温泉地発見。02
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体力を回復したカイン達はもう少しこの温泉地の調査をする為、少し大変だったがお湯だまりをひとつづつ【解析の眼鏡】で確認をしたが最初の二つ以外は普通の温泉で、お湯に浸かると血行が良くなるや肌がつるつるになるなどカイン的には普通の効用の温泉ばかりだった。
「あっ、まず…」
カインがふと温泉の端の方にあった泥を奥の温泉を確認しようとして誤って確認した所、問題になりそうな、闘争が起きそうな効果がある泥を見つけてしまう。そのまま無視をすればよかったのだが思わず声が出てしまった。
「どうされましたか、カイン様?」
「ううん?えっ別にただのど、泥だったよ。うん、ただの泥?」
カインの異変にいち早く気付いたララがカインにそっと近づき質問をした。カインは意に反して挙動不審の答えをしてしまった。カインの異変にララは「そうですか」とにっこり微笑みながらカインが掛けていた【解析の眼鏡】をとり自身で掛け【解析】と言った。
「まぁ、これはとても素敵な泥じゃないですか?どうしてただの泥何て言ったのでしょうか?」
「い、いや。効能がヤバすぎてこれは駄目でしょう?絶対に争いに、いや血みどろの戦いに発展するよっ!」
「そんな事にはなりませんよ、カ・イ・ン・さ・まが口をつむんで頂いている間は。これはリディア様にぜひ持ち帰って他のメイドのお姉さま方にもご使用になって貰わないと、ふふふ、ふふふ」
ララがとてもにこやかに、しかし、目は笑っていない笑顔で呟いていた。カインは心の底から女性に生まれなくて良かったと思うのだった。カインが見つけてしまった泥は、【美容の泥】と言う誰が作ったの?と思うほどの名前と効用を持っていた。
【美容の泥】・・・この泥を肌に直接塗って30分放置後、ぬるめのお湯で流すと不要な角質が取れ肌がつるつるになる。また、シミ、ほくろなど気になる所には少し厚めに塗り1時間ほど放置すると元の何もない肌になる。髪に塗って30分放置後、ぬるめのお湯で洗い流すと傷み、キューティクル不足などを修復、ツヤツヤな髪を2カ月は維持できる。この【美容の泥】に全身で入り1時間ほど使っていると肌年齢が2歳ほど若返る。
『絶対これはここから持ち出しちゃダメな案件だって、さっきの温泉なんてただのお湯にしか思えないよぉーーー。あーーザインさんが女性達にほぼ毎日【転移の杖】で送り迎いをさせられている未来がはっきりみえるしぃーーーー』
カインが恐怖の未来を妄想し身もだえていると周囲を確認していたサーシャがララの変化に気付き駆け寄り、ボソボソと言葉を交わすと「すっごぃっ!」と大きめな声で呟いて自身の口を自分の手で覆っていた。カインは話題を変えようと少し大きめの声で叫んだ。
「ねぇ?ちょっと早いけどお昼ご飯にしない?ご飯を食べてから宿泊所を作るからそれぞれに分かれて温泉に浸かったり、ど、いや浸かったりしない?」
カインの提案にバルビッシュとガーディは少し怪訝な表情をしていたが、ララとサーシャがとても良い笑顔で「「お昼にしましょう」」とハモらせながら言ったので二人は素直に従った。風上の場所を探しカイン達はテーブルと椅子を並べ昼食の準備をする。
本日のメニューはめずらしくミートスパゲッティーだった。中くらいの寸胴にミートソースと和えたスパゲッティーがすでに入っており、木皿に盛り付けて終わりの手軽さだ。夏の日差しが少し強く感じたのでガーディが雨風を避ける為のタープを張りテーブルが影に入るようにしてくれた。
カイン達は目の前に広がる温泉を見ながらミートスパゲッティーをゆっくり食べていた。半分くらい食べ終えた頃に何の気なしにサーシャがポロっと呟く。
「カイン様ってたまに誰も知らない様な事を言われますよね?どこでその様な知識を学ばれたのですか?」
「えっ?そ、それはぁー【勇者様の書】とか【賢者様の書】とかかなぁ?」
「でもぉーそれって少し変なんですよね。文章でしか書いていないのにまるで前に視たかのように、知っていたかのように説明される事がありますよね」
「確かに見た事も聞いた事も無い、料理を作って振る舞ってくれたりな」
「それなら、下水道もそうだろう?あれを作られた時はびっくりしたなぁ」
カインの苦し紛れの誤魔化しに、サーシャ、ガーディ、バルビッシュが以前から不思議に思っていた事を呟いて笑っていた。カインにはその笑い声がとても遠くで話されているかのように小さな声に聞こえた。その反面自分の心臓の音が耳元でドッドッドと鳴り響いたのだった。
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