温泉地発見。13
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カインは吹き飛ばされて貫かれるサーシャの姿をコマ回しの映像を見ているしかなかった、そしてゆっくりと落ちて行くサーシャの姿が地面に打ち付けられたと思った所でサーシャの姿が掻き消えた。
「おいおいおい、獣人の娘よ。戦いに割り込むとはずいぶん無粋な真似をするねぇ、ちょっといや、大分頭に来たかな」
「その程度でお怒りになられるとは、悪魔と言う高位な存在のくせに小さい事」
カインが声が聞えた左前方を見るとサーシャを抱えたララがそこに座っていた。そしてすぐにカインの元に移動しサーシャの回復を指示する。カインはバルビッシュ達の回復もしていなかった事に気付き急いで三人分の魔力マシマシの【ハイヒール】で怪我を癒した。
「なんだぁ、ただのメイドかと思っていたら中々の実力者じゃねぇか?今度もお前さんが相手かい、さっき俺の動きを止めたのは【影縫い】か?」
「さあ、どうでしょうか?乙女の秘密を探るなんて三下以下の所業ですよルージュ様?」
ララはルージュの安い挑発には乗らずにいつもとは異なる妖艶な笑みを浮かべて逆に挑発し返していた。カインは三人を回復しつつ『ララさん、あまり挑発しちゃダメだー』と心の中で叫びつつ次の一手について思考を巡らす。
「ルージュ様、実力の五割まで出して大分楽しまれたのではないですか?私達のような下等生物見逃すに値するほどに」
「ほう、面白い事を言うな獣人の娘。確かに久々にまともな戦闘をしてそれなりには楽しんだが…お前達を見逃す事はできないなぁ」
「そうですか、それは残念です。ただ聡明なルージュ様であればご存知でしょう?下等生物の人間でもかの上位生物であるドラゴンを一撃で倒すことがあるという事を」
戦闘中の張りつめた空気の中、ララはまるで商売の値段交渉をしているかのように冷静で淡々と言葉を発しルージュと交渉戦を行っていた。さもすればルージュが逆上してしまいそうな挑発をしたかと思えば、怒りをたしなめる様な言葉を発しルージュの怒りを押さえていた。
「ああ、もちろん知っているさ。だがあればドラゴンが持つ最弱部位の逆鱗を一撃で砕ける実力を持っていないと出来ない芸当。まず俺にはドラゴンの様な弱点は無いし、お前達に俺を一撃で倒すような技もない。だからその様な可能性は小指の先ほども無いんだよ、時間稼ぎもそろそろ良いだろう?これ以上長話をしていると折角温まった身体が冷えちまうぜ」
ルージュはそう言うと再びバルビッシュ達の方に視線を移す、カインの回復魔法のおかげで怪我と体力を回復させたバルビッシュ、ガーディ、サーシャがゆっくりと立ち上がった所だった。三人とも心が砕けて自暴自棄になってもしょうがない状況であったが、その瞳には何としてでもカインを守ると言う使命の炎を宿していた。
「よし、今度は三人一緒にかかって来いっ!」
ルージュの号令と共にバルビッシュ達は再びスキルを発動させて戦いを再開した。バルビッシュ達がルージュの魔法障壁を破り、その隙にガーディとサーシャが本体にダメージを与える作戦を取る。しかし直ぐにルージュもその戦法に対応し魔法障壁を両腕と両足に集中させて攻撃を全て受ける作戦に切り替えていた。
だが、流石に五対一の攻防ではバルビッシュ達の方に少しだけ有利で少しづつだがルージュに有効打を与えつつあった。しかしルージュには無限とも思われる回復能力があり、多少腕や足が欠損しても直ぐに修復してしまい。段々と体力が減ってきているバルビッシュ達の動きが悪くなってきているのがカインにも分かった。
「ララ、さっきルージュの動きを止めた方法で五秒間あいつを止める事は出来る?」
カインは実戦ではほぼ試していない方法を試すためにララに協力を願い出るのであった。
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