211話 元勇者パーティ
「もう集まっていたのかい? 出遅れてしまったね、いやはやギルドの仕事が溜まっていて申し訳ない」
「国とか色々絡んできて大変ですよ……激務で頭パンクしちゃいますもん。一回パンクしましたもん」
疲れた様子をみせるルドルフさんとリファちゃん、国関係もあるし主に蓮兎君関係の仕事が山積みなんだろうな……
そこは聞かないようにしておこうかな、南無阿弥陀。
「それでだ。もちろんやるだろう? 対策会議」
「やる〜! やっぱりルドちゃんは抜け目が無いね〜、どうせもう準備してるんでしょ?」
「流石昔からの仲ですねルノア、ですが私はギルド長ですよ? 敬語で話した方がいいのでは?」
「言ってくれるじゃ〜ん、力比べなら私の方が上なんだけど〜? また魔法ぶちこんでやろうか〜?」
顔を近づけガンを飛ばし合う2人、何か接点があるのかな?
まぁ約1000年前から生きてるらしいルノアちゃんだしギルド長であるルドルフさんとも何か接点があったりするのかもしれない。
「ん? あぁそうか言ってなかったね、私は元勇者パーティの剣士だよ。ルノアと同じパーティを組んでいた」
「……? え、えとだってルノアちゃんは1000年前に勇者さんとパーティを組んでて……え?」
「私は転生者だよ、記憶はあまり無いが転生のさいのギフトはある。それが【不老不死】と【管理者】の固有スキルさ」
「てんせいしゃぁ?」
まさかのルドルフさんって転生者なの?!
い、いや確かに蓮兎君も暴食さんも警戒はしていたし何か力を隠してるってのは分かってたけど転生者で不老不死で元勇者パーティでぇ?
頭痛くなってきたよ私……
「言ってなかったんだルドちゃん」
「そちらこそ言って無かったんですね」
「そりゃ仲良いわけだ……同じパーティなんだもん」
頭こんがらがってきたけど一旦それは置いておいて作戦会議だったよね、長テーブルを用意してっと!
椅子はえっと何人だ?
【ツクヨミ】のメンバーである私、暴食さん、シルヴィアちゃん、アルト君。
【六花】のメンバーであるノエルさん、エチルさん、ティアさん、しれっと参加してたウォルフさん。
大罪の色欲さん、吸血鬼であり私の師匠のレイヴ師匠、冒険者ギルドのギルド長ルドルフさん、その娘さんのリファちゃん。
それで最後にSランク冒険者【始魔り】のルノアちゃん!これで全員かな?
総勢13人、結構な大人数になったね。
「それじゃあ会議を始めます!」
皆が【ツクヨミ】のギルドハウスに集まってから10分程度、七つの大罪序列3位憤怒の対策会議が始まった。
「まず私からいいかい? 良い情報が3つ、悪い情報が1つあるんだ」
まず初めに発言をしたのはルドルフさんだった。
席から立ち上がり話を続ける。
「まず悪い話からだ。王都の兵力は借りられない、色々交渉もしたが無理だった」
「そうですか……ならやっぱり私たちだけで──」
「まだ話は終わっていないよ? 良い話は王都から物資の提供は許された事、あともう一つはなんと勇者を出撃してくれるらしい」
「勇者?」
勇者、それは過去に打ち倒した千崎と同じ職業を持つ者だが王都にいる勇者は総勢5人、それこそルノアやルドルフが組んでいた勇者パーティに近い。
どれをとっても聖人、まさに清く正しい勇者の鏡である人物がこの王都では選抜されている。
勇者の召喚は巫女に依存するためより良い施設、より良い巫女を所持している王都セイクリッドの方が劣悪な環境の帝都ゲルバドよりも良質な勇者が召喚されるのだ。
「そして最後の良い話はほぼ全冒険者が大罪撃退に協力することだよ、どうだい? 頑張っただろう?」
「嘘もいっぱい言ってたけど……まぁ言いくるめたもん勝ちですよ!」
なんか不敵に笑ってる2人だけと……
ま、まぁ冒険者の協力が得られるのは何より大きい、それに勇者の派遣ってのも気になるよね。
勇者ってほどだからやっぱり強いのかな?
蓮兎君の視界を通して見た千崎って人はそんなに強そうじゃなかったけど……
「その勇者って育ってるの? 経験を積ませるためだけにくるんじゃ使い物にならないよ?」
「そこは私も同意見だ。だが仮にも勇者、死者相手には無類の強さを誇ると思うよ?」
憤怒の固有スキル【有象無象】は自身より格下の怒りを増幅し死霊として操るスキル。
勇者の扱う神聖属性の攻撃はアンデット相手には大打撃になりうる攻撃になる。
「神聖属性……あれ、それって私もできるやつ?」
「そうだね、固有スキルがある分鏡花君の方が威力も範囲も上だと思うよ。だから適任なんだ」
「私が適任……やっぱり自身無いかもぉ!」
嘆きながらも死霊の軍は動いている。
私がちゃんとやらないと王都が、いや皆んなが危ないんだ!
頑張らないと……今日は寝れないかなぁ




