながら、梨木が考え込む様に右手を口にあてる。


「そんな臭いますか、さっき食べた餃子ぁ」自分で口臭を確認しながら大柳


「バカッ、その臭いじゃないよぉ! クダラナイこと言ってないでスタジオの裏に回るぞぉ」

2人はコソコソとスタジオの裏手に向かった。



6名の美少女候補生のファーストアピールが終了すると、美少女候補生たちは

一旦裏の控え室に引っ込んだ。



『ナカナカ個性派揃いのアピールタイムでしたが、いかがでしたでしょうか?』


『それも全員ボディーもフェイスも一級品!!』



『おっとぉ約1名は謎めいた候補生がいましたね(^0^)』



司会のナカジーとマイケルのコメントの後、審査員からの第一印象が告げられる。


最初に口を開いたのは、グラビア雑誌編集長のジャーニィ坂野

「イヤハヤ、ただスタイルがイイ時代は終わったんだねぇコレ」


『と言いますと具体的にどう言うことですか? 坂野さん』マイケルが聞く



「んーズバリ!!エントリーNo,1の品川翔子さんなんですよぉコレ。 

彼女の均整のとれたボディに時おり見れる筋肉の盛り上がり、そして柔道着の間からチラチラと垣間見るムネのふ・く・ら・み。 ズバリ パーフェクトォ」


『おっとぉ一発目からジャーニィ坂野さんの最高評価 パーフェクトがでてしまいましたぁぁぁ!!』



「坂野さんは相変わらずですなぁ〜」横から口を挟んだのは有名作曲家の小村鉄馬


「相変わらずとは失敬なっ」ムッとした顔で横の小村鉄馬を睨むジャーニィ坂野



「みてくれも大切でしょうが、やはり個性でしょう」呆れ顔で小村鉄馬がコメント


『と言いますとNo,6の覆面の娘なんかはカナリ個性的でしたが・・・?』

マイケルが聞き返す。



「いやいや、No,5の清原麗華ですよ。聴いたでしょアノ 歌唱力」


『ええっ確かに引き込まれる何かがありますね彼女の声には』



「そっ清原くんの歌声は、ボクの創造力をかきたてるのだよ〜正にプレミアムボイス!!」


『これまたファーストアピールから小村さんも高評価ですぅ!!』




「あのねぇ〜 2人の高評価は俺でもわかるんだよっ、No,6の娘はなんなんだい? あんな格好でのアピール許されんのかよ? スタイルも歌声も評価できやしない!!」

如月英治が司会の2人にコメント


すると、司会の中島富美が冷静に答える。


『ファースト・アピールは何をしても良い審査ルールなんです。』


「じゃ俺の判断で審査していいんだなっ」


『もちろんです、その為に色々な業界の方が審査員に来ていただいているんですから・・・』


渋々納得したと言う風に腕組みして黙り込む如月英治


前回の事件の件もあり、これ以上 事を荒立てても利益が無いと踏んだようだ。





『女性の視点から見て、6名の最初のイメージは如何だったでしょうか? 坂本あけみさん』

少し考え込む仕草を見せながらも、的確にそして冷静に答える坂本あけみ


「そうですね、今回の候補生はそれぞれ個性があって今までの審査基準じゃ計れないレベルだと思います。」


『と言いますと、現段階では審査の格差は無いとおっしゃるワケですか?』



「・・・・個人的には格差は無いワケでもないのですが、まだ審査発言が出来るレベルではないとぉ・・・・・・。」


『なるほどっ 個性的な候補生だからこそ、トータル的な審査考慮が必要と言うことなんですね』マイケルに代わってナカジーこと中島富美が答える。



「さすが中島さん、察しがはやいですね・・・・」坂本が答えると間髪入れずにマイケル寺岡


『あいたたぁぁ〜察しの悪いのはワタクシだけでしたね(笑)』



それを遮るかの様に喋りだす中島富美

『それでは10分かの休憩を挟んでセカンドアピールタイムです!!』


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控え室から少し離れたトイレに拓都とゴットシン

「ちょっとぉ慎也さん、立ってるだけじゃダメだったじゃないですか?」


「ゴメンでござる拓都殿」



「ゴメンじゃないですよぉ、バレたら代わりに出た意味ないじゃない」


「ムフフフ」不気味な笑みを浮かべるゴットシン



「たまたまチューコッタ踊りを思い出したからいいものの・・・・・」

口を尖らせる拓都


「拓都殿は追い込まれると切り抜けるパワーを持っているのですヨンサマ」




「もー裕子さんみたいに変な事言わないでくださいよ」


「最初は誰でも自分のパワーを信じたくないもんザンス」



「ところで、正徳と鈴原はまだ着てないよね」トイレから顔を出して辺りをうかがう拓都


「その様ですなぁ・・このままですとセカンドアピールも拓都殿が必要ヨン」



「必要ヨンってぇ慎也さん(怒)」



拓都はそう言うと、間髪入れずに正徳に電話


【プルルルッ・・ピッ】



『はいっ毎度おなじみバイク便の正徳』


「何でそんなに元気なんだよぉお前は」




『どうした? テンション低いなぁ拓都ぉ』


「当たり前だろっ鈴原の代わりに審査に出されてみろっ」



『それは滅多にできない経験だなっ、それで高ポイント取れたか?』


「高ポイントってっオイッ!! バレなかったのか?とか大変だったなっ?とか言えないワケ」



『でも結局は上手く行ったんだろ』


「何だよっお前まで当然みたいに言っちゃって」



【間もなくセカンドアピールタイムです、美少女候補生は水着に着替えて出場準備を整えてくだい。】控えフロアのスピーカーからアナウンスがながれる。



「おい正徳っ!! まだ着かないのかよぉ、次の審査が始まっちゃうぞぉ」


『後10分ぐらいだっガンバレ拓都ぉ』



【ピッ】



正徳が言い終ると携帯の通話が切れる。



「10分ってビミョウな到着時間・・・・・・」


「拓都殿っセカンドアピールの入場時間ですかっちょ」



「ですかっちょってぇ水着審査なんでしょ?! 無理ですよぉ〜」


「このままの服装でイイんです」ゴットシンの口元にまた笑みがこぼれる。




トイレから拓都は引っ張り出され会場へ


会場に次々と入っていく候補生は全員水着



(何だよっ何だよっ、やっぱりみんな水着じゃん)



審査会場に入るのを止めようと歩みを止めると、後ろからゴットが背中を突っつく



〔ちょっと慎也さん・・こんなんで出たら今度こそアウトですよぉ・・〕



するとゴットシンは右手の親指を立ててグットラックッのポーズ



会場に無理やり押し込まれた拓都

全員会場に入り、水着審査のセカンドアピールが開始される。


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