1章・普通症候群1
初めて、小説というものを書きます。くりゅーです。
元々小説を余り読まない…というか全く読まないのですが、小説家である伯父に感銘を受けて書きはじめました。
文章も稚拙な部分が多く見られるでしょうが
最後まで誰か一人でも見ていてくれたら嬉しいです。
僕は今とっても憂鬱だ。
とある高校の2学年教室の一室の一番廊下側の最前列の席。
『自分』って物に嫌気がさしてくる
と
《並山大学 合格判定D》
とかかれた模試の結果通知を見ながら、そう感じていた。
目指す大学が難しいと言えば難しいのだが、合格判定Dという残酷な判決は、メランコリィになるには十分な材料だろう。
だが、僕にはもう一つ。ショックな知らせがその通知にはかかれていた。
「お~い!お前、今回もやりやがったか??」
僕の気分などお構いなしに、コイツは喋りかけてくる。
名前は瀧澤太陽。
身長は僕より10センチ弱大きく、俗に言う『細マッチョ』。髪の毛は少し長く、学校の生活指導の基準スレスレだ。
そして顔は、恐らく僕よりもイケメンだ。
「お前……ロクな結果じゃなかっただろうに……。よく元気でいられるな」
瀧澤は文字通り太陽のような奴で、クラス一のひょうきんものだ。
声はデカイし、下ネタはスゴイし、いらないところで頭が高速回転するバカだ。
また空気が読めないという欠点も兼ね備える彼はまさしく『残念なイケメン』だ。
「ハッ、俺は勉強はできないけどよ。こっちのほうは天才だからよ!気にしねぇのさ!点数なんかよ」
と力瘤を見せつけて自慢気に話すが
それは開き直るようにしか聞こえない。
だがコイツの運動能力は言う通りすさまじい。
つまり彼は
《特出した才能が一個でもあれば、それでいい》
そう言いたいんだろう。悔しいが確かにそうだ。
しかし僕にはそれがない
「で??どうなんだよ…グラフのほうは?」
一瞬、コイツの馬鹿さ加減に気をとられた隙に太陽に見られてしまった
「おほほww!!すげぇ!お前すげぇよww」
見られてしまったのは
右下の得点推移の折れ線グラフだ。
通常これには三つのグラフがかかれている。
一つ目はここ普原西高校の第2学年全体の平均値の推移。
二つ目は全国の平均値の推移。
三つ目は受験者自身の得点の推移。
僕のには三つ目のグラフがかかれていない。
ちがう。
二つ目のグラフと三つ目のグラフがピッタリとドッキングしているのだ。
つまり……
「コイツまた平均値だぞ?すっげぇな!!」
つまりそういうことだ。
「うっせぇ!!騒ぎ立てんなよっ」
そんな言葉虚しく、周りに人が寄り付いてくる。
休み時間のためたくさんの人にかこまれる羽目になった。
「すごいじゃん!!すごいよ太郎。なかなかないよこんなこと!」
聞いてしまったでしょうか。
寄ってくる男子どもに紛れ、一人の女子が スーパーヒーローを見るようなテンションで語った中に、
『太郎』という単語が聞こえてしまっただろうか。
それは僕の名前だ
《名前:山田太郎 ヤマタ゛ タロウ》
と丁寧にもフリガナまで、僕の模試の結果通知にもかいてある。
「体力測定も、身長も、座高も、体重も、学力もみんな全国平均値なんてすっごいよ!テレビでれるよww」
この女の子
ブロンドのロング髪を携えたこの
小鳥遊 遊 という僕の幼なじみは、僕の心のデリケートな部分にズカズカと土足でお邪魔してくれた。
トドメに
「日本一『普通』って言葉が似合う学生だよね!太郎って」
と言い放つ小鳥遊 遊。
「うるせー!太陽だの小鳥遊だの…、お前らには『山田太郎』の気持ちがわかるかよォォ」
机に突っ伏し、これ以上のメンタルへのダメージを防ぐ態勢に入った
「あはは…弄りすぎた…かな??」
「おいおい…顔上げろって」
小鳥遊も太陽も優しい言葉をかけてくれるが、
もはやそれすらも煩わしい
そんなことをやってる内に5限目のチャイムがなった。
僕が憂鬱な理由。
それは合格判定がDだったこと
それにプラスして
全国平均値とまるかぶりだったこと
つまり
『普通』であることだ。
まあ
今に始まったことではないのだが…
人生最大のコンプレックスであり
人生最大の悩みだった。
悩みなら同レベルの悩みがまだあるなあ……。
そんなことを思いながら、
必死にデリケートなハートを修復し5限目は終わった。
そうだ。今日は5限で終わりだった。




