温泉を探しに行こう。02
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向かう食堂から聞こえてきたまさにテンプレのようなセリフにカインは呆れつつも少しだけワクワクしていた。そして食堂の中にこの騒ぎを収めようとするイケメンの騎士か、曲がった事が大嫌いな縦ロールの髪型をしたお嬢様を探していた。
『あれ?見当たらないぞ?』
「おやめください、私はウェイトレスでお客様と一緒にお酒など飲みません。離してくださいっ」
カインがこの騒ぎを収めようと颯爽と登場するはずの正義のミカタを探しているうちに、テンプレ劇場が次に進んでしまった。
「なぁ~にぃ~?俺達は2日前から此処に滞在している常連だぞぉ?宿屋のくせに常連を大事にしないでどうするよぉああん?」
『あれ?何かあいつ変な事を言っていないか?マウントバック砦はポートトレビスへの単なる通過点でここに滞在しても何も商売的には儲からないと思うのだけど?』
カインは聞こえてきたセリフに違和感を覚え正義のミカタ探しを止めて、違和感のあるセリフを吐いた男を観察し始めた。男はやはり商人とは思えない風体をしており、髪は短くしているがボサボサ、服装はこれまた着古しまでは良いが、何日選択していないのかズボンのすそやシャツの裾が汚れていた。そして極めつけがボサボサに伸ばし放題の髭だ。
その間に男はウェイトレスの女性が逃げれない様に腕をつかんでいた、それでも誰も助けに入らないのでバルビッシュをちらりと見て視線だけで許可を貰ったカインが仲裁に入るのだった。
「はいはいはい、もうその辺でテンプレ劇場はおやめなさいな、ねぇ?ここは旅の疲れを癒す宿屋であり食堂。女性と楽しくお酒を飲みたいのなら、サンローゼ領街に行かれるかポートトレビスまで行かれてから遊ばれてはいかがかな?」
「なんだぁ~ガキのくせに出しゃばって来るんじゃねぇ!」
「いま何とおっしゃられました?僕に向かって”ガキのくせに”とか言われました?」
カインが男が言ったセリフを煽るように聞き返すと、ウェイトレスをつかんでいた男と同じテーブルに座っていた男四人が立ち上がりカインに向かってニヤニヤしながら近づこうとしてくる。カインは男達を蔑む様な表情で見ながら『早くあの言葉を言うんだ』とワクワクしていた。
「てめぇっ!俺達を舐めているとぶっ殺すぞっ!」
「Yesっ!はい、頂きました。ご愁傷さまです、バルさん、ガーさん少々懲らしめてあげなさいっ!」
バルビッシュとガーディは『バルさん?ガーさん?』と思いつつ自分達しかいないので「「はっ」」と短く返事をして男達を制圧する為に前に出た。突然飛び出てきたバルビッシュとガーディを見て一瞬四人の男達は怯んだが、お互いに顔を見合わせてうなずくとバルビッシュ達に殴りかかった。
バルビッシュに狙いを定めた男はドワーフで背の低いバルビッシュを殴るのではなく、サッカーボールキックの様に蹴り上げようと攻撃を仕掛けた、しかしバルビッシュはその攻撃をスッと半歩踏み込んで避け逆に軸足を払い男を転倒させる。
二人目の男はガーディを殴ろうと右の拳をおおきく振りかぶっきたが、振りぬく前にガーディに顎への掌底をくらって脳しんとを起こしその場に崩れた。一瞬にして仲間の二人が倒れたにも関わらず、残りの二人もバルビッシュとガーディを襲う。
バルビッシュは振り下ろされる拳を手を添える様に受けて掴むと体さばきと同時に投げを打ち床にたたきつけた。ガーディは相手が来るのをまたずに一瞬で距離を詰めるとみぞおちにショートアッパーを入れてこれまた一撃でのしてしまった。
「おっ、お前らっ!ちょ、調子に載って何をしやがるっ!この女を殺されたくなかったら大人しくしやがれっ!」
四人の仲間がほぼ一瞬でやられてしまった男は、腕をつかんでいたウェイトレスを後ろから片手で羽交い絞めにして首筋にナイフを当てていた。それを見たカインは『なんて悪手を…ご愁傷さまです』と無意識に男に向かって合掌をする。
カインの行動に男が気を取られた瞬間、男は後ろから股間に物凄い衝撃を受け一瞬にして意識を刈り取られウェイトレスを離し大の字に後ろから倒れた。
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