後編 美味しいココアは如何ですか?
セリフが多いです。
嫌な人は回れ右でお帰り下さい。
後編となってますが、最初に読んで構いません。
「美味しいココアは如何ですか?」
男は目の前に座る少女に問いかける。
ゴスロリファッションの少女は、
「オジサン、誘拐犯?」
と聞く。
「誘拐犯ではありません。美味しいココアは如何ですか?」
笑顔で聞き返す男。
「・・・ココアより、コーヒーが良いな」
「美味しいココアは如何ですか?」
「コーヒー!」
「美味しいココアは如何ですか?」
「仕方ないわね。ココアを頂戴。温かいやつ」
男は微笑み、小さなマグカップをテーブルに置いた。
「どうぞ召し上がれ」
言われて、少女はココアを口にする。
「で、ここはどこ?」
足をプランプランさせて聞く少女。
「ここは語りの部屋でございます」
「で、あなたはだあれ?」
男の姿は、黒髪に黒い瞳、色白な肌に整った顔に銀縁眼鏡を掛けている。黒いスーツが周りの暗さに溶け込んでいる様だ。
周りは真っ暗で、男と少女の間の天井?からの明かりしか光が無い。
「私めは、貴女様がお話しして下さる事を聞く者でございます。呼び名はお好きな様にして下さいませ」
「お話しを聞いてくれるの?お名前は、ジャンポールがいいわ」
嬉しそうにクマのぬいぐるみを抱きしめる少女。
「私はね、とても不思議な力を持ってるの。とても不思議な。他人の考えが読める力を。ジャンポールの考えてる事は何故か読めないのだけどね」
「・・・」
「何も考えてないのか、特殊な人なのか分かんないけど、気にしなくても良い気がするから、気にしないわね」
「・・・」
「実はね、このクマさんもジャンポールっていうのよ。私のお友達。可愛いでしょう?」
ジャンポールがオヤツをテーブルに置くと、少女はクッキーを取って食べ始めた。
「美味しい!それにしてもここ暗過ぎない?私、暗い所は苦手なの。明るく出来ない?」
「出来かねます」
「それって出来ないって事?」
「はい」
「ケチ」
「・・・」
「私は、劇団で子役をやってるの。結構有名なのよこれでも」
「・・・」
「ママやパパとは離れて暮らしているけど、一緒に働いてるお姉さん達が居るから寂しくはないの。ジャンポールも居るしね」
そう言い少女はクマのぬいぐるみを高い高いする。
「でも、やっぱり寂しいのかな?夜は怖くて時々寝られないの。悪夢を見るから。1人は寂しすぎるから。暗闇は嫌いよ」
「・・・」
「暗闇に居ると色々と嫌な事を思い出すから嫌い。だから、ここも嫌い。さっきまで、お部屋でご本を読んでたのに。お友達に囲まれて」
「・・・」
「早く帰して元の所に、私のお部屋に!」
「都合上それは出来かねます」
「都合上ってどういう意味?」
「・・・理由があって出来ませんという意味です」
「理由って何?」
「企業秘密です」
「それは何?」
「秘密という事です」
「ジャンポールのイジワル」
そう言いクッキーをポイポイと口に入れる少女。
「お兄ちゃんと違って優しくないのね」
「・・・」
「無口だし。愛想無いし。笑顔が嘘っぽいし。全然違う。お兄ちゃんと2人きりだったら良かったのに。何であなたなの?」
「・・・」
「ほら、何も言ってくれない。つまんない。帰る。バイバイ」
そう言うと、少女の姿は消えていた。
次に現れた影に男は問いかける。
「美味しいコーヒーは如何ですか?」
はじめましての方もそうでない方も、読んで下さりありがとうございます。
後編です。
なかなか手こずりました(笑)
加筆しようと思いましたが、これはこれで出来上がってるようなので、気にならない内は加筆しないと決めました(笑)
では、また次の作品でお会い?しましょう。
ここまで読んで下さりありがとうございましたm(_ _)m




