64話 お披露目会に潜む影
魔法お披露目会!
1番では誰にしようかな、投票制にするか立候補……
やっぱ決めるの面倒だし良いか。
「鏡花! お前が1番乗りだ」
「へ? わ、私が1番?!」
「まぁそれで良いんじゃないか? 次で私、その次に関柄と言う感じで」
よしその案採用!白魔法組と黒魔法組で別れてるのは良いな、今度対戦もしてみたい……
固有禁止×魔法禁止すれば俺も程々になるかな?
まぁ攻略が遅くなると死ぬわけだが……
「じゃあ私が1番手で良いのかな?」
「その的に撃ってくれ、俺以外は攻撃系らしいし」
指を刺した先には木で作られた人形があった。
木と言っても魔力を大量に宿した特別製にプラスして錬成で他の素材も使用しているのでそこそこ頑丈だ。
「詠唱もする感じかな? それじゃあ──」
鏡花が詠唱を始めると同時に周囲に魔力が満ち具現化、白のオーラが鏡花を纏い純白の鎧を着ているのだと錯覚させる。
「絶対なる汝の未来、永劫不変たる汝の運命ここに決まり、天の粛清を持って終わりを告げる、その生涯悔い改め新たなる運命を!」
魔力の高鳴りは最高潮を迎える。
これほどの魔力量と濃度ならば蓮兎のフルバフを掛けた攻撃に匹敵するほどに強力、そしてその天の粛清は放たれる。
「絶対なる運命」
木人形の周囲が輝き、白の領域を形成する。
だがその領域は人形の作り出した代物では無く決定した運命が必中になる為の印であった。
ーーシュワァァン
激しい轟音が辺りに鳴り響き、天の粛清が放たれる。
次いで起こったのは激しい衝撃波である、その衝撃は蓮兎達を後退させ土埃が発生し、何が起きているのか分からない状況を生み出した。
「けほっけほ……何があった?!」
「うぅ……魔力が足り無くなったよぉ……」
「大丈夫か? 今魔力を──」
「おやおや〜? 楽しそうな事してるじゃん! 私も混ぜてよ〜」
鏡花の元に駆け寄った最中に何者かが乱入を図る。
その人物は黒の骸骨仮面と黒のローブを着ていて、見覚えのある姿だが何かが違う。
声から推測するに女性であるだろうが仮面で顔が見えないので分からない。
『あいつは代行者……だったか? 何か口調が違う気がするけど……キャラ変えた?』
『人違いじゃ無いか? お前記憶を漁ったがこいつより強かったぞ』
『え、記憶漁ったの? 怖い』
『日本の記憶は無理だがこの世界に来た後の記憶なら自由自在だぞ』
記憶見れるの怖い……ん?
違う違う今は偽代行者の話だった。
確かに前ほどの強さは感じられないけど……
「鏡花、すぐに逃げろ」
「……」
話しかけるも返答は無く、振り向くとぴくりとも動かない皆の姿があった。
まるで時間が止まった様にしている。
「自己紹介がまだだったね! 先輩から自己紹介は初めにしないとダメって言われたのに……まぁ今からすれば問題無いかな? よし、セーフ!」
「……本当にテンション高いな」
「えへへ♪嬉しいなぁ、でも褒める前に私の自己紹介を聞いてもらおうか!」
そう言い自身の無い胸に手を当て軽くポーズを取る。
あ、人に胸が無いって言うのは良く無いか……
でも鏡花とか灯火とか暴食とかがデカ──いやこの話はやめるか。
「む? 何か失礼な事考えなかった? ……て、ダメだよ! また話が脱線しちゃう……もう話さないでね? 自己紹介始まるからね?」
「……」
「少しは話しても良いんだよ?」
何だこいつッ!やりずらいなぁ……
話して欲しいのか話さないで欲しいのかをはっきりしてくれないか?
もう無視するからな?
「ゴホンッ! それじゃあ自己紹介を始めようか! 私は代行者! 先輩の事は知ってるよね? あの人の後輩なのです! 私は時の神の使徒なので時間を止めて蓮兎君とお話をしてるって事! どう? 分かったかな」
「……」
「あ、もう話して良いよ! お喋り大好きだもん」
「なら話すが何のために来たんだ? わざわざ時間を止めてまで話すことがあるのか?」
「う〜ん……何だっけ? 確か先輩に言われて来たんだけど理由を忘れちゃったのです!」
「……そうか、災難だったな」
「うん♪ご心配ありがとう! まっててね、今思い出すから」
本当に何しに来たんだ?
登場の時の強者感はどこに行った?
今じゃただの御転婆な女の子って感じだ。
「あ、思い出した! うんとね、蓮兎君! 君は神々を怒らせすぎた、それに1人だけ強すぎてつまらないからペナルティを与える!」
「は?」




