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ラブソング2

【再会の巻】



神奈川県の幸区にある拓都の自宅



その2階建ての民家前に黒塗りのベンツが駐車中




「雰囲気が変わっていたんで全然気がつきませんでしたわ」


「ハハハッ、お恥ずかしいかぎりです。」




「ねぇ森田さん 拓都の怪我も完治したことですし、そう何度も足を運んで頂かなくても大丈夫ですから」


「いえっお母さん、拓都君の大学推薦が取り消しになったと聞きました、本当なんですか?」




「ええぇ、受験に備えて今日も補習授業に行ってます。」


「そうですか・・・本当にスマナイ事をしてしまいました。」




「そんなぁ頭を上げて下さい、拓都もよく確認しないで道路を横断したみたいですし、しかたありませんよ」


「いや、そんな事は・・もし宜しければ私の会社に来てもらうことも考えておりますので、何時でもおっしゃってください。」




「何から何までご丁寧に」





【ガラガラッ】




「ただいまぁ〜」


「あら拓都ぉお帰りなさい」


「こんばんは拓都くん」




「アノ車 やっぱり あんたか・・・」


「こら拓都ぉ、ちゃんと挨拶しなさい!!」


「良いんですよお母さん」




「ふんっ」


茶の間を横切って2階に上がろうとする拓都




「おっギター使ってくれているんだね」


「あっ これは・・・・」


壊れたギターを隠そうとするが見られてしまう。




「随分派手にやったなぁ〜」


「わざと壊したワケじゃないからなっ!!」




「どれどれ」そう言って拓都からギターを取り上げるベンツのおやじ


「あっ」




「んぅぅ〜何とかなりそうかな・・・・・・・」


「・・・壊して・・・悪かった・・・・・・・」




「すぐ直して届けるよ」


「直せるの?」




「3日くれないかい」


「3日ですか・・・明日まで何とかなりませんか?」




「明日は厳しいなぁ〜使う予定でもあるのかなっ?」


「いえ別に・・・そうですか、明日は無理ですよね・・・・」




「うむ・・・わかった 明日の午後までに何とかするよ、演奏場所は何処?」


「いえっやっぱりイイです・・壊したままで申し訳ないけど それ返します。」




「これはもうキミのギターだよっ、このギターだってそう思っているハズだよ」


「ふんっ!!」【ダッタッタッタ】拓都は2階に上がってしまう。




「すいません森田さん、せっかくの好意を・・・困った子ね・・・。」


「そんな事ないですよ お母さん、すべて私が悪いんですから」




拓都は、、ベンツのおやじが帰ったのを見計らって駅に向かう

正徳と病院に向かう為だ。






--------------------------------------------------------------------------------




神谷医院




【ダッタタタッ】自動ドアが開くと肌の露出が激しい服装の女性が飛び込んでくる。



「長谷川っ 愛の病室は何処?」


「おおっ紀ちゃん、もう種子島から戻ってきたのかい?」




「当たり前じゃない!! あんたに任せてたら、また独占番組やらされるかもしれないじゃないのぉ」


「これは手厳しいなぁ〜」頭を掻きながら答える長谷川修




「早く案内しなさいよぉ」


「わかったよぉ 安静中なんだから病室で騒ぐなよ」




【カシャカシャ!!】




柱の影から藤原紀子の胸元を望遠レンズで激写する男


「ウキッキッ 生で見る藤原紀子 イイですなぁ〜」


「慎也さんっ覗き見は駄目ですよぉ」




「おりっ裕子リン、本日はお早いご出勤じゃないぃ?」


「裕子リンんてのは止めてもらえますぅ慎也さん(笑)」




そう言われたゴットシンこと神谷慎也は、今来た藤原紀子と看護師の藤川裕子を見比べる。


(藤原紀子に藤川裕子・・・2人の共通点は苗字の【藤】と名前の【子】、藤と子でフジコ

そして如月英治・・・実に興味深いですなぁ)




「そんなところで何コソコソやってるんですか?」




「オワッチョ!!」ずり落ちた眼鏡を直しながら振り向くゴットシン




やって来たのは拓都と正徳


「何だ 同志たちではないかぁ」


そう言って正徳だけ握手するゴットシン

呆れたというリアクションをとりたかったが、今日はゴットシンの隣に藤川裕子さんがいる。

僕は藤川裕子さんとアノ晩以来の再会




「やっと会えたわね拓都くん」


「久しぶりです裕子さん」




「少し見ないうちに、何だか大人っぽくなったんじゃない?」


「そっそうですか? 裕子さんの方こそ痩せましたか?」




「これでも体重増やしたほうなのよ、拓都君の話を聞くまで食べられなくなっちゃってぇ」


「僕の話を聞くまで・・・?」




「そうよぉ星野さんが教えに来てくれたの、拓都君がアイツをぶん殴ってくれたってね」


「あぁその話、星野さんに聞きました。」




「お陰で元気が出たし、アイツの事も何だか吹っ切れちゃったわ。」


「・・・・・どうしてあの晩、僕の病室に来たんですか?」




「うふっ、拓都君の病室に行ったのは、お別れする為だったんだけど」


「お別れ・・・・・あの時にはもう、決心して(自殺を)いたんですね。」




「そうね決心していたと思うわ、でもね 拓都君にキスをしたときに、ホントに気持ちが揺らいだのよぉ」


「あんなヤツの為に、信じられません」




「好きになると周りが見えなくなっちゃうものなのよ、本当にバカだったわ」


「もうあんなことしないでください。」




「もう大丈夫よ、あなたに教えてもらったから」


「僕は教える様な事なんか、何もしてないですよ」




「うぅうぅんっ、十分過ぎるくらいしてもらったわ」


「十分過ぎるくらいって・・・・・・・・・・・。」




「謙遜なんかしなくてイイわよっ、昨晩のTVでも星野さんだって助けちゃったんだし」


「そんな事ないです、あれは慎也さんが・・・」




「婦長さんも慎也さんも拓都くんが巻き込んだのよっ、あなたが居なかったら成功しなかったわ」


「考え過ぎですよ裕子さん」




「拓都くんには、人を助ける不思議なパワーがあるのかもね」


「・・・・・・。」眉間にシワを寄せて困った顔の拓都




「ぶはっ(笑) 何神妙な顔してんのよぉ拓都くん。」


「僕にそんなパワーなんてある訳ないと思うんですけどぉ」




「たとえよっ(笑) さっ、そんな顔してないで  さっ星野さんところに行きましょう!!」   




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