家に帰ろう。02
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温泉パイプラインは森を通らなければいけないので深さ50mとかなり深い場所に作っているのだが、とてもスムースに地中の確認も配管作成も出来るのでほぼ移動速度とおなじ速さで建設を行っていた。さすがにサンローゼ領まで2日もかかるので途中で温泉の温度が下がらないように配管も二重構造にして空気の層を作り断熱対策を施した。
途中魔物との遭遇もなく天気も良かったので、カインの地球時代の話で盛り上がりつつ通常よりも早くマウントバック砦に到着したのだった。
バルビッシュ達が興味を持ったのは、食べ物やお酒などと【魔道具】と言ってよい電化製品だった。地球時代の話を聞いてカインが数々作ってきた不思議な物はここから来ていたのだとバルビッシュは理解し納得をしていた。それでも、今後も我々に相談してから作るようにと念を押されたのは言うまでもない。
「ようこそマウントバック砦に、お帰りなさいませ。カイン様」
「うん、ただいま」
カイン達がマウントバック砦の入り口に到着すると門番がにこやかに迎え入れてくれた。そして、「ハーバー隊長が相談したい事があるので戻られたら伺いたい」と言う伝言を受け取ったので、宿に向かう前に用事を片付けてしまおうと兵舎の方に直接向かった。カインの方からも話があったので丁度良かったと思うのであった。
「お帰りなさいませ、カイン様。予定の日を過ぎてもお戻りなられないので明日まで待って戻られない場合、明後日出発で捜索隊を出すつもりでした。無事にお戻りになられて本当に良かった」
「ハーバー隊長、それで僕にご用とは?」
「はい、先日の不埒者の件です。ダブリ殿に無事に引き取りをお願いしました所、新代官様からお礼状を頂きました。その中に不埒者の襲撃を未然に防いだ カイン様にお礼をしたいのでマウントバック砦にいらしたらぜひお越しいただきたいと記載がありまして、こちらがカイン様宛のお手紙です。
…新代官様はベンジャミン様でしたよね?」
ハーバー隊長から告げられたお願いと言う名のベンジャミンからの召喚状にカインは笑顔を張り付けながら心の中で叫び声をあげていた。たっぷりと10秒ほど時間をかけて務めてゆっくりと言葉を吐き出す。
「ハーバー隊長、僕達は温泉地探索からまだ戻ったばかりで父上にもシールズ辺境伯へも探索の結果をご報告しなければなりません。新代官様からのせっかくのご招待ですが、誠に残念ですが次の機会にお伺いする事にします」
カインはなるべく丁寧にいけない事を伝えた、ハーバーは「そうですか」となぜか残念そうであった。この話はなるべく早く切り替えた方が良いとカインは考えハーバーにマウントバック砦内に温泉を引くことを説明し始める。最初は感心しながら聞いていたが、すでに外壁の外まで配管を引いてきていると知り表情が青ざめてくるのだった。
「お話は分かりましたが、まずは浴場を建設しなければなりませんから大工の手配など少々お時間がかかるかと思います」
「ああ、それなら大丈夫です。大体の部分は僕の方で作るので、窓枠や扉などを後から発注して貰えれば良いと思います。
まず、ここまででお湯の温度が何度くらいまで下がっているかを確認したいので給水タンクを作りたいのですが良いですか?」
「あっ、はい。弊社の裏の開いているところであれば大丈夫ですが…」
「ありがとうございます、早速作ってきますね」
「……えっ?」
ハーバーがカインの話を理解しようと少し考え事をしている間にカインはいつの間にか居なくなっていた。先ほどまで目の前で話をしていたカインを探すように部屋の中や廊下の様子を見たがすでに姿が無く「まさかね」と考えていると、弊社の裏側から歓声が上がるのであった。ハーバーが急いで弊社の裏側に移動すると今朝までなかった大人が5人は手をつながないと一周できない程の太い円柱の構造物がそそり立っていたのだった。
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