賢者の異世界転生
とある世界に、最強の賢者と、呼ばれるエルフ族の男がいた。
名をノワール・フォン・フェリスという。
同時に多数の極大魔法を、無詠唱で操り、最強無比と言われた。
常に、魔法の研究に余念がなく、いつも、そればかり、考えていた。
けれど……、やりすぎたらしい。
私の強さが、群を抜きすぎて、
人々からは、非常に「怖い」とヤツと思われるようになった。
魔法の研究が第一で、それ以外は、どうでも良かったのだが……。
今では、刺客が絶えない。
仕方ないので、刺客を殺す日々が続く。
彼らに恨みはないし、殺したくはないのだが、
私は、殺されたくないので、仕方なく始末していく。
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エルフ族は、寿命が長かったが、
魔法を研究しているうちに、不老不死の術まで会得してしまった。
こうして、この刺客に狙われる日々が「永久に続く」事になった。
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私を敵視していた者は、いつの間にか、何代もの代替わりをしていた。
その間に、伝言ゲームとでも言うヤツだろうか、
もともと、私を付け狙っていた理由が、どんどん曲解されていった。
こうして、私は、いつの間にか、ヒト族から、魔王認定されている。
だから、今では、刺客の数も増え、
国の総力を上げて、何度でも、私を殺しに来る。
それでも、私は、負ける気がしない。
……なぜなら、相手が弱すぎるからだ。
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彼らは、代替わりする度に、弱くなっている。
たぶん、魔法や技術を、後の人々に伝える事してないのだろう。
今の連中は、本当に、とても弱くなった。
そして、昨今、私と直接対峙するのは、心根の真っ直ぐな若者たちだけだ。
過去の因縁というだけで、殺してしまうのは、しのびない。
願わくば、私と直接対峙するのは、
心根の腐った熟練の老人たちだけにして欲しい。
そしたら、申し訳ない気持ちを抱く事なく、殲滅出来るのに……。
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もう、こういう生活には、うんざりしてきた。
得意の亜空間魔法で、亜空間に引きこもる事も出来た。
だけど、私は、異世界への転生を試みる事にした。
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転生は、成功した。
しかし‥‥、どうも勝手が違う。
視界がボヤけている。
見えている色も極端におかしい。
目に見るものすべてが、青や緑が強い。
しかも、赤色を識別出来ない。
……カラーバランス設定を間違えたテレビのようだ。
暗いところは、今までより見える。
そして、手を見ると、毛で覆われていた。
あ、あれぇ?
転生した姿は「ネコ」だったのだ。
これは、人生、詰んでしまったかな……。




