同級生
その後キースから連絡があった。やはりロイドは同窓会に出席しないそうだ。
それを同窓会の幹事に確認したのか、直接本人に確認したのかは聞かなかった。
キースとロイは友達なのだ。いまだに交流があって、普通に連絡を取り合っていたとしても不思議はない。
メリルの知らないところで、メリルのことを話しているのだろうかと思うと、胸がざわついた。
ロイドは、メリルとキースが通う高校に二年生のときに転校してきた。そしてまず、キースと親しくなった。真逆な性格に見える二人が、なぜか意気投合したのだ。
そう、キースはロイドの「本当に気の置けない友人が一人、二人いればいい」の、一人になったのだ。
幼なじみで腐れ縁だったキースを介し、メリルもロイドとよく話す仲になった。先に好きになったのはメリルだ。
聞いたこともないような遠い町から越してきたロイドは、どこか周りの男子達とは違った空気を持っていて、新鮮だったし、何を考えているのか分からないようなところも、謎めいていて惹かれた。
喜怒哀楽をあまり表に出さず、常に一定の温度を保ち続けているようなロイドが、ふとした瞬間に見せた笑顔のあどけなさに、やられた。
メリルの地道な努力とキースのお節介によって、晴れてロイドと交際に至ったときには、天にも昇る気持ちだった。メリルが毎朝目覚めて一番に思うのは、ロイドのことだった。
ただ一つだけ、気に病んだことがあった。メリルとロイドが恋人同士になったがために、分かりやすく気を利かせたキースが2人と距離を置くようになったことだ。
ロイドと二人でいられるのは勿論嬉しかったが、キースのポジションを奪ってしまった気がした。ロイドの隣にはいつもキースがいたが、メリルがその座を奪ってしまった。
気に病むメリルに気づいたキースは明るく笑い飛ばした。
「いや、俺ソッチの気ないですし。そんな無愛想なイケメンでよかったら、どうぞどうぞ。くそー、俺も彼女作るぞー! メリルみたいなペタン娘じゃなくて、ボンキュッボンって感じの娘」
「わっ失礼ね。誰がペタンコよ。私だって、こう見えて」
「うそだー。うそうそ、ナイナイ。ないだろ?」
語尾はロイに向かって投げられた質問だ。ロイが困った顔で笑う。
「やめてよ、ロイに変なこと聞くの。もうほんっと、キースってサイテー!」
あの頃からキースは本当にお節介だ。デリカシーがなくてポンポン物を言うくせに、変に気を回す。
そんなキースだから、今もこうしてお節介を焼いてくるのだ。
「悪いようにはしない」というキースの言葉を信じて、同窓会へ行ってみようかとメリルの気持ちは動いた。
メリルが失踪したとき、ロイドと両親がメリルの知人友人全員に、心当たりを聞いて回ったというから、同級生たちにも迷惑は及んだだはずだ。
(その節はお騒がせしましたと、みんなに一言謝る機会を得たと思えばいいのよね。そのうち目撃されて、こそこそと噂されるよりも、堂々と会ったほうが今後も暮らしやすいし)




