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今日から頑張ります。18

何時もお読みいただきありがとうございます。

よろしくお願いいたします。

サンローゼ領より体感で5度ほど温かい気温にカインは少し汗ばむのを覚えながら目の前に広がる、そーばとボロンの草原を感慨深く眺めていた。酷寒期対策としてシールズ辺境伯領街壁の外側を開墾して2カ月ほど離れている間に作物が育っている事に感動していた。


「凄いでしょう?カイン様とサーシャ様のお力によりここまでの作物が育ちました、ソーバは来月、ボロンは2カ月後に収穫になります。サンローゼ領から良い肥料を購入させて頂けまして小麦の生育も例年以上です」


シールズ辺境伯領の耕作地拡大事業の責任者のドートンがカインに作物の状態を少し興奮しながら説明をしていた。ドートンが興奮するのも無理はなく、以前にも耕作地を拡大する為にシールズ辺境伯領では、挑戦をしては土と作物が合わず枯れてしまったり、魔物の被害から守る事が出来ず荒れ地になってしまったりと失敗の歴史があったからだ。


魔物対策にはカインが【土魔法】で柵を作り魔物の侵入を防ぎ、土壌改善としてサンローゼ領からスライムの体液が良く分泌された森の土を運び入れ混ぜたのだ。トドメとして作付けする作物の種にサーシャが【祝福】を掛けて生育を良くする3段構えで対応したのだった。


「本当に凄いです。僕達が力を貸したのは最初だけです、これだけ立派に育つためには日々の世話が手厚かった証拠です。あーまた、皆さんと食事会をしたいですね」


カインはあの楽しい夕食の事を思い出し笑顔でまた会いたいとドートンに語るのだった。カインが耕作地をドートンと回っていると所々で作業している人々が手を止めて深々と頭を下げる。カインも手を振って返し作業を続けるように手ぶりで伝えるのだった。


「しかし、カイン様からご連絡いただいた”カッツオ節”をご連絡いただき取り寄せられたのが大きかったです。ソーバもあのカッツオ節で出汁をとったタレに付けて食べると本当に美味しくて、なぜ作付け量をもう少し増やさなかったと後々後悔しました」


ドートンはそう言うととても大きな声で「わはははぁ」と笑うのだった。その様子を見てドートンみたいな人がいればシールズ辺境伯領も大丈夫だと思うのだった。耕作地をグルっと回り小麦を作付けしている場所に移動してきてカインはびっくりする。


「なっ、何ですかこれは?めちゃくちゃモッサリしちゃってるんですけど!」


カインの目の前には通常の小麦より1.5倍の高さに育ち、分けつも2倍位している様だった。収穫までまだ3,4カ月あるので最終的には大豊作になるのではないかと思われた。


「凄いですよね、我々もびっくりしています。このままいけば例年の2倍、いや2.5倍位の収穫になるのではないかと予測しています。来年も同じく位収穫できれば備蓄倉庫を増やす必要が出てきそうです。嬉しい誤算とはこの事だと皆と話しています」


カインは素直に喜び備蓄倉庫建設を手伝う事をドートンに伝えたのであった。お昼を少し回った時間まで視察したカインはまだ仕事があると言うドートンと街門で別れバルビッシュ達とシールズ辺境伯の屋敷に移動したのであった。


---

カインがシールズ辺境伯の屋敷に戻るといつもの応接室ではなく食堂に案内された。昼食時が終わっている時間なので少し不思議に思いつつ案内のメイドについて行った。案内のメイドが食堂の扉をノックし入室のお伺いをすると中からシールズ辺境伯の入室許可の声が聞えた。


「シールズ辺境伯様、カイン=サンローゼ=シャムロック只今戻りました」


カインは貴族の挨拶をしながら開かれた扉の前で頭を下げて反応を待つ。


「帰還ご苦労、シャムロック卿。早速中に入って報告をしてくれ」「はい」


シールズ辺境伯の入室許可に返事をして頭を下げたまま2歩程食堂の中に入り顔を上げた。見上げた先には満面の笑顔のシールズ辺境伯と辺境伯夫人が待っていた。


「おかえり(なさい)カイン」


「只今戻りました、お祖父(じい)様、お祖母(ばあ)様」


「ふふふっ、リディアから長い間意識が戻らないと連絡があった時は本当に心配しましたよ」


「そうじゃ、もう少し儂らを驚かすのを控える様にするのじゃ」


シールズ辺境伯とアイシャはカインに心配していた事を伝えると、カインの両側からしっかりとカインをハグし、もう一度心配していたと伝える。カインは「ごめんなさい」と返答するのだった。その後、シールズ辺境伯とアイシャの間の席に案内され歓談となった。


食堂には叔父であるウィリアム、伯母であるディアナ、そしてリディアがカインの正面に座っていた。従兄弟のウェスリーは王都のシールズ辺境伯屋敷に行っていて留守にしているとお茶会の後に伝えられた。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

しばらくの間1日2話更新で進んでいきます。

よろしくお願いいたします。

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