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シールズ辺境伯爵領でのお仕事2

”がやがやがや、わいわいわい”城門から200mくらい内側に進んだ本通りの道の真ん中。整備局員、騎士団の護衛とカインを合わせて20人くらいが打ち合わせをしていた。街の人々は、通行を止めて何が始まるのかと道の端に立って見つめていた。細かな打ち合わせを午前中に行い現場に来たのだが、現場に着くとある問題が浮かび上がった。


「サンローゼ領街に比べるとやっぱり人が多いなぁ。それに道の幅が8mくらいありますよね、ドートンさん」

カインが現場に到着後、実際の道を見て感想を述べる。


「この本通りは、ほぼ8mになる様に都市計画の初期段階に決められています。ただ所々幅が異なる所があるので調整が必要になりますね」

今回の”石畳”化プロジェクト現場責任者のドートンが答える。


「あと、あの店の前みたいに個別で整備されていたりしている場所が、他にもありそうですよね?」

カインが指さす店の前は、その店が荷下ろしがしやすい様に板が敷いてあったりした。その他にもこの道沿いには露店が並ぶ場所もあるそうで、どの様にするかを現場で話し合っていた。


「出来れば、均一で作りたいんですよね。その方がイメージが簡単なので時間も短時間で出来ますし」

カインが【魔法】を使う際の要望を伝えた。ドートンは少し考えた後、現場にいた部下を数人呼び寄せ地図を広げたり、計測したり、地図と見比べたり会議を始めた。


すこし会議が長引きそうだったので、カインは街の様子を何となく観察を始めた。来た時にも思ったが、人がサンローゼ領街に比べて多く、人族以外の人々も多く見かける。先程はこの世界に来て初になる、兎獣人の女性を見かけテンションが上がった。他に気付いた事は、下水道があるせいか街に漂う臭いが少なく感じていた。


「カイン様、カイン様?」


「あ、はい。考え事をしていました」


「時間がかかりすみません。協議の結果”石畳”化は道の中心から左右に3mで行っていただきたいと思います。また、昨日ご提案のあった”カント”でしたでしょうか?で作っていただきたいと思います」


「道の中心から左右に3mづつですね?それで”カント”をつけると石畳の端と土の道が出来てしまい時間が経つと土が流れてしまいますね。うーん、道の境界線を作るのはどうでしょうか?」


「境界線ですか?」

イメージがつかないのかドートンが悩んでいたので、地面に絵を描いて詳細の説明をする。簡単に言うと”石畳”化した道としない場所(歩道と呼びます)をプールのコースを分けるロープの様に石壁で境界を作る。その後、道の中心から”カント”をつけて”石畳”化すれば自然と歩道と石畳で段差が出来る。


「おお、それは良いですね。ぜひお願いします」


「ただ問題点が一点。道の中心線と境界線を引いてもらうと作りやすいのですが。僕ではそこまでは出来なくて…」


「ご安心ください、私達の方で手配します。少々お時間ください」

ドートンさんが再度部下を呼び何かを指示し、部下の方が荷物を運ぶように持ってきていた荷馬車に走って行った。しばらく観察していると、数人の整備局の職員達が何かの道具を使い、道に中心線と境界線を引き始める。カインからは何を使っているか良く見えなかったので再度ドートンに確認をする。


「ドートンさん、皆さんはどうして正確に中心線を引く事が出来るのですか?」


「はい、あれは計測した長さの中心を割り出す魔道具を使っているからです。このシールズ辺境伯爵領を整備する際にドワーフの技師が多く係わっていて、その時に彼らが使っていた魔道具を譲って貰ったのです」


「へぇー便利な魔道具があるんですね」

作業をしている職員達を眺めながら感想を言った。しばらくすると準備が整い線が引けた。


「それでは、【魔法】を使いますので下がってください」

カインが周りにいる関係者に指示を出す。それを聞いた現場整理の職員が笛を吹き、見学人を下がらせた。


「では、まず20m程。【ストーンウォール】&【ストーン】」

魔力を十分循環で練って魔法を行使する。いつもの事ながら道が少し発光しカインが手を付いた処から、ドミノが倒れる様に道が”石畳”化していった。


「「「うぉぉぉぉっ!」」」「「「なんだあれ?すごいっ!」」」などの歓声が見学人からあがる。


「よし、旨く行ったかな? ドートンさん確認お願いします」


「畏まりました、お前達確認だ!」

ドートンさんの号令の後、確認担当の職員が計測を開始する。しばらくすると口々に「問題なし」と報告が上がってくる。ドートンがそれを纏め、カインに全部問題なしとの報告をした。


「それでは、頑張りますか」

カインは、腕まくりをして気合を入れ直した。


”石畳”化プロジェクトのメンバーは、時間の経過と共に効率が上がり本日の作業終了までに全行程の3/4の”石畳”化が終了した。予定の1.5倍の進捗であった。その後1週間を掛けてシールズ辺境伯爵領都の主要道路と広場を”石畳”化していった。これにより、シールズ辺境伯爵領都でもカインの2つ名『石畳様』が広まって行ったのは言うまでもない。

ここまで、お読みいただきありがとうございます。

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[気になる点] >「へぇー便利な魔道具があるんですね」 そういう未知の技術をこそ進んで解析して取り込んでいくべきだと思うのだが、なんで興味持たないんだ?地球の方が上だとでも思って現地の技術を自然に見下…
[気になる点] プールのコースを分けるロープの様に石壁で境界を作る。その後、道の中心から”カント”をつけて”石畳”化すれば自然と歩道と石畳で段差が出来る プールある世界??
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