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神様の執刀医 Case2 解説

解説回。解説が本編と同じくらい長い。

・トモマサ・ウジハラ

本作の常識人枠の予定。24歳。

日本だと4,5回飛び級してようやく専門医の資格を取れる時期。なのでこいつも大概頭がおかしいがスルーで。

他の能力がさらにぶっ飛んでるので相対的にウジハラの能力は低く見えるけど、別に人間の医者なら教授とか院長を狙えるレベルだと思う。

内視鏡のエキスパートで検査や治療から爆速で終わらせる。

内視鏡のコツを聞いたら「目で見るんじゃない、手のひらで感じ取るんだ」ってニュータイプじみた発言をくれた。

因みに現実世界で本当に言われたことがある。

名前の由来は内視鏡の開発者宇治達郎、杉浦睦夫、深海正治。


・XP900N オリンピック級 EVISイーヴィス TESLAテスラ

某メーカーによる内視鏡を搭載し操作するためのヘリコプター。因みにニホン製。

内視鏡技術は日本がリードしている分野です。オリン○スが強い。そして性能がいい。

作中の内視鏡は幻獣のサイズのせいで人が宇宙服を着て潜り込みます。

それに対しての酸素供給や電源、また術者自身の体調を管理するためのモニターを搭載しています。

当初は車載タイプも開発されていましたが、患獣が首を動かした瞬間に車が吹き飛ぶという惨事が起こったためヘリが採用されました。


・サクラ市

ヤマタノオロチを祭る水の街です。


・タイムアウト

手術前に患者確認のために行う恒例行事です。ギャグと思うかもしれませんが患者の取違は普通に起こります。

意外と別の人の名前で呼んでも反応してしまうとか、似たような症状の患者がたくさんいるとか、時間制限が厳しいとかいろいろと理由はあります。


・執刀

厳密には内視鏡的止血術は手術ではありません。よって執刀医も存在しませんが…

タイトルと矛盾が生じるので執刀医としました。


・内視鏡

カメラ付きマジックハンドです。

胃の中に突っ込んで癌を見つけたり、小さい癌をとったりします。止血もできます。


・内視鏡的止血術

消化管出血に対して最初にとられる止血術です。

慣れた医師であれば非常に簡便にできる処置ではありますが、こういった消化管出血は繰り返す上に患者数が多く、消化器内科医の睡眠時間を削る原因の一つです。

作中のヤマタノオロチとかはアルコール依存症で、肝硬変を起こし、それによる消化管出血で懲りずに酒を飲み続けていますので、そのうちまた出血します。間違いなく。


・アムロジピンベシル酸塩錠、オルメサルタン、メトホルミン塩酸塩、ウルソデオキシコール酸

高血圧、糖尿病、肝硬変の治療薬です。とてもマイルドな処方です。


・サチュレーションモニター

赤い光を出して反射か何かの仕組みで体内の血液中の酸素の濃度を計測する装置です。よく外れる上に信号を拾ってくれなくなる困った子ですが、同時にすごく頼りになります。94以下はちょいと危ないゾーンですが、冷え性の人とかだとそれくらいはざらにいます。


・ゴムバンド付き吸引器

通常の内視鏡なら内視鏡に付属している器械です。茶巾絞りの要領で止血します。


・口腔内…中咽頭…下咽頭…食道

口、喉から胃までの食物の経路を専門用語で表すとこうなります。


・カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物、トラネキサム酸

止血剤


コードブルー

患者がやばい時に鳴らすアラームのようなもの。病院ごとにいろいろと鳴らす方法があります、また名称も病院ごとに違っていてコードブルー、院内救急、♯99など実に様々。今回は某ドラマにあやかってコードブルーで。


・幻獣アスクレピオス

人間サイズの小型幻獣。外見は16歳くらいの少女。推定年齢ウン万年越え。

年齢を聞くとすごく怖い目で見つめられる。蛇だし。

口を開けば5秒以内に罵倒語が飛び出す、おっかないROAの院長。


例1:薬剤量の計算中(5,6桁の四則演算)

「γ計算くらい3秒でやれノロマ」

例2:大型幻獣の皮膚切開時

「そこ1mm切開線ずれてるぞ間抜け」

例3:検査値を聞かれてカルテを漁っているとき

「は? 患者の検査値ぐらい全部暗記しとけカス」

例4:連続24時間の手術終了直後、緊オペが入った時

「3食くらい食わなくても人は死なねえよボケ」


名前は医学の神様、アスクレピオスから。

蛇が巻き付いた杖は日本の救急のロゴとして使用されています。

本作中でも医学の神様として存在しています。

その特殊能力は知識の集積。

過去には動く大図書館として機能していました。

今でこそインターネットが普及し、誰でもどこからでも情報へのアクセスが可能でしたが、

近代以前は図書館・国立図書館を経てそれでもわからない知識は彼女に聞いていました。

彼女はすでに人間が知っている知識はすべて教えてくれますが、例えば不老不死のなり方とか、

人間がまだ知らない知識は分かりません。

要するにPubMed(医学論文検索サイト)。

ちなみにこちらに掲載されている医学論文は人間が一生読み続けても読破することができない量といわれています。

僕もその能力欲しい。

その莫大な経験症例と知識量からありとあらゆる診療科の治療ができ、人外ぞろいのROAのかじ取りをしています。主にねじ伏せる感じで。

また、彼女の加護は身体能力の強化で、100kgぐらいありそうなメスをROAのメンバーが軽々と触れるのは彼女の加護によるものです。


・小腸ファイバー

肛門側から大腸を越え、小腸の奥深くを目指す特殊な内視鏡です。詳しい説明は省略。


・カプセル内視鏡

イスラエルの軍事技術を転用して作成された錠剤タイプの内視鏡です。

小さすぎるので検査にしか使えませんが、全消化管を観察できるというメリットがあります。

というのも通常人間の消化管は7mほどあるため内視鏡で全体を見通すのは不可能だからです。


・治験

第一相試験から第三相試験まで存在する治療試験の事。

手当たり次第に薬を飲ませるのではなく、分子的な構造や実験結果をもとに治療薬としての可能性があると判断したうえで投与します。

第一相、少数の健康な人で有害事象が無いことを確認。

第二相、少数の患者で治療効果があることを確認。

第三相、多数の患者で既存の治療薬と比較して効果があることを確認。

という流れで一般に出回るのです。


・SB3コヴィディエン級カプセル内視鏡 MillCam

ROAの技術の粋を集めて作られたカプセル内視鏡。とても狭い。


・CPR

心肺蘇生の事。最近人工呼吸はやんなくてもいーじゃんということになった。人工呼吸を嫌がって心臓マッサージをしないよりは、心臓マッサージをするだけでも効果があるので。


・ROSC

心拍再開の事。ただし実際の医療現場では脳死状態で心臓だけ動き出すということがほとんど。


・バックバルブマスク

風船をもむことで空気や酸素を送ることのできる道具。

実際の医療現場ではマウストゥーマウスとかまずやらない。これを使う。


2023年6月11日追記


この話は2018年に投稿した神獣の執刀医Case2の再掲載になります。

本作は2022年よりヤングエースにて漫画化されており、漫画版のネタバレを避けるために一時的に掲載を中止しております。

漫画版が原作の内容に追いつき次第順次再掲載していきますので読者の方々にはご不便をおかけしますがお待ちいただきますようお願い申し上げます。


ただ次話以降の内容は漫画版と大きく異なってくるので早めに再掲載するかも。

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