アーサーの結婚式。03
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何カ月ぶりかの王都は特に変わった様子もなくカインとしては本当に酷寒期の事が連絡されたのかと思うほどだった。サンローゼ領では領民全員で酷寒期へ向けての準備をしておりまだ1年あるのだが、忙しく色々な準備にいそしんでいるのだった。
シールズ辺境伯の王都屋敷では、周囲の家々とは異なり庭に薪小屋と食糧庫が増設されており備蓄を進めているのが見て取れた。それを見るとちゃんと王都でも酷寒期の事が連絡されているのだという事が分かった。
カインが案内された客室でララに手伝って貰いながらお茶会用の服に着替えていると、シールズ辺境伯王都屋敷の執事の一人がカイン宛の手紙を持ってきた。カインは誰にも王都に来ることを言っていないのに誰からだろうと考えつつも、多分と思いながら手紙の封蝋を確認する。
「やっぱり…それも何故か二通…ララ?僕のナイフを貰えるかな?」
手紙の送り主は案の定、国王陛下と王太子からだった。カインはこの手の手紙はお祖父様が確認すると言っていたはずなのにと思いつつ、ララから受け取ったナイフで封蝋を開けて内容を確認した。そして手紙に書かれていた内容を読み崩れ落ちる様にソファーに座るのだった。
「あ~バルビッシュ?お祖父様に面会のお願いとルークお父さまにもお願い」
「承知しました」
バルビッシュはすでに旅装から着替え終わっていたのか、カインのお願いを聞くと直ぐに部屋を出て行った。カインが力なくソファーに座っているのでララが心配そうに見ていたのでカインはソファーにちゃんと座り直しニッコリと微笑んだ後、手紙の内容をララとガーディに共有した。
国王陛下からは到着したら直ぐに登城する様にとのご要望で、トーラリオン王太子からはアーサーの結婚式にページとして出席するからルークに内密に話をして置いてくれとの事だったと伝えた。内容を聞いた二人は一様に困った表情をしていて主であるカインに「どうしますか?」と問いを投げかけていた。
「どちらも断る事は出来ないから、国王陛下の要望はシールズ辺境伯とトーラリオン王太子のご訪問はルークお父さまにお願いするよ。僕一人じゃどうにもできないからね、ねぇ?この国の最上位にいらっしゃる方々はどうして何もかも急何だろうね?」
ララとガーディはカインの問いを独り言だと思い込み聞き流すのだった。カインも返答が帰って来るとは思っていないので盛大なため息を吐いてソファーにだらしなく寝ころんだのだった。
しばらくするとバルビッシュが戻ってきて15分後くらいにシールズ辺境伯の執務室に来るようにとの伝言を持ち帰って来た。ルークもそっちに向かうとの伝言を受け取り、説明が一度で済むかもとちょっとだけ甘い考えを持ちつつ部屋を出た。
「お祖父様?カインです」
カインはメイドに案内されシールズ辺境伯の執務室の前に到着すると自ら扉をノックして少し大きめな声で「お祖父様」と話しかけた。しばらく執務室の中からは返答がなかったので、再度ノックをしようとした時に入室許可の声が聞えたので「失礼します」と言いながら扉を開き入室した。
「お祖父様、急なお願いにも関わらすお時間を頂きありがとうございます。こちらが国王陛下からのお手紙です。そして、ルークお父さま。こちらがトーラリオン王太子からのお手紙です」
カインは手紙を執務室付きの執事に2通とも渡し、シールズ辺境伯とルークに向かって手紙の指し出し人が誰かを説明した。二人とも嫌そうな表情で執事から手紙を受け取るとゆっくりと手紙の封を開き内容を確認しまるで実の親子の様に同時に天を仰いだのだった。
そしてこれも同時に「「カイン?何をした?」」と声を揃えて呟いたのでカインは思わず吹き出してしまった。
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