エピローグ
何時もお読み頂きありがとうございます。
体調が戻り外出許可が出たカインは、4人の中ではいち早く回復したララとトニーの家を訪れていた。
今回の異変を教えてくれたハナコにお礼のブラッシングを終えて、トニーの家のリビングで特性のホットミルクをご馳走になっていた。
トニーへのお礼は先日王都に行った時に購入していた蜂蜜だ。甘味は貴重な物なので始めは姉のナナに固辞されたが、ホットミルクに入れると美味しいと教えると喜んで受け取ってくれた。
「うめぇー、本当にうめぇー」
「そうでしょう?寒い朝にはこれに限るよ、美味しい!ナナも後で飲んでね」
搾りたての濃厚なハナコのミルクとコスモスの香りが少しする蜂蜜がとても良いマリアージュを奏でていて、体に染み渡っていった。
「カイン…?エスツーだけど結構いっぱいあるけど大丈夫か?魔物の処理をした時に結構分裂したから、まだまだ、まだまだ、沢山あるけど?」
「全く問題ないよ。エスツーの需要はまだまだ増えていくし、魔物の魔石が大量に手に入ったからサンローゼ家は贅沢はできないけど潤っているって言ってたよ」
カインの言葉を聞いてトニーとその後ろで立っている姉のナナが胸を撫でおろす。事実カインが昏睡している間に作られた“雨天用洗濯干し室”の効果は絶大で、メイド長自ら増設の依頼をルークにしていた。
雨の日だけではなく、日照時間の少ないこの冬の間は“雨天用洗濯干し室”で干すと普通に干すよりも早く乾くと大評判らしい。
ホットミルクを飲んだ後、木箱で5つ分のエスツーの受け取りと代金の支払いを行い、サンローゼの屋敷に戻った。
昼食後にリファとのふれあいタイムがあるのでカインは浴場へ向かった。お昼前の時間だが夜勤組の従業員達が数人利用していた。
先に入っていた皆んながカインに遠慮して急いで出ようとしていたので、「一緒に入ろう」と引き止め身体の洗いっこまでした。
カインは湯船に浸かりながら「朝寝、朝酒、朝風呂が大好きで〜」と鼻歌を歌う。そしてふと思い出す、温泉を見つける為に“遣いをよこす”との男神ヘパイストスの言葉を。
「あぁーーーーっ!しまったぁ、この件誰にも報告も、連絡も、相談もしていなかったぁーまた怒られるっ!」
湯船から飛び出たカインは身体を高速で拭きあげ、リファ面会用の洗濯したての服に着替える。そして一度ララにお願いして、ルークの予定を聞きに行ってもらった。
その間にカインは昼食を自室で食べる。今日からバルビッシュも業務に戻ったが今はまだルークの執務の手伝いをしていて居ない。
ララはそんなに時間をかけずに戻って来て、「今からなら大丈夫」と言われたと教えてくれた。カインは急いでお昼ご飯のサンドウィッチを飲み込み、身だしなみを整えてもらってから、ルークの執務室に向かった。
カインがルークの執務室の前に到着すると扉の前にランドルフが待っていて、カインが来るとスッと扉を開けてくれた。カインは入り口から大きな声で言う。
「父様。大事な連絡事項をお伝え忘れていました。急なお願いにも関わらずお時間をいただきありがとうございます」
「うむ、入ってゆっくり話そう」
ルークはカインの口上を聞いて引き攣り始める頬肉を意識の力で押さえつけていた。
カインは心の中で『ごめんなさい』と伝えてから昏睡中に見聞きした事をルーク、リディア、アーサーとランドルフに伝える。
カインが退出後報告を聞いた家族達は一様に頭を抱えていた。しかし、またもサンローゼ家に良い結果をもたらすと結論をまとめる。
「カインは一体何柱の神々と出逢うのだろうか?神々から神託ではなく、目の前に現れ直接話をして、交渉までしてくる。私はもう少しゆっくり過ごして欲しいのだが…」
ルークは凄い速さで成長をしていく末息子を想い小さなため息をつく。リディアはそっとルークに寄り添い「カインは強い子です大丈夫」と告げるのであった。
先ほど思い出したばかりだが、ちゃんと報告できた事に心が軽くなりスキップしながらリファの待つリディアの部屋に向かうカインだった。
ここ迄お読みいただきありがとうございます。本話で今回の章は終了です。
少しお休みをして、再開します。
宜しくお願い致します。




