街へ行ってみよう!
ジェイドからこの国の話を沢山教えてもらい、自身の置かれている状況が見えてきた。そして、顔は化粧が中途半端に落ちてお化けのよう、髪や身体は汗でべたべた、服は汗と泥でぐちゃぐちゃで異臭を放っている自身の状態に気付き、猛烈に恥ずかしくなった。森から抜け出すことができ、安心すると生き死にに関係がない身だしなみが気になるようになってしまう。
「ん?そわそわして、どうしたんだ?」
「いや、お腹が満たされて落ち着いたら、自分の姿の酷さに気づきまして。あまりに酷い格好だなと。臭いですよね、すみません。」
「そういうことか。森を彷徨っていたんだから、汚れていないほうがおかしいだろう。でも、気になるようなら・・・」
『クリーン』
万智の身体が水色の光に包まれる。ベタベタの髪、泥と汗で薄汚れた服、化粧が落ちてお化けのような顔があっという間に綺麗になっていく。
「わっ!なんですかこれ!?凄い!凄いです!ありがとうございます!」
万智は一瞬で綺麗になった現状に興奮が止まらない。そんな万智を見て、ジェイドは微笑んでいた。
「さて、出雲さんはこれからどうするつもりなんだ?帰る当てはあるのか?」
ジェイドに尋ねられ、万智は少し考え込む。元の世界に戻る方法なんて見当はつかないし、ひとまずはこの世界で衣食住を得てから、元の世界に戻る方法を調べるしかないだろう。この国は魔物は出ず、色々な種族がいる中で異世界人の私が混ざっても比較的馴染みやすい気がする。ジェイドは騎士で、ある程度は周囲の人間への発言力はありそうだし、生き倒れを助けるくらい良い人ではある。そんな打算を考えながら、ジェイドに街へ同行したいこと、暫くはその街で生活していきたいことを伝えた。
ジェイドは快く協力を申し出てくれた。こんな良い人なのにジェイドの身分や自分の状況を考えて、頼る人を決めている打算的な自分を少し恥ずかしく思い、ジェイドに絶対に恩は返そうと決意した。




