337話 今宵は月が出る
月の神殿まぁ実際は名前無いらしいがツクヨミ本人がそう言えって言ったわけだしここは月の神殿なのだろう。
前回と同じくどこまでも続く純白の空間、そこに聳える手入れがされておらず蔓などが巻き付いている神殿、何もない空間なのになぜ蔓はあるのかと言うツッコミはあるが今は良い。
それよりも聞きたいことがありすぎる。
「まぁ言いたいことは分かるさ。僕に話を聞きに来たんだろう?権限も中々に上がってるね、大罪との接触もあるだろうが【混沌の権能】を上手く使ってる」
「混沌の権能? 俺は奪っただけで権能は知らないぞ」
「その魔法自体が権能なんだよ、混沌の神とその使者しか混沌魔法は扱えない。僕も同じようなのがあるよ? 月魔法とかね」
固有の魔法を使えるのは本人とその従者のみ、だから魔法を奪えば権能を獲得したのと同じ効果ってことか?
神にも個人個人で権能の効果は違うだろうしそれだけの数の固有魔法があるのだろうか、月魔法とやらも気になる……
「その顔は月魔法が気になるって顔だね? 君に加護を与えても良いっちゃ良いけどね」
「ッ?! マジか!」
暴食の加護と月の加護の両方持ち、それに実質混沌の権能も持ってるらしいしいよいよ最強に片足突っ込んでるんじゃないか?
月魔法、神聖魔法とかと同じ類なのかそれとも月面温度って低いらしいし氷魔法と同じ類なのか?
「まぁ与えても良いよ? 良いんだけどお察しの通り神聖魔法と氷魔法ベース、あんまり君には向かないんじゃないかな?」
「まぁ一応混沌魔法使う過程で白魔法も若干使えるっぽいけど……ん? 何で俺の頭の中わかった」
「まぁこれでも神ですから」
人の頭を勝手に覗くなんて変態だな。
こうなるのも懐かしい、オルグス大迷宮の時は常に脳内に暴食がいてうざかった記憶がある。
今もたまに覗いてくるけどな、全く迷惑な事だ。
「神に変態っていうのも不敬ではあるけど……まぁ良いよ、それより聞きたいことがあるんだろう? 特別だ。答えられる範囲なら3つ、質問に答えてあげよう」
「ッ!」
神にほとんどの質問を答えさせられる権利、こんなにも貴重なのがあるか?!
質問したいことなんて山ほどある、代行者のことやそもそも何故この世界に召喚されたのか、大罪のことも聞きたい。
「まずはじゃあそうだな……傲慢のスキルが知りたい」
「スキル? まぁ良いよ、そのくらいなら良いよ。ほら」
ーーパチンッ
ツクヨミが指を鳴らすともう見慣れた半透明の水色のプレートが出現、そこには傲慢の固有スキル【傲慢】の詳細があった。
───────────────────────
名前 傲慢
効果 【全てを我が手に】 同じ大罪が死ぬとその者のスキルを獲得、そのスキルの真の効果を発揮できる。
効果 【業】 自身が行った罪の度合いによりそれに応じる魔力、ステータスを得る。
効果 【不倶戴天】 自信に一定量の攻撃を与えた相手を不倶戴天状態にする。その状態の相手に限定してステータスの上昇と紫電を扱えるようになり、その紫電は自身の業に応じて威力が上がる。
効果 【支配狂滅】 対象の頭に触れながら魔力を流した時、実力差によって相手を支配する。支配した相手は思考が狂い、スキル使用者以外の言葉は一切聞かなくなる。
───────────────────────
予想は的中、大罪のスキルを扱える系のスキルだったな。
でも真の力を扱えるってのはどう言う意味だ?
本人よりも強く扱えるとかだと【支配】の力を持つ強欲のスキルが厄介か?
でも逆を言えば全員生け捕りにすれば無効化は可能か。
「さて他はどうする? 今宵は長い。月の神である僕に聞きたいことがあるなら好きにするがいいさ」




