アーサーの結婚式。11
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カインの視線が自分に戻って来たところでベンジャミンは気持ちを決めた。そして自分のそばに来るように言ってその隣に自分も並んだ。
「カイン、紹介をする。ブリッヂベース騎士爵家二女ペシュケさんだ、先日私と婚約をした。と言ってもまだご両親に挨拶に行っただけだが」
「えぇぇーーー!」
ベンジャミンの爆弾発言にカインは飛び上がるほど吃驚する。いままでイケメンでありながら女性の影が全くと言ってなかったからだ。王立学園在学中は結構な数のお見合いやお茶会の誘いがあったのだが、全て断っていたので一部では女性が苦手なのではないかとの噂が立って、今まで正統派のイケメンだったベンジャミンに見向きもしなかったフの属性を持つ女生徒に絶大な人気を誇ったほどだった。
アリスが入学してからはアリスと良く行動をする所を目撃されていたため、今度は極度のシスコンだと噂されベンジャミンのハートを射止める為にはアリス以上の美少女で強さが無いとダメだと多くのフ属性の女生徒だけではなく、無属性の女生徒達も涙をながしたとか流さなかったとか。
「は、初めましてカインです。ベン兄さま、いえベンジャミンの弟です。よろしくお願いいたします」
カインは直ぐに居住まいを正し、紹介された女性に向かって挨拶をした。そしてペシュケと紹介された女性にとても親近感を感じ戸惑いも感じるのだった。初めてあったはずなのになぜだか以前から知っているかのような感じを感じていた。
『ふむ、やはりカインも同じか。記憶は無いはずなのだが…』
「初めましてカイン様、ペシュケ=ブリッヂベースです。よろしくお願いいたします」
「ペシュケさん、様づけは止めてください、ベン兄さまのご婚約者であれば僕のお姉様じゃないですか。そうだ、ペシュケ姉さまと呼ばせて頂いて良いですか?」
カインが子供らしく少し頭を傾げながら上目づかいでそう言うとペシュケは可愛い笑顔で微笑み「はい、お願いします」と答えたのだった。そんな二人のやり取りを見て安心したのか珍しくベンジャミンが気を抜いているのをカインは気づきちょっとしたいたずらを仕掛ける。
「ベン兄さま?ペシュケ姉さまだとちょっと呼びにくいのです、いつもベン兄さまは何て呼ばれているのですか?」
「うん?いつもはシュシュだが…あっ」
「へぇ~シュシュ。可愛い、僕もシュシュ姉さまと呼ばせてください。シュシュ姉さまっ!」
ベンジャミンは自分の失態を、ペシュケはベンジャミンにしか呼ばれた事のない”シュシュ”という呼び名に対して顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。カインは二人を見て『こういうのを似た者夫婦って言うのかな?』と思いながら兄弟が幸せそうなのを見て心が温かくなるのであった。
カイン達が楽しい時間を過ごしていると再び扉がノックされているのに気付く、すでにララが扉に向かっておりカインに確認しに来るかもと見ているとそのまま扉を開いた。カインは『えっ?』と思ったが入って来た人物を見てすぐさま片膝をついて臣下の礼を取った。
「カイン君、急に来てすまないね。ところで何をしているのかな?」
「…はっ、トーラリオン王太子様 ご無沙汰しております」
「いやいやいや、私はトロン=ページだよ。トロンとしてここにいるのだからすぐに立ち上がってくれないかな?僕達は兄弟弟子だろう?ねぇ、ベンジャミン先生?」
カインはトーラリオン王太子のその説明に今迄の事に全て合点がいった。バルビッシュとガーディがここにいない事、ベンジャミンが時間より早く屋敷に到着している事。すべてトーラリオン王太子の到着が早まったからであった。
「そ、それでは改めて、トロンさんお久しぶりです」
「はい、良く出来ました」
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