207話 黒の天使
「まだあんまり説明欄読んで無いんだけど……確かに良い機会かもしれない! よし【堕天化】発動」
発動と同時に激しい頭痛に襲われ、純白の体は次第に闇を孕み染まっていく。
純白で包まれていた大翼は黒く染まり剣の刃のように鋭い羽が幾重にも重なって翼を形成、神聖力の密集体だった頭上の輪も黒色に染まり切っていた。
手には正体不明の黒が纏わりついていて、絶えず蠢いていて気味が悪い。
「えっと……キョウカさん?」
「あはは! 何これ凄い! これなら皆殺しにできちゃう♪」
明らかにいつもと様子が違う。
蓮兎がフルバフを使い体の崩壊を促した時のような戦いだけを楽しむような狂気、今の鏡花には確実に目には狂気が住み着いていた。
「皆殺し♪皆殺し♪」
「あれやばくないですか?!」
溢れんばかりの闇の力を行使し続ける鏡花、今も肉弾戦で憤怒の創り出した怒りに狂う兵士の頭を握り潰している。
神聖力を攻撃値に変換、それは固有スキル【慈愛の左手】の効果で増幅され質も向上した良質な神聖力を糧として拍車をかけていた。
この瞬間だけならば純粋な筋力だけならばパーティ内でも随一を誇る暴君と成る。
「完全に使いこなせてないな、でもまぁ失敗も時には必要だろ。放置だ放置」
「それで良いんですか……まぁそう言うことなら僕もレベル上げ頑張りますッ!」
アルトは暴食から取った固有スキル【凶華月蝕】を発動。
威力減衰はもちろんMAX、だが【模倣者】に進化した職業ならば本来の火力の50%は保証されている。
そしてこのスキルに付与されているのは腐食、相手の耐久値など削れば良い。
威力減衰があろうとも元が最上位クラスのスキルならば十分に脅威となり得るスキルだ。
「頑張れー」
棒読みで言いながら暴食は【構築錬成】で椅子を構築、それに座り込んで読書を始めた。
普段本を読まないからなのか舌打ちをしながらも読み進める中戦場には黒の天使と黒を纏う人間がレベル上げに勤しんでいる。
「……ッチ、うるさいな」
不満を漏らしながらも本を読み進めた。
ちなみに本のタイトルは掠れていて読めない、表紙は黒く染まっていてなにやら不気味なオーラが漂っている。
◇紅染まる血の孤城・同刻◇
「お邪魔してま〜す!」
「お、お邪魔します……うぅ人がたくさん……人だよね?」
攻略済みとギルドで確認されているSランクダンジョン、そこにやってきたのはSランク冒険者【始魔り】、同じくSランク冒険者の【嶺冷】とそのパーティメンバーであるティア、エチル、ちなみにウォルフは欠席だ。
そしてそれを出迎えるのは始祖吸血鬼レイヴ・スカーレットと何故か紅茶を啜っている七つの大罪色欲担当のヴィオラ・シルファだった。
「ようこそ私のお城に」
「私もいますよ。修道服の清楚です♪」
集まったのは人類の到達点とも呼ばれるSランク冒険者2人、その冒険者の連れである進化済みの職業持ちと氷魔法を操り龍を穿つ魔法を扱う青魔導士、全ての吸血鬼の始祖である女王、全悪魔の憧れの力を持つ大罪だ。
そんな力を持つ者が集まってすることは──
「女子会始めよ〜!」
「「「「おぉ〜!」」」」
「お、おぉ〜……」
盛り上がる5人とテンションが下がる1人、そんな事は気にせずに強大な力を持つ者たちの女子会が始まった。




