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最弱魔導士は魔法語が話せるので最強です  作者: スティ
塔の町タワトン
19/20

魔導師は質問する

 

「「シャル(ちゃん)つっよ」」


シャルは悪魔魔法と漆黒魔法の2つを持っているのか。多分悪魔召喚が悪魔魔法で黒槍は漆黒魔法かな


 悪魔召喚は分かるが、黒槍とかも〈悪魔魔法〉に入るのか、それに、普通はスキルの下に使える魔法が表示されてるはずだが魔法名の1つもステータスカードには表示されてない


 ゲーム内では魔法の名前が公開されてなく〈漆黒魔法〉とか噂されてたが、予想通りそうだった。それにシャルの職業は「悪魔王」だ、ステータスの補正はゲーム内随一で全てのステータスに1.8倍の補正がかかる化けものみたいな職業だ



あれっ?でもシャルのステータスがレベル1080にしては弱すぎる、ベルセルクオンラインにはレベルに5をかけた基礎ステータスに職業や装備、スキルによるバフ、デバフなどの能力で変化する。

しかしシャルのレベルが1080なのに基礎ステータスが1080だ。つまりシャルの全ステータスが80%ダウンしてるデバフでもかかってるのか?



「シャル、ひとつ聞いていいか?シャルのステータスがレベルと釣り合ってないんだが何か心当たりはないか?」



「あるの、ずっと前、200年くらい前から悪魔族は能力の一部を封じられて、悪魔城に閉じ込められてるの、ユータに召喚された目的はユータに興味があったのもだけど、悪魔族のみんなを封印から解くためなの。本当ならもっと力を出せるのに……」



「分かったシャル、俺も悪魔族を救うのに協力する!」



うーん、やっぱりゲームと所々設定が違ってるな、ゲームではシャルを封印できる程の力をもつキャラクターをもつ者はいないし、悪魔族を封印するとは警戒する必要があるな。シャルを助けたいのは単純にシャルの家族を救いたいってのもあるしシャルが本来の力を取り戻したら百人力いや千人力だ。



「ユータ、ありがとうなの」





「そういえばミーアはスキルポイントはどうしてるんだ」


「あ、レベルが急に上がったから忘れてた、1ポイントも使ってないから102ポイントもあるよ」


ベルセルクオンラインのスキルのシステムはレベルが上がると1貰えるスキルポイントを各属性に10ポイント振るとスキルレベルが上がり、使える魔法が1つ増えるシステムだ



「ならよかった、ひとつのパーティに主に遠距離でしか攻撃できない魔導師は2人も要らないと思うんだ。俺は《魔法語自動翻訳》持っていて魔導師の強みが生かせるけど、ミーアはまだ10倍や100倍の詠唱しか使えないだろ


だから俺の勧めるその10倍や100倍の詠唱の実力が最大限発揮出来る職業になってくれると、このパーティーにとって大きな利益となるんだが……どうだ、ミーアやってくるれか?」


「うん、わかった、ユータさんはこの世界についてなんだかとても詳しいし、ユータさんに着いていけばもっと強くなれる気がするの。これからもよろしくね、ユータさんはスキルポイントどうするの?」


ミーアがはにかみながらこちらに話しかけてくる。こんなにもミーアが信頼してくれるのだから俺もそれに答えないといけないな


シャルさんは封印さえ解ければ最強だし、俺もチートスキルを持ってるし、ミーアにも強くなってもらって、3人であの最難関ダンジョンにも挑みたいなぁ。あそこには……


「俺は当然魔導師スキルに全振りしたよ、炎、水、風、土、光、闇、あと魔法語自動翻訳も」


時空魔法にも振ろうと思ったが1つレベルをあげるのに50ポイントも必要で、上げたところで時空魔法レベル2の魔法は実戦向きじゃないので、今はとりあえず基本的な属性をあげることにした。


魔法語自動翻訳も時空魔法と同じく50ポイント必要だったが、チートスキルなので実験的にあげることにした。そして予想通り強力な能力を手に入れることが出来た。


一瞬、魔法語自動翻訳のみを3レベル上げることも考えたが魔導師は魔法を撃たなきゃ始まらない。幾ら優れた侍でも刀がなまくらでは、侍の実力も発揮出来ない。そう考えて、魔法語自動翻訳のレベルは1上げるだけで留めた。


「そういえば、さっきから言ってる《魔法語自動翻訳》ってなんなの、私だけ話に置いてかれてる気がするの」


「シャルは俺のスキルについて知なかったよな、俺の《魔法語自動翻訳》スキルはな───」


「そんなスキルがあるの!?やっぱり召喚先にユータを選んでせいかいだったの。そんなスキルがあったら、どんな敵でも倒せると思うの!」


シャルが冷淡そうな雰囲気に合わず、興奮しながら伝えてくる。俺もそう思う。我ながらチートスキルだ


「シャルは俺の特殊な詠唱は使えないのか?」


「うん、多分私の悪魔魔法は詠唱が必要ないから使えないの」


そうか、詠唱がないのが客に仇となってしまったか




「日没までまだ時間があるし、もう1つくらいクエストを受けてもいいか?」


 俺たちは早急にランクを上げなければならないし、1000万zの方の問題にはまだ手もつけてない。

ゴブリンキングの素材は合計で100万zくらいにはなったが、参加費にはまだまだ足りないし、全財産を参加費で支払うわけにもいかないので貯金も必要だ。ゲームの装備品にひとつ1億を超える強力なアイテムもあるし、貯金はあるに超したことない


「お、これはラッキーだ」


 受付がクエスト依頼書を貼っている様子をチラ見すると、こんなクエストが依頼されてた


 —————————————


 ★★


 スライミースライムの討伐



 場所:カルスト洞窟


 報酬

 10万z


 —————————————


 俺は貼られたばかりの依頼書を剥がして、手に取る



「ミーア、シャルこのクエストを受けるぞ」



 2人とも不思議そうな顔をしてる。そりゃそうだ。さっきまで星6のクエストを受けていて、赤ランクになったばかりなのに急に星2のクエストを受けると言っているだ



「なんでそんな星の少ないクエストを受けるの?」


「そうだよシャルちゃんの言う通り、星2なんて意味がないじゃん」



 そう、意味がないのだ。俺たち赤ランクは星が3つ以上のクエストしか星が加算されないし、報酬金も美味くない。星がランクに反映されるのは、白ランクは星1つから、黄ランクは星2からと言うふうに一つづつ増えていく。しかしこのクエスト、というかこのモンスターには星とは別の旨みがあるのだ



「まあまあ、騙されたと思ってついて来てくれよ、申し訳ないがシャルにはそこまで関係がないが……」


「ユータさんが言うならついてくけど…」


「ユータなら面白いことするんでしょ、もちろんついてくの、私に関係ないとしたら、レベル上げ……とか?」


 シャルが意外と乗り気でよかった、このクエストはシャルにとってはあまり意味のないものだからな


「おお、シャルいい線いってるぞ。正解発表は洞窟に着いてからだ、早速行こうか」




 依頼書に書いて合った洞窟の場所はゲームでもよく俺がスライミースライムを狩りに来た懐かしの洞窟だった。中に入ると、入り口の小ささからは想像できないくらい広い空間がそこにはあった。山が噴火し溶岩が流れた後にできた洞窟だからこんなに天井が高いのか


 足場は全力疾走できるほど良くはないが、転ばずに小走りができるほどだ、この洞窟は通路とフロアの二つのパーツに分けられていて、今俺たちが歩いてるのは通路の方だ。この世界の洞窟はなぜか光るコケで覆われていて洞窟を照らすためのランプや「ライト」などの魔法は必要ない。歩いてると、奥の方に広い空間が見えてきた。


「ほら、あそこにスライミースライムがいるかもしれないぞ、言い忘れてたがスライミースライムはレアモンスターなんだ。見つけるのに時間がかかるかもしれない」


「さっきからずっと思ってたけどそのスライムの名前なんか変じゃない?」


 ミーアが聞いてくるが俺も最初はそう思った、しかし名前には理由があってつけられるものだ


「名前の由来は単純だ俺たちが今探してるスライムは、切断系の魔法で攻撃した時だけ元の大きさを保ったまま二つに分裂するんだ」


「へー、面白いモンスターだね、シャルちゃん知ってた?」


「知らないの、私は悪魔城から一歩も出たことなかったから、外の世界を見る方法は召喚の杖を通して見るしかないの」


ああ、そうだったな、シャルは悪魔城から出たことないという設定を思い出した。それに今まで閉じ込められていたんだっけ。話していると見えていた空間に出た


「これは、すごいな……」


 光るコケが360度プラネタリウムみたいに拡散しているのは感動したがこれはそれとは別の驚きの声だ。なぜか100匹ほどのスライムの群れがそこにいた、少しは賢い頭脳を持ってるのか、この洞窟に迷い込んだ猪を連携か何かはわからないが交代で体当たりをして攻撃をしてる


 スライム言えども魔物ではあるので1匹の動物が100匹ほどのスライムに立ち向かうのは無謀だったのか、猪は地面に倒れ、死んだ



「俺はスライムのリンチを見にきたわけじゃない、俺はスライミースライムを探しにきたんだった」


 スライムが集団行動をして狩りをするところなんて初めて見たから3人で見入ってしまった



「全ての敵に、1倍」


「ウィンドカッター」



 空中から全てのスライムに向かって風の刃が飛んでいく。スライムは初心者御用達のモンスターでもあり、ゴブリンより弱いので一撃で倒せる。青い塊は水のように地面に溶け込み消えていった。スライムを貫通して、地面に刃が刺さったせいで出た砂埃が晴れていく。そこには2匹のピンク色をしたスライムが飛び跳ねていた

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