205話 万の軍勢、混乱の王都
◇鏡花蘇生から二日目昼【ツクヨミ】ギルドハウス◇
「ん……まだ眠い……眠気覚ましの魔法とか無いのかな」
時は変わり真昼時、太陽は輝き天から地上を明るくサンサンと今も照らし続けていた。
家や家族を失った人々の事など気にしないようにどんよりとした空気が王都に広がっていても太陽は今も輝き続ける。
ーーコンコンッ
鏡花が起きるのを待っていたかのようなベストタイミングでの訪問、突然ギルドハウスの扉がノックされ鏡花は少し驚くが恐る恐る扉を開いた。
「おや貴女は……鏡花さんでしたか、蓮兎君が蘇生させたいと言っていたあの」
「え、えっと貴方は確かえっと……冒険者ギルドのギルド長を務めてるルドルフさん!……でしたよね?」
扉の目の前にいたのは蓮兎君の視界を覗いてた時によく話していたルドルフさんだった。
あんまり蓮兎君も暴食さんもいい印象を持ってなかったけどなんでだろう?
ずっと見てたわけじゃ無いからあれだけど普通にいい人そうな紳士さんだけどな、イケオジってやつ?
整えられた白い髪に片眼鏡、きちんと手入れされている上等そうな職員の服も着てるし……
でもさっきからジロジロと見られてるような?
「天使ですか、それに固有スキル【堕天化】……面白いスキルをお持ちですね」
「ふぇ?! な、何で私のステータスを?!」
「私の固有スキルの影響でし──」
ーーゴンッ
「初めて会った女性のスキルを覗くな変態親父!」
ルドルフさんの背後から現れて頭部を思いっきりゲンコツしたのは多分ルドルフさんの娘さん、リファさんだったかな?
茶髪のショート髪、身長は私と同じくらいの少し小さめ、包み隠さずに言うと可愛い……!
「すみません鏡花さんうちの変態が……」
「い、いえいえ少し驚いただけですから! お気になさらず」
深く頭を下げて謝罪してきたリファさんを止めて頭を上げさせた。
突然やってきてステータス覗かれて覗いた張本人が頭叩かれてその娘さんが私に謝ってきて……
あ、あれ?なんか頭ががらがってきたよ……まだ寝たら無かったのかな?
「それで何か用があるんですか?」
「あ、そうだった! ほら起きてお父さん」
痛みでなのかその場に座り込んでいたルドルフさんを起こすリファさん、それに答えて起き上がりすぐに口を開けた。
実はあんまり痛く無かったんじゃ?と思ったけどそれは言わないお約束ってやつかな?
「報告を頼みたい、王都の最深部で何があったのか、大罪関係のもできれば書きたいんだよ」
「……えっと答えたい気持ちはあるんですけど当事者の蓮兎君が気絶してて動けない状態でして……」
そのことを伝えると2人は目を合わせて「どうする?」みたいな会話を目線でしていた。
「なら別の話に移りましょうか、失礼ですが聞きます。本当に今回は大罪を殺しましたか?」
今回は、それは初めての大罪戦で殺さずに仲間にした色欲……あれ色欲さんだっけ?
急に目つきが変わったし真剣な話なんだろう。
でも私その場にいなかったから……
あれ私って役立たず?
「殺した。俺とギルドメンバーが証人だ」
「暴食さんいつの間に?!」
急に背後に来てびっくりした……
で、でも当事者の暴食さんが言ってるなら本当に完全に倒したんだ!
「そうですか……ならあれは別件ですか、残念ですね。まだまだ休めそうにありません」
「?」
「復活した勇者とかのか? あれは蓮兎が起きてからだからまだ時間かかるぞ」
復活した勇者、死者に転じてこの世に再び顕現した歴代最強の勇者がSランクダンジョン【夜煌めく勇者の墓】のボスモンスターとなって今も地下に続く墓地で眠りについている。
「それとも別件だよ、簡単に言えばそうだね……あと2日ほどで1万の軍勢が攻めてくる。この王都にね、確認済みなだけでもっと多いとおもうがね」
「はぁ……憤怒か」




